2018年寒候期予報雑感_2
(2017.10.19 掲載)


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2018年寒候期予報雑感_2


 2017年10月19日に寒候期予報(2017年12月〜2018年2月)の新しい初期値の数値予報資料が気象庁から配信されました。
 前回9月の資料から,海面水温の状況が変わっています。そのあたりが予想天気図でどのようになったか,など,思いつくままに記します。

◇海面水温
 「2018年寒候期予報雑感」でも書きましたが,10月11日発表のエルニーニョ監視速報では「ラニーニャ現象時の特徴が明瞭になりつつある」となりました。エルニーニョ監視速報の 図5 2017年9月のインド洋から太平洋の赤道に沿った水温(上)及び平年偏差(下)の断面図 を見ると,日付変更線から東の水深200mまでの負偏差が大きく,広くなっています。

◇熱帯の対流活動の予想図の印象
【海面水温】
 9月の予想図では,赤道域150゚E付近に正偏差・負偏差の境がありましたが,10月の予想図ではで,10゚ほど東になっています。最も負偏差が大きいのは120゚W付近で変わりませんが,9月は1.5℃位であったのが,10月は2.0℃位に偏差が大きくなっています。また西部太平洋赤道域でも,+0.5℃以上の領域が,東へ10゚ほど広がっています。ラ・ニーニャ時のパターンが強まった印象です。

【降水量(熱帯の対流活動に対応)】
 9月にはニューギニア島付近で負偏差(降水量が平年より少ない)が顕著でしたが,10月には少し偏差が小さくなり,偏差の最も大きい領域も20゚ほど東になっています。モデルの海面水温(偏差)の予想が変わったことに対応しています。

【200hPa流線関数偏差】
 20゚N以北でほぼ高気圧性偏差というパターンは変わりませんが,9月に比べ,10月の予想図では高気圧性偏差が小さくなっています。日本列島北の相対的な谷は前回同様ですが,中国大陸の高気圧性偏差の中心が少し東によったことから,日本列島付近での高気圧偏差のほうが北より少し強くなったように思います。

【850hPa流線関数偏差】
 9月に比べ,フィリピン付近の低気圧性偏差が強まったこと,カムチャツカ半島付近の高気圧性偏差が弱まったことが見てとれます。北日本への寒気の影響が(9月の資料より)少し強まる,大陸から南方向への大気の流れも(9月の資料より)強いことが見込まれます。

◇北半球予想天気図の印象
【500hPa高度】
 極東域では正偏差域がほとんどであるものの,だいぶ印象が変わりました。9月の資料では,ベーリング海は大きな正偏差でしたが,10月の資料ではカムチャツカ半島からベーリング海にかけ負偏差です。日本の北の正偏差も弱まり,華中から朝鮮半島にかけての正偏差が強まりました。

【地上天気図】
 10月の地上予想図でもカムチャツカ半島からベーリング海にかけ負偏差となっています。日本の北も弱いながら負偏差で,沿海州からその西で等圧線が西側にくびれており,低気圧が北海道の北を通りやすく,その後発達することを示唆しています。


Ps

図 2017年12月〜2018年2月の3か月平均地上予想図
左:2017年9月8日初期値 右:2017年10月13日初期値
TCC/JMA の Web site から取得

◇まとめ
・カムチャツカ半島からベーリング海にかけ負偏差で,北・東日本に寒気のおそれ。
・フィリピン付近で低気圧,大陸から南への流れで,西日本以西に寒気のおそれ。
・日本付近の500hPa高度は正偏差で,大気全体の温度は高め。
 私なりに予報資料をこのように解釈しました。


 新しい資料に基づき検討した結果が2017年10月25日に気象庁から発表されます。






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