■八戒の謎
●素顔の謎
1億2000万人の八戒ファンの皆様、今回は八戒の素顔について解明します。我々が彼がカフスを外す現場を見たのはただ一度、瓢箪の中の全身黒タイツさんと闘った時です。ここで判明したのは八戒は全身黒タイツと闘う時はカフスをはずすというまったく応用のきかない事項と、悟空がカフスを外した八戒を見たのは初めてらしいという実に応用のきく事項の2点です。旅を共にする悟空すら見たことの無かった素顔を我々如きに素直に見せてくれる訳がありませんが、ここはひとつ諦めず、カミサマにお願いして全身黒タイツを再派遣する以外の手段を講じましょう。最遊記において「装置をつけた姿」と「装置を外した姿」の両方を我々にさらしてくれたのは、やおねちゃんと悟空の二人です。やおねちゃんについて、我々は変身前・変身後の彼女の違いを点描トーンで強調してくれた先生のおかげで知ることができました。「耳が伸びる」「文様が浮かぶ」以上。あんま変わんないじゃん。弱いし。悟空は「耳」に加えて「人相が悪くなる」「髪の毛が伸びる」「爪が伸びる」「記憶が飛ぶ」「なんかえぐい殺し方の方が好きみたい」などと様々な変化が見られます。それでは我らが八戒はどちらなのでしょう。「耳」伸びてます。「髪の毛」伸びてます。「爪」伸びてます。「文様」浮かんでます。「記憶」明らかに悟空特有の現象ですので却下します。「えぐい殺し方」元々好きそうです。「人相が悪くなる」…さあ、これが本題です。八戒が三蔵一行のうちの誰かと「できてる」としましょう。更にその誰かを悟浄であると仮定します。仮定してください。話が進みません。ふたりは恋人同士で一つ屋根の下に3年近くも住んでいます。当然悟浄は八戒の真実の姿を見たいと思うはずです。我々が普段お目にかかっている八戒は仮の顔です。変身後なのです。恋人の素顔を知らずにベッドで睦言交わせるものですか?悟浄はおそらく素顔を見ました。そのうえで面食いな悟浄が今も八戒ラブなのですから(仮定)多少人相が悪くなったとしてもたかだか知れてるんじゃないでしょうか。目が蛇になったり牙がセイウチの如く生えたり鱗が映えたり顔中文様が走り回ってそこが割れて触手がでて粘液吐いてクビが360度回るようなことはないでしょう。だから「たかだか知れてる」その変化というのはどの程度なのよ!しつこいですね貴方も。ズバリそのものをお教えしましょう。八戒の素顔を見たもう一人の人物、それはおひさしぶりです清一色です。彼が使い魔に言わせたあのセリフを思い出してください。「ソレガ君ノ本当ノ顔ダヨ!」あの程度です。あの程度なら何故カミサマ戦でさくっとカフスを外してくれないのでしょう。その理由はなんと悟浄にあります。制御装置をつけていない悟浄がパーティー最弱ではないかという我々の疑惑を表沙汰にしないよう気を使っているのでした。やはりあの二人はうにゃうにゃなのです。A=Bと仮定しB=Cと仮定しているのにA=Cと断定することでA=Bを証明するという未だかつてない謎解きに、さすがの元聖職八戒もぐうの音も出ないことでしょう。
■よくそーゆー事が言えますね貴方は…。