| 長期予報利活用研究会例会(20190512)の補足 |
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| (2019.06.17 掲載) |
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| 長期予報利活用研究会例会(20190512)の補足 |
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| ◆ はじめに |
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| 2019年5月12日に開かれた,日本気象予報士会長期予報利活用研究会の例会で,甲府のスギ・ヒノキ花粉について話題を提供し,その中で,異常天候早期警戒情報の確率予測資料のスギ・ヒノキ花粉の本格飛散開始時期予測への利用に向け,異常天候早期警戒情報の確率予測資料の検証を行った。 |
| 5月には,2019年の1月下旬から2月中旬までの確率予測資料9例を用い,1つの確率密度関数から,予測確率10%,20%,・・・,80%,90%の9つの値を用い,計81個について検証した。 |
| 最近になって,1か月予報の確率予測資料が気象庁の web site に掲載されていることを知り,2012〜19年の8年分の確率予測資料から,(7日平均気温が)「6.5℃以上となる確率」について検証を行った。 |
| 信頼度曲線,ROC,損失軽減率ともに良好な結果がえられた。 |
| ◆ 用いたデータ,評価手法 |
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| 確率予測資料:気象庁の web site に掲載されている1か月予報の気温ガイダンスのうち,2月を初期値とする64例,リードタイム5日(*1) |
| 評価手法(*2):7日平均気温6.5℃以上の確率を対象に,信頼度曲線,ROC(Relative Operational Charactaristic),損失軽減率 |
| *1 2月X日が初期値のとき,2月(X+5)日 〜 (X+11)日の7日平均気温 |
| *2 評価手法については,たとえば,渡辺(2008)を参照のこと。 |
| ◆ 結果 |
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| 各年8例の計64例について,7日平均気温6.5℃以上と予測される確率と,実況が6.5℃以上となったかどうかを確認した。 |
| ・信頼度曲線(第1図) |
| 予測確率値40%までは適中率とほぼ同じで,予測確率値50%,60%では適中率が予測確率値より大きくなっている。 |
| 予測頻度は,予測確率値10%以下が約39%と大きく,次いで80%を超えるケースが16%となっている。 |
| ・ROC(第2図) |
| 信頼度曲線が右肩上がりであることから,ROC曲線は左上に方向に大きく膨らみ,確率予測が良好であることを示している。 |
| また,予測確率の小さい値,大きな値の頻度が大きいことから,予測確率40%〜70%に対する値の間隔が狭くなっている。 |
| ・損失軽減率(第3図) |
| Cost Loss モデルは,対策をとると損失はゼロとなるというモデルを用いた。平年の7日平均気温6.5℃以上の出現率は,2012−2019年の値から求めた0.36を用いた。 |
| すべてのC/L比に対して損失軽減率は0.4以上で,C/L比0.6以下では損失軽減率0.6以上となっている。 |
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| 第1図 信頼度曲線 |
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| 第2図 ROC |
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| 第3図 損失軽減率 |
| ◆ 議論 |
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| 気温は1月末から2月初めが最も低い時期で,気温の最も低い時期から次第に高くなっていく時期が検証の対象となっている。具体的には,2月6日〜12日の7日平均気温の平年値は3.9℃,3月5日〜11日では6.8℃となる。2月前半では,7日平均気温が6.5℃以上というのは,平年より2.5℃程度の極端な高温で,そうそう出現しない。このため,2月前半は,6.5℃以上となる予測確率は小さな値となることが多くなる。他方,3月はじめには平年でも6.5℃程度以上であり,アンサンブル平均で平年程度の予測でも予測確率は50%程度となり,平年を上回れば確率値はさらに大きな値となる。このように季節変化が予測頻度に影響し,両端の頻度が大きくなっている。 |
| 損失軽減率は平年値≠用い規格化している。1981−2010年の30年から求めた平年値では,3月3日〜9日,3月4日〜10日,3月5日〜11日の7日平均気温が6.5℃以上となる(2012〜19年の各年に各1回で計8回)。2012−19年において,7日平均気温が6.5℃以上となったのは23回と,1981−2010年の平年値よりおよそ3倍出現している。2月の月平均気温(日平均気温の月平均)を見てみると,1961−90年の30年平均では3.4℃,1971−2000年の30年平均では3.7℃,1981-2010年の30年平均では4.3℃と上昇している。1990−2019年の30年平均では4.7℃となっている。気温の上昇していることが,7日平均気温6.5℃以上の出現の多くなったことの一因と考えられる。 |
| ◆ まとめ |
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| 2012〜19年の8年分の確率予測資料から,7日平均気温が6.5℃以上となる確率について検証した。 |
| 検証結果は良好であった。 |
| 季節変化により気温の高くなる時期であること,気温が少しずつ上昇していること,の影響があらわれている。 |
| ◆ 参考文献 |
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| 渡辺 典昭,2008:確率情報の評価指標,平成20年度季節予報研修テキスト,76-84. |
| 上記と同内容のpdf ファイル |