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ドリルスペシャル

「ちょっと出かけてくる」
そう言い残し、後藤博士は旅に出た。
残されたドリルちゃんは博士の帰りを持ち続ける日々を過ごしていた。
しかし、そんなときに限って不幸は訪れるのだった。
博士の留守に目をつけた巨大企業ZONYが研究所を制圧すべく攻めてきたのである。
技術力の限界からきた経営不振が続くZONYは以前から博士の研究成果に目をつけていた。
迫りくる大量のZONY製巨大お掃除ロボ「野焼き33号」
研究所の防衛機能が突破されるのも数時間とかからなかった。
第二、第三研究所は壊滅状態に陥り、残すは本丸第一研究所のみとなった。
最初のうちは怖さに打ち震えるドリルちゃんだったが、
研究所が破壊されてゆく光景を目の当たりにして目はだんだんと力に満ちてゆく。
さっきまで猫のようにおびえていた弱き者の姿はそこにはもうなかった。

ついに第一研究所のメインゲートが破られ大量のロボットが雪崩れ込んできた。
しかし、そこには足を地に根付けたように微動だにしないドリルちゃんがいたのである。
部長「待てい!」
ZONY開発部部長田中の一声でロボット部隊は進軍を止めた。
この男の腕にもドリルちゃんと同じようにドリルがついていた。
部長「お前は助手のドリルだな・・・そこをどけい!もはやここは我々が占拠した!」
ドリル「いやです!!!」 部長「ほう・・・お前強い目をしているな・・・いや、強くなる者の目といったところか、
   まあいい、お前一人ではどうにもならん、命だけは助けてやる、さっさとここから立ち去るのだな」
ドリル「この第一研究所は私と博士のおうちなんです!博士と一緒に過ごした
    大事な思い出がいっぱい詰まってるんです!絶対に・・・絶対に渡せない!」
部長「ふ、言ってもきかんか・・・・しょうがない、かわいそうだが死んでもらう!!」
ドリル「あなたなんかに・・・あなたなんかに思い出は壊させはしない!!!!」
「ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

一方そのころ
旅に出た博士は今まさに生命の灯火が消えようととしていた。
博士「ぐうううううぅぅぅぅ不覚!まったくもって不覚ぅぅぅぅ!!」
博士の旅の目的は「全国ご飯に合うおかず巡り」だったのである。
だがあまりにいろんなものを食べ過ぎたせいであっという間に無一文、
帰る路銀もなくついに空腹の限界がきて道端に力尽きてしまっていたのである。
博士「ふ・・・・食い物を求めて空腹で力尽きるとは・・・皮肉だな・・・」
まぶたがどんどん重くなる、最後にぼんやり目に映ったのははドリルの顔だった。
・・・・・いや、ドリルではない誰だ?
少女「あの・・・大丈夫ですか?」

間一髪、博士は近くの村に住んでいた村娘に命を救われた。
少女の家に連れて行かれ、飯を分けてもらいどうにか博士は体力を取り戻した。
それから博士は命を助けてもらったお礼に畑仕事を手伝う日々を過ごした。
少女の家は貧しく、祖母と二人暮らしであったため大変喜ばれた。
最初は村の者達によそ者扱いされていたが、次第打ち解けてゆき
知識が豊富であった博士は医者としても活躍し、終いには先生と呼ばれて慕われるようになっていた。
日々充実した生活を過ごす博士。
ある夕暮れ、畑仕事も終わり博士は少女と一緒に一息ついていた。
少女「・・・・ありがとう」
博士「えっ?」
少女「あなたが来てくれたおかげで本当に助かりました。」
博士「ははは、どうしたんだい、急に改まって」
少女「だって、本当に感謝しているんです。それに、あなたが来てから私、毎日が本当に楽しい・・」
そう言うと少女は肩を博士に預けてきた。 博士「・・・・・・俺、決めたよ」 少女「えっ・・?」 博士「俺、この村で暮らすよ・・・」 少女「・・・・・・・・ありがとう」 そこには本当に幸せそうな少女の顔があった。

しかし、そんな幸せも長くは続かなかった。
その土地の地主が村を潰して巨大レジャー施設「美食ランド」を建設しようしていたのだ。
博士は怒りに打ち震え地主の元へ向かった。
博士「なぜだ!あそこにはまだ沢山の村人が住んでいるんだぞ!」
地主「なにを言うべ、もうあそこは廃村寸前だっぺ」
数時間にわたる抗議が続く・・・
「まてい!」
抗議を中断させたのは地主でも博士でもなくなかった。
地主「竜山先生!!」
博士「なに!竜山だと!!!」
山原竜山、日本を代表する美食家であり、美食ランドの出資者兼アドバイザーとして呼ばれていた人物である。
竜山「ふははははは、聞いたことがある声がすると思ったらお前か後藤!」
博士「竜山んんんん!!!」
博士は食の旅の途中のいたる飯屋でこの竜山なる人物と出くわし、
その度に、お互いの食の概念の違いから喧嘩になり、幾度となく料理対決をしてきたのであった。
竜山「お前、よほどこの村を守りたいようだな!いいだろう、私と料理勝負で勝ったら    美食ランドは別の土地に建てることにするわ!」
地主「しかし!先生!」
竜山「お前は黙っておれい!!!!」
地主「ひいいいい!!」
博士「・・・いいだろう・・・その勝負受けてやる竜山!!」

果たして博士に勝機はあるのか!? 次回!!「ドリルと博士」最終話!!
「唸れ不良品!!奇跡の必殺技!!PSPロケットドリルスペシャル!」
博士「え?不良品?仕様ですが何か?なーにーか?」

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