激動の 3月 中旬 編



3月10日(水) ブタになる可能性も...

          昨日に引き続き校内人事の話。色々と情報が耳に入ってきたが、これが驚くことばかり。
          何と8人いる長(例えば教務部長・進路指導部長・1学年主任とか)のうち何と7人が
          代わることが判明した。これが転勤などによって各部長がいなくなるのならわかるが、
          転勤予定者は部長クラスでは一人だけ。まさに全とっかえの状態である。これはすごい
          人事だ。会社でいえば社長(校長)・副社長(教頭)は代わらないが、各部長クラス全員が
          代わるということだ。おまけに私のいる教務部でいえば、中心になって仕事をしてきた人も
          全部他の部署に放出である。これで来年度うまく仕事が行くのだろうか?考えるだけで怖い。

          一般の人のために解説しておくと、学校の先生というのは授業だけやっていればいいのでは
          ない(もちろん部活動だけでも(笑))その他に時間割・教育課程・教科書選定・進路指導・
          生活指導・安全指導・清掃活動・各種行事(入学式・卒業式・文化祭・体育祭・マラソン大会)
          PTA活動・中学校訪問・体験入学・入試...とこれらは全体の10%ぐらいで、まだまだ
          あるのだ。昔、先生になったばかりの時は『何と授業の他に仕事が多いことか!』と驚いた
          ものである。まぁ、熱心なこの日記の読者なら、色々な雑事があることがわかって
          いただけると思う。当然それぞれの仕事の継続性もあるし専門性もあるのだ。それが今回
          大幅な人事刷新で入れ替わることになった。実は私に限っていえば、自分のやっていた仕事を
          引き継ぐ人がいないのだ。一緒にやっていたT先生に引き継いでもらおうと、2ヶ月前から
          準備していたのだが(年数的に自分が部署を代わるのが予想されたし、T先生は代わらないと
          確信していたので)そのT先生まで配置換えになった。どうしたらいいのだろう。こんな無謀な
          人事をやるとは、投げているとしか思えない。本当に4月当初は混乱するぞ!ポーカーなら
          うちの学校は、1ペアか2ペアぐらいだったけど、今回の全とっかえで、ブタになる可能性が
          出てきた。オー・マイ・ゴッド!


3月11日(木) 取り急ぎ...

          わーい!今日から学年解散旅行でグァムへ行ってきまーす。今日の7時頃の飛行機で機上の人と
          なります(何といい響きだ)3泊4日で遊びまくって来るぞ!そのためしばらく日記はUP
          できません。悪しからず。帰ってきたらバカ教師グァム珍道中日記をUPする予定。お楽しみに。
          そんなわけで荷物の準備があるもので...あれ?パスポートってどこにしまってあったっけ?


3月14日(日) 解放された人たち

          いやー帰ってきましたよ、グァムから。いろいろあったけど本当に楽しかった。ひさびさの
          パーフェクトな旅行でした。詳しくはバカ教師グァムへ行く!(アホ学年海外珍道中)
          見てください(あちこちでタイトルが違うなぁ)ここではその時感じたちょっとした
          エピソードを書いておきます。我が学年は格別仲が良いという感じではなかったけど、
          若い人が多いせいか、けっこうノリは良かったように思う。それが今回の学年解散旅行では
          かなりパワーアップされていた。何より普段真面目な人たちが、初めての海外旅行と言うことで
          覚醒されてしまったのだ。日頃に見られないアクティブな行動や開放的な言動。よく修学旅行
          では「友達の意外な一面を見られた。」ということが文集などにも書かれるが、今回の
          海外旅行でも、まさにそんなふうだった。いかに日頃教師が抑圧された中で仕事をしていて
          本当の自分をさらけ出せずに仕事をしているか実感できた。こんなに人間的に魅力的な
          生き生きとした表情で生徒に接していられたら、学校はもっと楽しくなると思った。こういう
          リフレッシュは、単に教員の息抜きのためだけでなく、生徒にとってもプラスになると思う。
          だのに年休を使って仕事に支障がないように行ったのに、行く前に校長が渋っていたとは
          憤慨する。まぁ、そんなことはさておいて今回色々な収穫があり、これからの私のヘロヘロ
          教師振りもさらにパワーアップされました。ああ...明日から仕事...もう社会復帰
          できない(笑)


