| 2018年7月の高温 |
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| (2018.07.24 掲載) |
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| 2018年7月の高温 |
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| 暑いです。 |
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| 外に出る気にもなれず,扇風機の前に座り,冷たいペパーミントティ(リーフティから毎朝作っています)をがぶがぶと飲んで過ごしています。 |
| この暑さをちょっと見てみることにします。 |
| 図やデータは,気象庁のホームページ,同 Tokyo Climate Center のホームページから取得しました(日本列島の色を変えています)。 |
| ◆東京の気温 |
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| 暑い暑い東京の気温,日最高気温と日最低気温の経過を見てみます(第1図)。 |
| 東京の日最高気温は,6月24日に平年を1.0℃上回り,翌25日には32.6℃と平年を6.5℃も上回りました。その後も,7月6日に25.0℃と平年を2.8℃下回ったのをのぞき,ほとんどの日が平年を3〜4℃上回る圧日々が続きました。 |
| また,日最低気温も,6月24日に18.4℃平年を0.5℃下回りましたが,25日には19.7℃(平年差+0.7℃),26日には22.3℃(平年差+3.2℃)と平年を上回り,7月13日以降は日最低気温が25.0℃以上(平年差で+4℃以上)の状況が続きました。 |
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| 第1図 東京の日最高気温,日最低気温の経過 |
| (2018年6月1日〜7月23日) |
| ◆大気の流れ |
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| 次に大気の流れを見てみます。 |
| (1)梅雨明けのころ |
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| 個人的に注目したのは,熱帯の対流活動と200hPa高度です。 |
| 第2図は,6月25日〜29日の5日平均の200hPa高・風ベクトル(上),OLR(Outgoing Longwave Radiation) の偏差(下) です(日本列島の色を変えてあります)。 |
| ベンガル湾の対流活動が活発であることがわかります。もともと対流活動の活発な時期ですが,例年にも増して活発であったことがわかります。 |
| 200hPa高度をみると,90゚E付近で等高度線の混んだ領域が北へ大きく盛り上がっています。対流活動が活発なことで高気圧がつよまりました。この等高度線の混んでいるところが,いわば,ジェット気流(亜熱帯ジェット)で,北に盛り上がったことは,亜熱帯ジェットが北上したことになります。 |
| 90゚E付近での等高度線の盛り上がりが大きく,その東西,70゚E付近や120゚Eでは谷≠ノなっています。120゚Eのさらに東の日本付近では,少し北に盛り上がっています。このことで,日本付近は亜熱帯ジェットが北上,梅雨明けになった,と思っています。 |
| この120゚E付近の谷が,その後の台風第7号の経路や西日本の豪雨に影響したと思っています。 |
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| 第2図 5日平均OLR偏差(上) と200hPa高度・風ベクトル(下) |
| (2018年6月25日〜29日) |
| (2)7月中旬の暑さ |
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| 次に,7月中旬です。 |
| やはり,熱帯の対流活動に注目しました。赤道(熱帯)季節内振動( MJO : Madden Julian Oscillation)* にともない,関東甲信地方の梅雨明けのころにベンガル湾で活発であった対流活動の領域は東進し,7月に入ると西部太平洋熱帯域で活発となり,その後,東進がはっきりしなくなるとともに,対流活発域の北西進が見られ,フィリピン付近から東海上にかけて活発となりました。第3図 上 は,7月中旬の7月11日から20日の10日平均の OLR(Outgoing Longwave Radiation) の偏差分布で,南シナ海からフィリピン付近,さらにその東海上で活発となっています。 |
| 盛夏期にフィリピン付近で対流活動が活発であると,日本付近で高気圧の強められることが知られています。そのパターン(PJパターン)が見られ,日本付近で高気圧が強められました(**)。 |
| 7月中旬の海面気圧・偏差(第3図 下左)では,日付変更線付近を中心とする太平洋高気圧が日本付近にのび,朝鮮半島付近では北に張り出しています。 |
| また,500hPa高度・偏差(第3図 下右)では,5880mの等高度線が東日本以西をすっぽりと覆い,130゚E付近では等高度線の曲率が北に凸と強く,偏差の中心も朝鮮半島付近となっています。 |
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| 第3図 上:10日平均OLR偏差 |
| 下左:10日平均海面気圧・偏差 |
| 下右:10日平均500hPa高度・偏差 |
| (2018年7月11日〜20日) |
| * たとえば,気象予報士ハンドブック(日本気象予報士会(編),2008,オーム社)では,赤道(熱帯)季節内振動( MJO : Madden Julian Oscillation) を解説している他,PJパターンの典型例も掲載されている。 |
| ** 過去にも書きましたが,フィリピン付近で対流活動が活発であると日本付近で高気圧が強められるは,盛夏期で,2018年の場合,亜熱帯ジェットの北上が早かったことから7月の初めからこのパターンが明瞭に見られました。この議論に欠かせない論文,Tsuyuki & Kurihara (1989) は,夏を前半後半に2分割して解析,またモデルシミュレーションをしています。 |
| Tsuyuki T., K. Kurihara, 1989:Impact of Convective Activity in the Western Tropical Pacific on the East Asian Summer Circulation, J. Meteor. Soc. Japan, 67, 231-247. |