| 2020年8月の大気 |
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| (2020.09.14 掲載) |
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| 2020年8月の大気 |
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| 2020年8月は,雨の日が続いた7月とは打って変わって,連日晴れて,気温の高い日々が続きました。 |
| 2020年9月1日に気象庁から発表された「8月の天候」では,大気の流れの特徴について, |
| ・亜熱帯ジェットの北上(インドから南シナ海付近での対流活動の活発化が関連) |
| ・亜熱帯ジェットの蛇行で日本付近が尾根に(シルクロードテレコネクション) |
| ・フィリピン付近の対流活動による太平洋高気圧の強化は不明瞭 |
| といったことを述べています。 |
| これらに関し思いついたことを記述します。 |
| ◆ 8月の月平均と思われる SAMOI(*) は活動度が −0.9 で,活動全体は不活発であることを示しています。活動の南北方向の差異は, 1.7 と大きな値で,対流活動の活発な領域が北に偏っていたことを示しています。東西方向の差異は −0.2 で少し西に偏っていたことを示しています。これらから,「インドから南シナ海付近での対流活動の活発化」がわかります。 |
| 対流活発域の北側で上空の高気圧が強められ,ジェットはその北側に位置します。例年より北側で対流活動が活発ということで,上空の高気圧,ジェットとも北に押し上げられた,ということだと思います。活動全体が活発でなくとも北上したのはこのようなによるものと思います。 |
| * SAMOI は3か月平均で定義された指数。気象庁のホームページにもそのように解説されているが,ENSO監視指数として月平均値が掲載されている。 |
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https://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/diag/note.html https://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/db/diag/2020/index/html/soiolru/index_html_soiolru_2020.html |
| ◆ 気象予報士ハンドブックに,1984年8月の500hPa高度・平年年差とOLR平年偏差の図が掲載されています(図5.5.8)。この図は,PJパターン,夏のフィリピン付近の対流活動が日本付近の高気圧を強める例として示されていますが,シルクロードテレコネクション(シルクロードパターン)の典型的な例でもあります。月を通して大気の蛇行が認められ,谷や尾根が強められたり弱められたりしていました。 |
| 2020年8月は1984年8月ほど蛇行は明瞭でないように思います。300hPaの Wave Activitiy Flax も,月半ばや終わりに見られますが,月平均でははっきりしません(1984年8月は月平均図でもはっきりしています)。 |
| http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/db/diag/db_hist_mon.html |
| ◆ フィリピン付近の対流活動は少し不活発(OLR-PH は −0.2)で,フィリピン付近の対流活動活発であると日本付近の太平洋高気圧が強められる,というパターンにはあてはまりません。 |
| https://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/db/diag/2020/index/html/soiolru/index_html_soiolru_2020.html |
| ◆ 月平均の 200hPa風速,風ベクトル の図を見ると,日本の北では東西に広く風速30m/s以上となっています。このことも2020年8月の特徴で,これだけジェットが強ければ,日本列島は高気圧性の循環は強くなります。実際,月平均の200Pa流線関数偏差にはっきり現われています。 |
| http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/db/diag/db_hist_mon.html |
| これほか気になった点をあげておきます。 |
| ◆ 月平均の 北半球500hPa高度・平年偏差 を見ると,低緯度をはじめ,全体的に高度が高く,大気全体の温度が高いように思います。 北半球850hPa温度・平年偏差 も同様です。このことの原因や 8月の高温との関係は? |
| ◆ ラニーニャの発生が発表されたように,西部太平洋熱帯域の海面水温は高くなっています。それにもかかわらず,7月には対流活動が不活発,8月も月半ばに弱まり,月平均では平年程度となっています。 |
| ◆ 赤道季節内振動(MJO:Madden Julian Oscillation)。200hPa速度ポテンシャル平年偏差の時間経度断面図では,7月の初めに 30゚E付近に見られた発散域は,東進し,2週間くらいでを一周したように見えます。その後,東進速度が遅くなり,30〜120゚E付近にかけ,3週間程度かかっています。120゚E付近からはまた東進速度は速まり,8月の下旬に一周しています。MJOの東進速度はいつも一定というわけではありませんが,7月にインド洋で対流活動が活発であったことと深くかかわっていると思います。 |
| https://ds.data.jma.go.jp/tcc/tcc/products/clisys/ASIA_TCC/mjo_cross.html |