3月15日(月) 転入な人

          本日の日程は答案返却だったのですが、私は1・2年生持っていないので仕事はない...
          というわけにはいかず、転入試験の監督を仰せつかりました。転入試験というのは、他の
          学校から転校するときに、うちの学校で受け入れるかどうか、うちの学校に見合う学力が
          あるかどうか、それをはかるためにする試験です。しかし現実的に高校の転校というのは
          とても難しいのです。例えばこの学校が嫌だから他の学校に転校するというのは、転校理由と
          して受け入れられないようになっています。だってそれをOKしちゃったら何でもありに
          なってしまうから。ふつうは親が転勤するため、転校するという理由なら受け入れ可能なの
          ですが、現実には転入したいという問い合わせがよくあります。その一番の原因が「いじめ」
          による転校です。「いじめられているのでそちらの学校に転校したい。」というもの。
          これはだいたい断ってます。えっ?何ですかって?だってうちの学校の方がもっと危ない
          ですから。デンジャラスな学校ですから(笑、でもちょっとマジ)それから次に多いのが
          「今の学校を続けられそうにないから。」これは今いる学校で問題を起こして退学寸前なため
          転校して何とか生き延びたいというパターン。これをOKする学校って本当に少ないんじゃ
          ないかなぁ。本音を言えばやっぱりトラブルは背負い込みたくないわけでして...

          で、今回は経済的な理由で私立から公立へというパターンでした。この不景気な世の中、
          話を聞くと色々あるわなぁ。今年度の入試でもうちの学校あたりでも倍率が高かったのは
          不景気で私立離れ公立人気の現れでしょうね。とかそんなことを考えながら試験監督を
          していました。


3月16日(火) 校内人事の内示!

          今朝、校内人事の内示があった。細かいところまでは決定していないが、学年所属や分掌などが
          発表された。実は昨日の放課後、教頭に呼び出されて内々で申し渡されていたため、あまり
          驚きはなかった。情報通の人たちのところを回っていたので何となく状況をつかめていた。
          しかしあんまり聞いていなかった人もいて、ちょっとざわついた。何と言っても今回は、
          ひさびさの暴挙(?)と呼べるくらいの大異動だったのだ。なんてったって8人の部長クラスの
          うち、7人が交替した。おまけにそれぞれの部署の主要メンバーも総交換という有様。
          いったいうちの校長どうしちゃったんだろう。もう今年で転勤だからどうでもいいと思って
          いるのかな?担任団もけっこう年輩の人を多く入れていた。さてさて来年は大変だぞ。

          そしてその余波が早速来た。私は今、教務部というところで時間割の作成準備をしているのだが
          いつもは春休み一杯かかり、4月までずれ込んでいる。でも私も分掌移動になったので
          途中まで時間割を作りかけて、他の分掌に異動しなければならない。ところがこれが引き継ぐ
          人がいないのだ。割と専門性と経験がものをいう仕事なので、いきなり初めての人に
          「はい、どうぞ。」と渡せばいいと言うものでもない。それを3月31日に渡されて、
          4月5日までに完成させるなんて到底無理な話。私自身もこの仕事を引き継ごうとしていた人も
          同時に異動になってしまった余波であった。どうするんだろう。おまけに新しく行く分掌からも
          仕事の話が舞い込んできた。いやー忙しくなる。えっ?来年は何かって?

            総務部(入学式や卒業式・PTA関係)で2年生の副担任だって!

          これでこの日記も続けられる(笑)


3月17日(水) よくもいけしゃあしゃあと(でもちょっと優越感?)

          新学年会議で2年D・F組の副担任と決まり、さて教務部最後の仕事の時間割作成の準備を
          やろうとしていると、いきなり教頭から呼び出しをうけた。行ってみると何と教務部に残留して
          くれとのこと。おいおい、朝令暮改も甚だしい。昨日内示を発表したばかりなのにもう転属ですか?
          今回の校内人事で、教務部の主要スタッフ(私も含め)3人が根こそぎ、他の部署へ変更
          させられた。主任のO先生は、校長のその場の思いつき学校経営にいつも文句を言っていたし、
          もう一人のT先生も、管理職の場当たり的な方針に異を唱えてきた。そしてどうやら私は、
          あまり仕事を積極的にやっていないということでの配置換えだったらしい(怒)まぁ、この
          3人は、ある意味管理職からすれば仕事はよくするが文句も言う、いわゆる目の上のたんこぶ
          だったらしい。それなら新しい教務部長のもとで人事を刷新して、お手並み拝見ということで
          3人とも納得詰めで部署を替わったのだ。いわば「たんこぶ3兄弟」(笑)というわけ。
          でもそこは私、責任感が強いものですから(笑)ただ尻をまくって仕事を放り出すのも大人げない
          ということで、来年度当初の仕事ではあるがきちんと時間割も完成させて引き継ごうと考えて
          いたのである。ところが...

