退廃の 11月 上旬 編
11月10日(火) おじさんのひとりごと
今日は出張だったのだー!何の出張かというとコンピューターの研修なのだー!いやー学校
行かないで、ただで(?)コンピューター習えるっていいねぇ...と思っていたんだけど
まぁいろいろあって今ひとつでした。
このコンピューターの研修というのは、県の情報教育センターというところで、様々なソフトの
使い方を教える講座を開講しているのです。それを前年の2月ぐらいに募集して各自申し込む
わけですが、これがけっこうな倍率。私も昨年の2月4つの講座に申し込んだのに、当たったのは
今回の「EXCEL(中級)」のみ。ところが昨日も書いたけど、成績処理のシステムを作るため
嫌でもEXCELを使っているうちに、まぁLOTUSと意外と似ているから自然と覚えてしまった。
だから今回のこの講座、今日と明日2回あるんだけど、けっこう知っていることばかりであまり
面白くなかった。というより今日に限っていえばすんげぇー退屈だった。だって合計や平均から
やるんだもの...おまけにけっこう丁寧に教えてくれるものだから多少分かっている私としては
午後の講義なんかは眠くて眠くて、途中本当に寝てしまった。気がついたらキーボードを
押しっぱなしだったらしく、セルの800行ぐらいまで1.1.1.1.1.1.1.1と永遠と
入力されていた!いやー驚いた。消すのに結構大変でしたよ。
途中から飽きてきたので、他の人々を見ていた。いわゆる人間ウォッチングをしていた。
これがけっこう楽しかった。色々な学校から様々な先生が来ていて、見ていて飽きなかった。
ある人は私と同じように、もう分かり切っているのか、講座と関係なく自分の仕事で使うらしき
表を作成していた。(仕事なら学校帰ってやれー)かと思うとやたら聞きまくっているおばさんの
先生もいた。何度もインストラクターの人を呼んでいた。あんまり何度も呼んでいるのでまるで
専属の家庭教師状態になっていた。(でもさすがにドラッグくらいはできて、おばさん。)そして
笑ってしまったのはよく失敗するおじさんの先生。それをいちいち小声で叫んでいるのだ。
「あっ!ここクリックするつもりじゃなかったのに、くそ!」
「関数、関数、どの関数だ?まぁいいかこれで...ブツブツ」
「範囲を指定して、ここを、こうしてこうして..あれ?変になってるぞ?くそーいまいましい!
機械ごときに馬鹿にされている!」
このおじさんの先生、ちっちゃい声でブツブツ言っているけど、私だけはすぐ近くなので
よく聞こえて笑ってしまった。明日も楽しみだ。

11月9日(月) やっぱり無理だった
朝会での話。「本日から5日間、情報処理技術者として外部から派遣される方が見えられる
ことになっています。つきましては放課後にコンピューターの研修をやっていただいたり、また
コンピューターを使った授業についてのアドバイスをしていただけることになっています。もし
色々お聞きになりたい方は、担当のA先生まで。」
待ってたよこの日を。以前にも書いたがコンピューターを使った成績管理システムの話。
(詳しくは9月の日記(後半)9/21を参照)任されたはいいが一向に出来上がらない。だってこんな
システム、素人にできるわけないじゃん!それでもEXCELを使って何とかクラスの成績集計表
とかを40時間もかけてしこしこ作っていた私でした。そこで今日から来る情報処理技術者の人に
何かいいアドバイスをしてもらおうと待っていたのでした。
すると...そのことについての説明プリントMさんという女性の名前が..すかさず私のまわりの
先生たちから「O−TEACHER、この人のこと聞いている?」「いや、来るって事は聞いていま
したけど、どんな人かは全然聞いていません。」「若い人かなぁ..いくつかなぁ...
独身かなぁ...」「知りませんよ、まだ会ったこともないのに..」「O−TEACHER、
コンピューターのこと色々習うんでしょ?」「ええ、そのつもりですけど...」「だったら色々
聞いといてよ、趣味とか...」オイオイ!
そんなわけで空き時間に早速アドバイスをもらいにうかがいました。このMさん、とっても丁寧に
アドバイスしてもらいました。感謝感謝。実際自分で作った成績処理の表を見せながら、どんな
もんでしょうと聞くと、やはりこういうシステムはEXCELでは難しいとのこと。やるなら
ACCESSの方が...やっぱり。だから素人が作るなんて無理だって言ってたじゃない。
「これ全部作ったんですか?大変だったでしょう。」
(そうなんです。大変だったんです。でも誰も解ってくれてません。ありがとう初めて解って
くれる人がいた!(涙))
「こういう形ではちょっと難しいですねぇ。」
(やっぱり今までの40時間の作業は徒労だったのか!)
