| 暖候期予報資料(2022年)を読む |
|---|
| (2022.02.16 掲載) |
|
※※※※※ ご 注 意 ※※※※※ |
|---|
|
このページは Google Chrome で動作を確認しております。 (Internet explorer ご使用の方は文字サイズを中にしてご利用ください) |
|
このページは利用者の責任において利用してください。障害・損害に関していっさい責任は負いません。 また,無断引用,転載かたくお断りします。 |
|
一番下の Nabex のロゴをクリックすると元のページに戻ります。 |
| 2022年2月13日に,暖候期予報(夏の予報)の資料が公開されました 。 |
| 今回から,数値予報モデル等が変更になりました。主だった変更点は, |
| 水平解像度を高解像度化,鉛直層も増強 |
| 初期値作成のデータと手法の高度化 |
| 積乱雲の発生・発達過程等の精緻化 |
| といったことのようです。また,ガイダンスについては,モデルの改善をふまえ,説明変数を変更し,1要素を説明変数とする単回帰分析によっています。 |
| 資料は Tokyo Climete Center および Sunny Spot の web siteから取得しました。その他,エルニーニョ監視速報,海洋,大気の状況について気象庁の web site を参考にしました。 |
| また,モデルの検証結果については Tokyo Climete Center の web site を参考にしました。 |
| ◇(熱帯の)海面水温 |
|---|
| エルニーニョ監視速報(2022年2月10日)で,「春の間にラニーニャ現象が終息し,平常の状態になる可能性が高い」と述べられていますが,予想図では,赤道付近で150゚E〜150゚Wで平年を下回り,150゚W以東では平年をわずかに上回っています。 |
| 南半球側では150゚E〜日付変更線付近で1.0℃以上平年を下回る領域が見られます。そのすぐ南西側では2.0℃程度の正偏差域が見られます。 |
| 高偏差確率でも西部太平洋の正,その東,赤道を挟んでの負で大きくなっています。 |
| 日本列島付近の天候と関係の大きい Nino.West のヒストグラムでは0.0〜0.6と正に偏っています。 |
| ◇降水量 |
|---|
| 海面水温から単純に推測すると,西部太平洋熱帯域では対流活動が活発で降水量も多いと思えますが,南半球側で降水量は多いものの,北半球側は負偏差の領域が多くなっています。高偏差確率を見ると南半球側で降水量が多いことが明瞭です。また,インド洋の東部で正偏差となっています。 |
| TCC/JMA のホームページの Verification Map を見ると,インド洋の南半球側では RMSE が大きくなっています。モデルの特性によるところもあるのかもしれません。 |
| ◇200hPa速度ポテンシャル,200hPa流線関数,850hPa流線関数 |
|---|
| 200hPa速度ポテンシャル:120゚E以西で発散偏差,太平洋の赤道域は非発散偏差となっています。西部太平洋熱帯域からインド洋の北半球域で降水量が平年程度〜少ないことから発散偏差域が南半球側に偏っています。 |
| 200hPa流線関数:北半球中・高緯度で高気圧性循環偏差で,降水量や200hPa速度ポテンシャルの印象より高気圧循環が強いように感じます。 Verification Map では,200hPa流線関数は30〜60゚N帯で高気圧性循環が強い傾向がありモ,デル特性によるところもあるのかもしれません。 |
| 850hPa流線関数:850hPa流線関数も北半球中・高緯度で高気圧性循環偏差と高気圧が強いことを示唆しています。Verification Map では,850hPa流線関数は太平洋のEQ〜15゚N帯,30〜60゚N帯で高気圧性循環が強い傾向があり,モデル特性によるところもあるのかもしれません。 |
| ◇北半球500hpa高度天気図,850hPa温度天気図,地上天気図 |
|---|
| 北半球500hpa高度:北半球全体でほぼ正偏差となっています。 Verification Map では,50゚N帯の太平洋域で高度が高くなる傾向がありますが,北半球全体で高くなるような傾向はありません。高偏差確率では高緯度や,日本の南で確率が小さく,その他では正の高偏差の確率が50%以上で,日本列島の西,中国大陸では75%以上となっています。5880mの等高度線は西に延びる印象です。 |
| 850hPa温度天気図:北半球全体でほぼ正偏差で,40〜60゚N帯で偏差が大きくなっています。モデルの特性としては,ユーラシア大陸や北米大陸で高く,太平洋では低くなる傾向があるようです。 |
| 地上天気図:高緯度で負偏差,日本列島付近は東西に正偏差の南高北低≠ナす。高気圧の張り出しは西を指向しているように見えます。モデルは,太平洋東部40〜70゚N帯で気圧が高くなる傾向があるようです。 |
| ◇ガイダンス |
|---|
| 気温は,300hPa高度平年差を説明変数としています。300hPa高度の予想図はありませんが,500hPa高度,200hPa流線関数の予想図から,300hPa高度が(アンサンブル平均では)ほぼ北半球全体で正偏差であることが推測され,気温ガイダンスも「高い」確率が大きくなっています。 |
| 降水量はモデルの降水量平年比を説明変数に用いています。モデルの降水量は,日本列島付近では極端に偏った予測にはならないと思われ,ガイダンス値も気候的出現率から隔った値にはなっていません。 |
| ◇おわりに |
|---|
| 数値予報モデルが変更になり,モデルの特性がわからず,うまく解釈できていません。 |
| 2月25日に気象庁から発表される暖候期予報の解説に注目したいと思います。 |
| ◆季節予報や予報資料を理解する上での参考資料 |
|---|
| (1)季節予報作業指針 |
|
気象業務支援センターから 平成24年度季節予報研修テキスト として発売 季節予報や対象とする現象,注目する現象について丁寧に解説されている。数値予報モデルやガイダンスは新しくなったので,モデルの特性などは異なっている。 |
| (2)季節予報の基礎 講義ノート(2007年版) |
|
かつて気象庁内の研修で配布された講義ノート。 2.何が予報できるのか? は,季節予報にはごく当たり前のことながら,余り記述されることのない基本的なことが書かれている。 ●利用上の注意 5.気象庁の行っている長期予報・季節予報 は現在では改められているので省いてある。予報資料についても同様。 平年値が1971-2000年と現行の1981-2010年と異なる(傾向的には変わらないが,数値は異なる)。 |
| (3)気象予報士ハンドブック 第5編第5章 気候・天候の監視 |
|
季節予報で注目する現象について簡潔に解説している。 |