           「O−TEACHERのやっている仕事は、とても大変で他の人が簡単にできるものではないと
            いうことがわかった。新しい教務主任からもこのままでは4月当初、仕事が遅滞してしまうと
            言われ、大変困っている。具体的には時間割やクラス分けなどだが...どうだろう、教務部へ
            戻ってもどってくれないか?」

          今頃わかったのか、このばーろー!誰がどんな仕事をしていて、どれだけの仕事量をこなして
          いるのかも知らないくせに!自慢じゃないが表にはでないが裏方の仕事として、人の3倍は
          働いているぞ!新教務主任も新教務主任だ!陰で「教務部を生まれ変わらせたい。そのためには
          古参の核となっている人たちがいない方がよい。」とか言っておきながら、いざ私が今までに
          やっていた仕事を他の人に頼もうとしたら、みんな口をそろえて「あんなに沢山の仕事は
          できない。」「コンピューターの達人(誰?)の後釜は無理。」と断られてしまったので
          どうにも困って仕方なく教頭に泣きつくなんて!絶対嫌だー!まぁ、だいたい教務というのは
          庶務的な仕事であって、例えば表にはでないけど、80校にも及ぶ中学校への封筒にいちいち
          宛名書きしていたのをラベルで一括印刷したり、体験入学のポスターを作ったり(覚えてます?
          詳しくは9月前半の日記を)...と雑用的だけどいろいろあるのです。それを評価もしても
          くれないで、場当たり人事で勝手に配置転換、、困ると泣きついてくる。ちょっと
          虫が良すぎると思いません?どうだ、俺が仕事をしているのがわかったか!はっはっはっ!
          (でもこの日記を読んでいる人はわからないかもしれない(笑))まっ、そんなかんなで
          優越感はくすぐられたが、腹の立つ日でもありました。温厚なO−TEACHERにしては
          珍しい(笑)さてさて明日には何と言ってくるのか...やれやれ。

心安らぐ桜の映像で心を静めて下さい(笑)
桜01


3月18日(木) 胃が痛む時間割作成

          えっ?昨日の話はどうなったかって?もちろん戻らずに済みましたよ(笑)もうこれで
          のほほんとまた1年過ごせそうです(本当か?)しかしその前に最後の大きな山、時間割作成が
          残っているのです。これがある意味、私の校内の仕事のトップ3に入るぐらい大変なものなの
          です。だって一番直截個人の利害が絡むものなので...だいたいこの仕事というのは、いわゆる
          職人仕事に相通ずるものがある。ある程度の経験と知識がものをいう仕事なのである。
          だって各教科・各個人、公平に偏りなく、均等に隙間なく組むということが大前提である。
          流れとしては各教科から、来年度の各個人の担当科目及び持ち時間が寄せられる。それを
          もとにまず骨格を組む。いわゆる木曜日の4時間目はLHRで埋めたり、芸術科は2時間続きの
          ため、先に火曜日の2・3限にと、固定したりする。これが第1段階。それに体育の時間を
          組み込み、その後時間割作成ソフト(そんなものがあるのです!)を使い、他教科を埋めていく。
          ここまでが第2段階。しかしここまではまだまだ序の口でここからが本番。各教科や分掌から
          出てきた要望をもとに、手作業で授業の駒を差し替えていくのだ。こういう作業はなかなか
          コンピューターにできず、やはり人間がやった方がよい。教科会議や分掌や学年の会議を入れて
          次に科目教科のバランスを見る。例えば国語が週に5時間授業があるとする。それがみんな
          月曜日から金曜日までの1時間目に入っていたらそれを是正する。月曜日の1時間目、火曜日の
          5時間目、水曜日の3時間目・・・というように。そして週に2時間しかない古典の授業が
          月曜日と火曜日に入っていたら、週の前半で終わってしまう。だから月曜日と金曜日に
          入れ替える。担任の先生はなるべく1時間目を空けてあげる。そうすると欠席や遅刻している子の
          家庭に連絡がしやすくなる。家庭科は調理があるので4時間目に近い方がいい。体育は着替えが
          あるから1時間目は避ける。個人で1時間目から3時間目まで、3時間連続で授業が入ると
          きつい。週に一回ぐらいは午後授業がない方が仕事がしやすい等々。あげていったらきりが
          ない。こういう様々な条件を加味して組んでいくわけです。そりゃある意味奇蹟に近い。
          だいたいこの作業に5日間ぐらいかかり、全体でも約10日間かかる。おかげで春休み全滅。
          でも昔は全部一から手作業でやっていたかと思うと、それはある意味人間国宝ものの
          熟練した技なのである。