「なかなかこういうシステムになると普通の人が作るには無理が...ある程度プログラミングが
できないと...」
(でしょうね、だから校長無理なんですよ、素人には。職員会議でそれ言ってくれません?)
ちなみにこういうシステムを開発したNTTでは、一式200万で売ってるそうです。私が
作っても200万くれませんよね?やーめた!校長、無理です。
でも学校というところはどんどんコンピューターが入ってくるけど、こういうシステムを考える人、
メンテナンスをする人、いわゆるSEみたいな人って全然いないわけで、ただ機械だけがある状態。
ハードだけでなくてこういう情報処理技術者が常駐するような、ソフトというか、人的な面でも
何とかして欲しい。じゃないと私みたいにコンピューター音痴が一人苦しむだけだから...
はぁー、国語教師には荷が重すぎるぜ。
11月7日(土) 買ってください
贅沢なマニア君にはなりたくないと思っていたが、本格的にやばくなってきた。今、学校で私が
主に使っているマシンはNECのPC9821V166というやつである。普段使っている時には
まーったく問題ない。つい今年の5月まで私は自宅でWINDOWS3.1が動くコンピューター
しか使っていなかったせいか、このコンピューターの速さには感涙ものだった。『なっ、なんて、
速いんだ!しかもWINDOWS95が動くなんて...』と喜んで使っていたのだ。しかし
人間というものはわがままなもので、自宅のマシンがPU233になったり、学校の他の
コンピューターが次々最新のものに更新されていくと、だんだん物足りなくなってくる。(ああ、
DOSを使っていた頃の純真な僕はどこへ行ってしまったの?)そのコンピューターに
インターネットもイーサネットでつなげたりすると、だんだん遅いと感じるようになってしまった。
おまけに、ハードディスクが一杯でもう残りの容量が200MBを切るようになり、最近時々
フリーズしてしまう。『何とか拡張したい。』と思っていた今日この頃だった。
そんな時、渡りに船で、校長が入試に関しての業務を、そのコンピューターで一元的に管理せよと
言ってきた。チャンス到来。だとするとこのコンピューターは、もうハードディスクが一杯で
データの保存ができない。おまけに受験生の内申書などの大きなデータのバックアップを取る、
ドラィヴもない。(いや、頑張ればフロッピィでも何とかできるんだけど...)おまけにそんな
大切なデータが、このインターネットにつながっているハードディスクにおいそれと置いておけない。
ということで、増設だー!内蔵ハードディスクがほしーい!MOドライヴがほしーい!ついでだ、
メモリも今時32MBじゃ重い。64MBにしてくれーっ!....ってんで校長の言質を取って
物品購入伺いを出すことにした。学校というところは、これこれこういう理由で、と書面に書いて
事務長に談判しなければ何も買ってくれないのだ。おまけに学校というところは出入りの業者から
買うことが多く、ちゃんとしたメーカーの正規の値段で買わなければいけないのだ。今時パソコン
関係で、定価で買うなんて信じられます?これって税金ですよ。今時どこのメーカーだってちゃんと
動くし、3割4割引なんて当たり前の世界、何で定価で買わなきゃ行けないの?この学校と業者の
癒着が納得行かない。というかそういう融通の利かないところがやっぱりお役所的なのね。
で、仕方なくI/Oデータとかメルコとかのカタログから、定価を記入して事務長のところへGO!
「不景気だから、当然学校も経費削減。こんなに買えるわけない。」
(だから、もっと安いメーカーの、4割引のものでいいですよー)
「まぁ、あるものでやってくださいよ。」
(だから、それじゃ今度の入試のデータが保存できないって..)
「わかるけどないものはしょうがないし..まぁ考えておきますよ。」
(はぁ〜脈なし...)
でもしょうがないか、そんなに贅沢言っちゃいけないね。増設マニア君になっちゃいけないよ。
でも買ってください。

11月6日(金) それ食べたことある!
