■捲簾の謎

●釣りの謎

捲簾大笑、いや大将の趣味は釣りだそうです。ざっと見渡したところ「釣り!?釣りですと!?あの終始暴れ回ってる男がのんびり釣り糸たらして何時間もじっとしてるんですか!?」という意見と「だって釣りが好きな人に悪い人はいないってお父さんが言ってたし」という意見があるようです。そりゃそうです。この際、何がこの際か分かりませんが殺生無殺生の議論はなしです。生まれた時から釣りに慣れ親しんだ方は父親が釣り好きと相場が決まっておりますが、そうでない方は早くて20代後半から30代前半に職場の同僚に誘われてはまるというパターンが一番多いように見受けられます。言うまでもなく釣りは大人の趣味です。資金がかかるうえ、海や川のもつ本来の力や魚の本当の旨さを知ってこそ楽しめるものだからです。更に釣りの愛好家には愛煙者が多いという興味深いデーターを入手致しました。大人は何をするにも子供と違って口実が必要な生き物です。仕事をするにもHするにも何かしら理由がいるのです。煙草を吸ってさえいれば、ベンチに何をするでもなく座っている理由やセックスの後についつい寡黙になってしまう理由づけができるのです。釣りも同じ事で、海や空を眺める理由や酒を呑む理由になるのです。笑ってはいけません、釣りもしていない、煙草も吸っていない男が海を何時間も眺めていたら通報されてしまいます。この辺りの大人の男の心理はお子様や女性には計り知れない深遠なるものなのです。そう考えると、休日に捲簾がふらっと海だか川だかに出かけて何時間も水や空と対峙する姿はなかなかロマンじゃありませんか。普段見せない素顔をそこではさらしているに違いありません。私を釣りに連れてって。連れてってと言えば、捲簾には少なくともひとりは釣り仲間がいるはずです。天蓬元帥でないことは確かですから部下の誰かでしょうか。大変です。釣りバカをご覧になったことがある方ならお分かりでしょう、釣り仲間の間のそれはそれは深い絆を。身分も年齢差も飛び越えた堅い堅い絆を。天蓬元帥、いいんですか、ほっといて!


お前さんの蘊蓄聞きにきたんじゃねえのよ。