■金蝉の謎
●体の謎
元帥はともかく大将にまでキャラコンで負ける影の薄さに涙を拭きながら今回は金蝉です。彼は観音菩薩の甥っこです。甥ということは観音の兄弟姉妹の子供と言うことになりますが、観音に兄弟姉妹がいたというだけでも、いや親がいたというだけでも驚きなのに、観音が両性具有なんだからその兄弟姉妹も神であり両性具有であって、その甥の金蝉も当然両性具有で、観音の表向きの性が女性なように金蝉の場合は男性であると言ったら貴方はどうしますか。「陰茎・陰嚢・膣は備わっているが子宮はなく総じて美形揃いである」のが一般的な両性体。残念ながら今現在、金蝉がそうでないという確証はどこにもありません。色への無関心ぶりはお稚児趣味の賜物とばかりは言えないようです。この現実を認めるのは辛いでしょうが目を逸らせてはいけません。悟空に向けられる愛情が父性なのか母性なのか、はたまた悟空にあんなに簡単にごっそり髪を引っこ抜かれる地肌の弱さは何事なのか、何故神に近い者の印である額の紋が元帥にはないのか(あ、これ関係ないや)無殺生のはずの天界で何故鳥の羽のつけペンを堂々と使用しているのか、すべては単行本2巻発売後の検証に委ねたいと思います。なぜならこの謎は金蝉が局部を我々に晒してくれるか、大将が食い物を片手に「悟空、あいつのあそこどーなってんの。風呂一緒に入ってんだろ?」「うん、あのねー」などという会話をしてくれなければ解けず、そんな場面や会話を最遊記外伝に望むような不届きな私ではないからです。本当です。
●ビジュアルの謎
何故シャギー?ってそんなこと我々に聞かれても困ります先生!観音の趣味でしょうか。純粋培養のお坊ちゃま・真の王子金蝉の身内は「花もお育てになったことがない」観音しか登場していませんが、おそらく周囲に乳母やら何やらわんさかいて「金蝉様は神々しいまでのお美しさ」とちやほやちやほやされて育ったのでしょう。ミカンの皮も自分で剥いたことがないに違い有りません。深窓のお嬢様というものは頑なに「これは自分にふさわしい」「これは自分に似つかわしくない」という確固たる拘りがあるものです。「白」を自分のイメージカラーとして刷り込まれるというところはお嬢と共通していますが、髪型に関しては「さらさらのストレート」か「ゴージャスなたてロール」と相場がきまっているところを何故シャギーなのでしょう。観音、鋏を片手に部屋に乱入。「いつもいつも辛気くさい顔しやがって。たまには外に出て若者らしく体を動かせこの引きこもり」「ほっとけクソババア」「しょうがねえなあ、毛先だけでも動きを出すとするか」なにひとつ謎が解けないままお別れします。さようなら。
■何も知らんのは俺だけか。