酷 い 解 説
(2016.08.29 掲載)


※※※※※ ご 注 意 ※※※※※

このページは Google Chrome で動作を確認しております。
(Internet explorer ご使用の方は文字サイズを中にしてご利用ください)


 このページは利用者の責任において利用してください。障害・損害に関していっさい責任は負いません。
 また,無断引用,転載かたくお断りします。


 一番下の Nabex のロゴをクリックすると元のページに戻ります。





 2016年8月9日,台風第5号が東海上を北上し,晴天となった東京の日最高気温は37.7℃まで上がり,暑い一日となりました。
 翌日の8月10日,infoseek のニュースポータルサイトに,

この暑さは10月まで続く…“猛暑関連”の狙い目「10銘柄」

との記事が掲載されました。
http://news.infoseek.co.jp/article/gendainet_338801/

 もともとは,日刊ゲンダイ が発信した記事で,日刊ゲンダイの website にも同じ記事が掲載されていました。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/187404

 その記事の中に,とある気象予報士のコメントとして,

「今年はエルニーニョの影響で熱帯太平洋の広い海域で海面水温が平年より高い状況が続いており、南から暖かい空気が流れ込んでくることで今の猛暑となっています。現在、台風の卵である熱帯低気圧が、南東の海上で次々に発生しています。台風となり、日本列島に接近すると、湿った蒸し暑い空気が流れてくる。日本に上陸する9月下旬から10月上旬にかけて、40度を超える猛暑があるかもしれません」

と書かれてありました。

 えーっ???

(1)
 東部太平洋赤道域の海面水温は,6月に平年を下回り,負偏差は大きくなりつつある。
   監視海域の海面水温の基準値との差も,6月には−0.1℃になっていた。
 2018年7月11日に発表された気象庁のエルニーニョ監視速報では,
 エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態が続いているとみられる。
と記述されている。
http://www.jma.go.jp/jma/press/1607/11a/elnino201607.html
(2)
 赤道域より北の熱帯域の海面水温が平年より高いといっても,地上の気温よりは低い。
(3)
 台風の接近にともなう風は,台風との位置関係により異なる。
   8月9日,東京は台風の南西側で,北西の風が吹き,空気も乾燥していた。
(4)
 東京の10月の日最高気温の極値は32.6℃(1979年10月1日)。
   通年では39.5℃(2004年07月20日),8月は39.1℃(通年で2位 1994年8月3日),9月は38.1℃(通年で6位タイ,1984年9月3日)。
(5)
 東京の日最高気温30℃以上の日数の平年値は7月14.8日,8月21.3日,9月7.1日,10月0.1日である。
   東京の日最高気温35℃以上の日数の平年値は7月0.9日,8月1.3日,9月0.2日,10月0.0日である。
(6)
 東京の日最高気温の平年値は,最も高い8月初めで31℃余,9月下旬には25℃を下回るようになる。
   全天日射量も15MJ/uから10MJ/uを下回るようになる(日射しも弱くなる)。
 このような季節変化がある。
(7)
 これまでの10月の極値を5℃以上,平年を15℃以上上回らないと40℃には達しない。


 エルニーニョ,ラニーニャや海面水温については,気象庁の website で海面水温の分布図をはじめ,赤道に沿った貯熱量時間−経度断面図などさまざまな資料を見ることができますから,ちょっと確認すればわかることです。
 これまでの極値や,平年値も気象庁の website で確認できます。そうすれば,およそ季節変化を無視したようなコメントを発することはないと思うのですが。
 極端な高温は,半月〜1か月程度の期間で気温のベースを押し上げるような現象のなか,もう少し短い時間スケールの高温をもたらす現象,さらには局地的な現象が相俟って出現するものです。
 このことを意識して解析されるべきで,そのうえで,いたずらに煩雑とならぬよう,肝≠ニなることを説明してほしいものです。

 8月上旬の暑さに関して,2016年8月24日に気象庁から「平成28年(2016年)8月の顕著な天候と海面水温について」報道発表がありました。これをご覧いただくとよいでしょう。
http://www.jma.go.jp/jma/press/1608/24a/japan20160824.html

 西部太平洋熱帯域の対流活動と偏西風の蛇行について,もっと書いてほしかった,というのが個人的な感想です。
 示された図では,西部太平洋熱帯域全体で対流活動が活発で,これなら日本付近で偏西風が南下しなくてもよいように思います。170゚E付近のブロッキングで説明されていますが,天気図(500hPa高度・偏差,200hPa流線関数・偏差など)を見た印象では,60〜70゚E付近の谷が関係しているように思えました。このあたりのことを解析・記述してほしかったと思っています。






end-title