ものを知らないということの「もの」って何だろう。学校ってところは(一応)知識を教える場
なんだけど、私みたいに本当にものを知らない先生もいる。こんな私に習っていて本当に大丈夫
なのだろうかと人ごとながら心配になることもある。(オイオイ)しかしそれにしてもこの私の
無知識君(?)ですら驚愕させる、「何にも知らない君」が高校には大勢棲息する。
今日の現代文の授業は、難読語の漢字についてだった。よくある寿司屋の湯飲みに書いてある字を
「この魚偏に圭って書いて何て読むか知ってる?」ってやつである。今日やったやつは魚介類、
植物、鳥類、地名などであるが、これがまたよくわからない。自分で説明していてもよく知らない
ものが多いのだ。まだ「鰯(いわし)」とか「蒲公英(たんぽぽ)」ならいい。ところが
「水鶏(くいな)」とか「沈丁花(じんちょうげ)」とかになるとちょっと困ってしまう。生徒に
説明しようと思っても、そのもの自体がよく分かってないから適当に読み方だけを説明していた。
ところが生徒は質問してくる。
「O−TEACHER!水鶏ってどんな鳥?」「えっ?」
「水鶏の絵を描いて下さいよ、黒板に!」「うっ、うん、多分こんなかたちで...」
その後黒板にはアヒルもどきが描かれたのであった...水鶏なんて鳥知らん!とそんなチープな
授業をしていると、突然生徒がその漢字のテキストを指さしてこう言ったのだった。
「俺、この鳥喰ったことあるよ。」「へえーっ、どんな味だった?」
「けっこうおいしかったよ。」
と、そいつが指さしている漢字を見ると、何と「烏賊(いか)」だった。確かに鳥っぽい字だけど..
ものを知らないのは怖い。そいつはその後知ったかぶりを連発したのだ。
「これってよくおやじが口臭を消すので飲んでるやつだろ。」
(それは仁丹!この字は「雲丹(うに)」!)
「これって物真似する鳥のことだろ?」
(それはオウム!おまえが指さしている字は「鴎(かもめ)」!)
「これ寿司屋で食べたことあるぜ。」
(それは「鮫(さめ)」って字だけどホントか?)
「この字は誰だって知ってるよ、タマネギだろ?」
(違う!それは「玉蜀黍(とうもろこし)」!)
ここまで見事に間違うとわざと言ってるのではと思うくらいだった。そしてとどめは
「この字はラーメン屋で見たことがある。『どさんこ』だっけ?おれよく喰うんだ。」
(おまえの言っているのは「道産子」!このテキストに書いてある字は
「土産(みやげ)」だーっ!)
11月5日(木) キリン化している
今朝のことである。「おおっ!何だこれは?」詳しくは下の写真を見て欲しいのだが、先日買って
きたバナナである。私は実はすごーいバナナ好きなのだ。小さい時、しかも病気の時しかバナナを
買ってもらえなかったというトラウマがあり(時代と貧乏さを感じさせるなぁ)異様に好きなのだ。
だからたまに一房まるまる食べてしまう。(もちろん一度にじゃないけど..)そんなわけで今回も
でかい一房を買っておいたのだが、今朝見るともうすでに腐りかかっている!よーく見ると斑点が
たくさん出ているのだ。『もうダメか?』と思いつつもよーく眺めているとふと思い立った。『この
斑点、まるでキリンの柄みたいだなぁ。』バナナがキリン化していると命名した。
「もう、O−TEACHER、頭に来ますよね、あの先生。」
「本当だよなぁ。」
「だってあれ自分の仕事じゃないですか!それを押しつけただけじゃないですか!」
「まぁそうだけど仕方ないじゃない。関係ないわけでもないし..それにもうあの先生も
もう大分お年だし...」
「それにしてもひどいですよ。だいたいあの先生はいつもそうですよ!人にやらせて。
性格が悪いんですよ。一度ちゃんと言わないとダメですよ!あの腐った根性直して
欲しいですよ。もう人間的に腐ってますよ!へん、額のところにシミなんか作っちゃって!」
「それはキリン化しているんだよ。」
「へっ?」

11月4日(水) お互い様じゃない
以前にも書いたが、先生たちは出張がある。その出張があるときの自分の授業は、当然振り替えて
いくのが原則である。しかしどうしても振り替えが出来ない場合も出てくる。その時が自習と
なるのだ。進学校とかではただ「自習だ。各自勉強しとくように。」とひとこと言えばそれで
済む場合も多いと聞くが、うちの学校ではそういうわけにはいかない。勝手にさせとくと大変な
ことになる。勝手に教室抜け出して遊び回るわ、トイレで煙草吸う奴が出るわ、勝手に帰っちゃう
奴がいるわで、収拾がつかなくなってしまう。そこで自習監督というものが付くのだ。これはその
時間に空いている先生が課題かなんかを持ってそのクラスへ行き、自習の監督をするのだ。まぁ
早い話、生徒がそういうことしないように監視(?)するわけです。(やれやれ..)その自習監督を
割り振る係りがあるのですが、これがまたけっこう頭が痛い。当然どの先生も一日3,4時間の授業を
持っている。その空いた時間に自習監督をやってもらうわけだから、誰だって嫌なものである。
私だって一日6時間のうち4時間授業があって、その合間にプリントでも作ろうとか予定していても
いきなり「O−TEACHER、5時間目自習監督お願いしまーす。」と言われれば嬉しくない。
でもそこはそれお互い様だから、自分が出張の時誰かが替わりに自習監督やってくれてるわけだから
断れるわけはない。笑顔が引きつりながらも「はい。」と答え、プリント作りは放課後に回され、
ますます帰宅時間が遅くなり、家庭不安の原因ともなるのである。
でも基本的にはお互い様だからね....
