■男性キャラの謎

●清一色ファンの謎

最遊記ファンの中でも激しく愛されたり激しく憎まれたりとそのキャラクターは際立っています。何故単巻限定キャラが良くも悪くも我々の心に残ったのでしょう。彼を激しく愛する方は主として八戒ファンであり、おまけに少々歪んでいます。八戒に一生残る傷を刻みつけ生まれ変わらせて怒らせ苦しめ泣かせ嘔吐させ気絶させ悶絶させ拘束し洗脳し嬲り貶め全身に虫を這わせイイ顔イイ声をたっぷり堪能した挙げ句に最期はきっちり八戒の腕の中で逝った清一色を自らの欲望の権化とみなしているのです。書いてるだけで興奮です。ありがとう清一色。逆に憎んでいる方は、同じ八戒ファンでも好きな人を苦しめるなんてとんでもない、変態許すまじという非常にまともで正常な性嗜好の持ち主です。八戒にまっとうに恋しているか、八戒にまっとうに恋しているキャラに恋しているために恋敵としか見られないのです。もしくは他のキャラに思い入れがありすぎて、八戒ひとりに執着する清一色の存在が単に迷惑なのかもしれません。清一色が存在し続ける以上、八戒の独壇場ですから。おたく受けする要素をすべて兼ね備えた八戒が八戒である以上、第2、第3の清一色が現れ続けることでしょう。楽しみに待ちましょう。ちなみに悟能の姉の子供の父親の息子が清一色です。要するに清一色は悟能の甥っ子ということになります。

●独角の謎

悟浄の腹違いの兄です。悟浄がほんのいたいけな幼児だった頃からおっさんくさく、10年近く経過した今でも対してビジュアルが変わっていません。顔は浮気者の父親似で、実の母親似の悟浄とは似ても似つかぬ顔かたちです。性格は見たまんまで非常に男らしいです。主君と決めた紅ちゃんに一途に尽くす一本気なところや、自分より弱い立場にある存在を全力で守り抜く正義感の強さ、融通のきかない頑固さ、さっぱりしているように見えて熱血漢、たまにやおねちゃんに甘えて愚痴をこぼしてしまう弱さ。つまり顔も性格もおやじです。精神が不健康で軟派な悟浄とは性格も似ていません。似てるのは兄貴な物言いだけです。一見非常に分かりやすい妖怪のように思えますが、よく考えると彼の言動は意味不明です。まず紅への思い入れが謎です。悟浄と「どことなく似ていた」から「重ねてた」…まぁ確かに髪の色は紅ですが砂トーンと艶ベタです。目尻が同じですが顔つきが違いすぎます。彼が紅ちゃんに重ねた悟浄は子供悟浄のはずですから、今ほどすれてもいなければオーラがエロくもなかった悟浄は王子様並にかわいかったということでしょうか。そういうことにして次にいきます。独角はいったい何をしているんでしょうか。その目的が不明です。彼は牛魔王など生き返ろうが死んだままだろうが心底どうでもいいのです。しかも主君が三蔵一行の殺戮に気がのらないのを知っています。知っていて、縁もゆかりもない羅刹女を救うために世界を混沌に陥れようと動いており、その理由は紅がそうしたいからというただ一点のみなのです。なにかないのでしょうか。信念とか。私は今後「待て、紅。悟浄だけは俺が殺る!」などと紅ちゃんの前に立ち塞がってくれ、しかし殺せず悟浄に切り刻まれ、「あ…兄貴」と呆然とする悟浄に死の瞬間にやりと笑って「悟浄、泣くなよ?」と言い残す日を夢見ていますが、夢はしょせん夢です。


…分かりづれえよクソ兄貴…。