暖候期予報資料(2018年)を読む
(2018.02.20 掲載)


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 寒いなぁ〜,と思っているうちに,気がつけば,2018年2月5日に,暖候期予報(夏の予報)の資料が公開されていました。
 暖候期予報資料について,気づいた点を記します。


◇海面水温
 東部,中部太平洋赤道域では,平年差は0.5℃以下の負偏差がほとんどで,ごく一部で0.5℃を越ています。
 エルニーニョ監視速報でも,「春の間にラニーニャ現象が終息する可能性」を謳っており,ラニーニャは終息するものの,弱いながらも負偏差,という印象です。
 西部太平洋赤道域では平年を上回っています。もともと変動の小さいところなので,評価が難しい。
 フィリピンの東海上では正偏差,ベンガル湾,南シナ海では負偏差と,日本の夏が暑くなりそうなパターンです。ただし,高偏差確率の図では印影がなく,大きな値ではない,あるいはメンバー間に差異のあることを示しています。

◇降水量
 西部太平洋熱帯域からインド洋にかけ,負偏差=例年より降水量が少ない,対流活動が不活発となっています。
 赤道〜10゚N帯で降水量が少なく,20゚N帯で多く,30〜40゚N帯で少なく,南北の帯状になっています。中部,東部太平洋域における海面水温の平年差に敏感すぎるように思え,南北に細かすぎるように思えます。
 どのように解釈するのがよいのか,気象庁の解説資料,支援資料に期待したいと思います。

◇200hPa流線関数,200hPa速度ポテンシャル,850hPa流線関数
 200hPa流線関数の高気圧性偏差の中心が,地中海東部からトルコ付近,北日本,北米大陸五大湖付近にみられ,大きな波を打っているように見えます。
 200hPa速度ポテンシャルの発散中心はフィリピン付近ですが,例年より弱くなっています。赤道域の降水量が負偏差であることに対応しています。
 850hPa流線関数は,フィリピン付近から東にかけ広く低気圧性循環偏差となっています。あたりまえですが降水量の偏差分布と対応しています。

◇北半球500hpa高度天気図
 北半球全体で高度が平年より高い予想となっています。エルニーニョ時には見られるパターンですが,ラニーニャが終わろうというこの夏にはどうなるのでしょうか。
 日本付近の流れ,日本付近の等高度線の走向に注目してみます。今回の予想では,40〜60゚N帯の流れに,分流があまり感じられません。5880mの等高度線も,なんとか北に凸になっています。5820m,5760m線も僅かですが東上がりで,南からの暖気の入る形になっています。暑い夏という印象ですが,全体に高度が高くなっていることをどのように考えるか,がポイントとなりそうです。


◆季節予報や予報資料を理解する上での参考資料
(1)季節予報作業指針
 気象業務支援センターから 平成24年度季節予報研修テキスト として発売
 季節予報や対象とする現象,注目する現象について丁寧に解説されている。

(2)季節予報の基礎 講義ノート(2007年版)
 かつて気象庁内の研修で配布された講義ノート。
 2.何が予報できるのか? は,季節予報にはごく当たり前のことながら,余り記述されることのない基本的なことが書かれている。
●利用上の注意
 5.気象庁の行っている長期予報・季節予報 は現在では改められているので省いてある。予報資料についても同様。
 平年値が1971-2000年と現行の1981-2010年と異なる(傾向的には変わらないが,数値は異なる)。

(3)気象予報士ハンドブック 第5編第5章 気候・天候の監視
 季節予報で注目する現象について簡潔に解説している。






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