ところが今年この割り振り係をやっていて全然お互い様じゃないことがよーくわかった。私なんかは
善良で小心者だから(^^;)『他の先生になるべく迷惑をかけないように何とか授業交換していこう』と
気遣っているのだが、全然そうじゃない人もいるのだ。まとめて4時間も5時間も自習を出していく
人もいるのだ!その人が授業交換しないせいでどれだけの人が空き時間に自習監督の被害を被って
いることか!またそういう人に限って出張が多いんですよ。そんでもってそういう人に限って年輩の方
だったりして、「すいません、この自習、授業交換していってくれませんかね?」と言いづらいのだ。
(ま、人を見て言ったりするけどね)おまけに学校というところは火曜日水曜日に出張が多い。
(これは月曜日や木曜日に職員会議をやっている学校が多いということに起因するらしい。)だから
必然時間割上、火曜日水曜日あたりに授業が少ない先生に、自習監督が回ってくることが多い。いつも
自習を出す先生、いつも自習監督を割り振られる先生というのができてしまうのだ。お互い様だから
みんなで公平に自習監督を分担しましょうというのは、事実上無理なのだ!この制度何とかなら
ないのかー!(怒)
えっ?何でそんなに怒っているのかって?そう今年私がその犠牲者なのです。
本年度自習監督引き受け王選手権ダントツトップばく進中!
11月2日(月) 通勤途中にて
私は通勤で約1時間半もかかる。車で通勤しているのだがこれが毎日結構大変である。何しろ
通勤途中に渋滞する箇所が3カ所もあり、すごいと車中で本まで読める。そんなわけで朝、家を
出るのは6時過ぎととっても早い。でもそうしないと途中の渋滞にはまって遅刻してしまうのだ。
そんなわけで朝食はいつも車の中でとる。多少渋滞気味なので余裕なのだ。そんな甘い心が今日の
大事件を起こした。
いつものように大好きな鮭おにぎり(何はなくとも具はシャケが一番と断言する!)と
缶コーヒーを車中で食べた。実は3日ほど前から上唇に口内炎ができていた。とっても痛くて
今もズキンズキンする。何で口内炎というやつは、こう粘膜の柔らかいところにできて、人々を
悩ますのだろう。しかしそろそろ治りかけていてかさぶたもできて余り意識していなかったのが
災いした。渋滞を後目にいつものブレックファーストターイム!大好きな直巻き鮭おにぎりを
食べ始めた。すると海苔が上唇にぴたっと付いてしまったのだ!仕方なくベロで何とか取ろうと
するがうまくいかない。あんまり舌を上に上げすぎていたので思わずつりそうになってしまった。
舌の根元がひりひりしてきた。(こんな感覚は「鼻を舌でなめられるか?」と友達に言われて
図に乗って半日も挑戦した時以来だ)そこで仕方なく食べかけの鮭おにぎりを片手で持ちながら
もう片方の手で海苔をはがそうとした。その時急に前の車が進みだしたので、自分もアクセルを
踏み、進み出した。そのタイミングが悪かった。足に力を入れた瞬間、指先にも力が入って
しまった。
「ぎゃああああああーーーーーーーっ」
そうなのだ、思いっきり海苔と一緒に、かさぶたをはがしてしまったのだ!せっかく治り
かかっていた口内炎のかさぶた跡は見事に赤くズル剥けていた。おまけにその瞬間手に持って
いた鮭おにぎりが飛び散り、車の中は鮭フレークでトッピングしたような見事なカラーリングと
なっていた。涙目になりつつ、車の中の鮭を拾った。『あーあっ』とため息をつきながら15分も
かけてやっと全部回収。ほっと一息ついて熱い缶コーヒーをぐびっと一飲み。
「ぎゃあああああーーーーーーーーっ」
粘膜が..粘膜が...もう今日は喋れない。