          ところが本当に毎年やっていて思うのだが、教員ってわがままだ。自分のことしか考えない。
          無理難題を言ってくる。やれ午後はあまりやりたくないだの、週始めは乗らないから月曜日に
          あまり入れないでくれとか、ひどい人なんか4時間目に入れないでくれといってきたことがある。
          理由を聞いたら、購買のパンが売り切れるからだと!こういうバカ教員がいるから頭に来る。
          また年輩の教員や長くこの学校にいる先生なんかがそういうことを言ってきて、「無理です。」
          とか言うと「O−TEACHERは融通がきかない。」とか言われる。やれやれ。じゃ、自分で
          やってくれって言いたくなる。所詮全教員が納得する時間割なんて作れるわけがない。多かれ
          少なかれ我慢してもらうところは出てくるのだ。それを私に文句を言われて、「ほら、ここが
          こう替えられるじゃないか!」とか言ってくるが、そのせいであと5人ぐらいの時間割が
          バランス悪くなったりする。これを私は「1人の満足5人の不満の法則」と呼んでいる。だから
          時間割を作成するときには私利を忘れて、全校的巨視的視野で見なければ出来ないものなのだ。
          そこをもっとみんなに理解して欲しいと思う。時間割作成に大事なこと。それは

           1 経験と勘 2 私心がなく全校的見地で見られること 3 校内の力関係の把握(笑)


3月19日(金) にゅうきょしゃ説明会(ってどんな字だ?)

          今日は入許者説明会、正式名称「入学許可候補者説明会」の日でした。これは合格した中学生を
          集めて、制服購入の連絡や体操服・上履き・通学方法(電車の定期・自転車)等々について
          説明をするものです。まだ入学する前ですから、入学許可候補者というわけなのです。
          それが本日午後から父兄同伴で行われました。私はその受付係でした。受付をやっていると
          いろいろな親子がいる。親子共々「こんにちわーーー」と大声で叫びながら来る人。子どもは
          一言も語らずお母さんだけが「○○です。この書類が〜〜」と一人でまくし立てる人。そうかと
          思うと「すいません、この書類はここであらかじめ切り離して提出して下さい。」と言うと
          「もうー、だからお母さん、切っておけって言ったのに!もうそんな汚くちぎらないでよ!」と
          いきなり喧嘩をし始める親子など。いろいろな親子関係がかいま見られてちょっと面白い。
          でもこんな時こそ本当の生徒の実態がわかるというもの。受験の時はちゃんとしていたのに
          今日は髪の毛が赤いヤツもいた。このー!

          全体の説明会の後、教科書の購入(業者が来ていてその場で販売)、体操服・体育館シューズの
          サイズ合わせ、などをやる。ところがこれがまた大変なのだ。特に女子は体操服のサイズ会わせ
          (と言っても別にその場で着替えるわけではなく、上からあててサイズを確認するだけ)する
          だけなのだが、あーでもないこーでもないとなかなか決まらない。どうも自分の本当のサイズ
          よりは大きいものを選んで体のサイズを隠したいらしい。その気持ちは分かるのだが、どう見ても
          Sサイズなのに思いっきりLLとか選んでいるヤツもいる(マジ!)おかげで全然進まず
          とうとう怒鳴り始める始末。本当なら入学前でまだ中学生で本校の生徒じゃないけど、担当の
          先生なんか「おまえら!いい加減にしろー!」だって。なかなか大変な一日であった。

こんな感じです
入許者説明会


BACK