読み聞かせのポイント

 どんな絵本を読むか、選び方


1.子ども達の年令、読書年令による。はじめは自分の好きな本、あるいは我が子の好きな絵本から

2.絵と言葉の一致、くり返しのリズムが快く生き生きとしているもの

3.絵、言葉の美しさ、洗練された芸術性の高い本

4.子どもの生活、体験に関連するもの

5.主人公が生き生きと冒険し、困難にあうが、結末は幸せになる(子供の空想を刺激するもの)

6.これらに当てはまるものでも、多数の読み聞かせに向かない絵本もある
  (遠めがきかない、絵が細部まであって近くで見たほうがよいものなど 例:14ひきシリーズ)

  • 良い絵本を見分ける参考=出版されてから25年以上経った絵本(何年経っても、愛されて色褪せない魅力がある)



 注意点

・声の大きさ、速度、間 ⇒ 聞きづらくないか

・子どもは読み手よりお話の世界に入っていることを忘れないこと

・声色は使わないほうがよい(子どもの想像性をさまたげないため)

・子どもの様子を見る場合もあるが、読みながら子どもの方を見たり、質問したりしない (教育的にならないように)
 質問は子どもの方から自然に行きかうのであればよい(なるべく読み終わってから)

 

 扱い方


1.読む本はあらかじめ練習しておく

2.新しい本にはしっかり開き癖をつけ、カバーが付いているものははずす(持ちやすく絵も見える)

3.本の持ち方 ⇒ ぐらぐらしないよう安定していること

4.めくる時、場面を手でさえぎらないように。 また、めくって一呼間おいて読む。 字のない画面はしっかり見せる。
  場合によっては手で指し示す時もある (読み聞かせ方 指を指して読む 参照)

5.右で持つか左で持つかは、絵と字のバランス、縦か横かによって変わる。 また、進行方向によって変わる時もある。
  あまり気にならない時は利き手で良い。

6.絵と文章があってないページの面もある 絵と文の調整 参照)調整箇所はえんぴつで記すなりしておく

7.絵本は表紙から裏表紙までつながっているので、両方とも初めから終わりまできっちり見せること。
  特に裏表紙は裏だけ見せる時と両開き見せる時がある(絵のつながり)

8.絵本は子ども達がお話にすぐ入っていくので、タイトル以外の作者や出版社は言う必要ない (後で紹介する)

9.出来れば 発声練習、お腹から声を出せるよう日頃から訓練しておくといい



読み聞かせ方の実際例


しっぽのはたらき  (薮内正幸 作/福音館書店) '03/4/15・・最近読んだ日付

  • 白い紙でページをかくす
    この絵本ははじめのページに動物のしっぽがあり、 動物の名前あてクイズのようなので、しっかりしたおはなしの後の絵本として最適。 ただし、左ページに、前のしっぽの動物が右ページに次のしっぽが見えているため、 子供たちは左を見ながらすぐに右を見て(左を読んでいる時に)今度の動物は何かと先走りしがち。 そのため、右のページをかくしておくと集中できて、面白さも倍増。
     →サッと白い紙を取ったと同時に一斉に皆がその絵に視線がいく。
ダチョウのくびはなぜながい?
〜アフリカのむかしばなし〜(ヴァーナー・アーダーマ文/マーシャ・ブラウン絵/松岡享子訳/富山房) '03/4/19
  • 絵と文の調整
    (19P) そのときです― →ワニはとつぜん、けさはまだ朝ごはんをたべていなかったことをおもいだしました。 そこで―(20P) ガブッ!と、(次のページをサッとめくってダチョウがワニにくわえられた絵を見せた方が目を引いてよい)
ぐりとぐら  (中川季枝子 文/大村百合子 絵/福音館書店) '03/4/23
  • 歌はメロディーをつけるか
    一般的には歌うが既製のメロディーは止めた方がよい。 (あれ、この歌どこかで・・と、気になりがち)それらしく節をつけた方がまだよいと思う。 (CDも出たらしいが、とらわれなくてもよいのでは?)
  • 指を指して読む
    1. (10,11P)「ぐりとぐらは、いそいでうちへかえって、よういをしました。・・・」
      →全部は必要ないがおなべ、小麦粉、バター、牛乳位は指さすとわかりやすい。
    2. (16,17P)「いしでたたくと、やっと、われました。・・・・・そのあいだに、ぐらはいしでかまどをつくり、 たきぎをあつめました。」
      →長方形の絵本のうえ、おはなしが左から右へ進行していくのに対し、 たきぎを集めているぐらは左隅にいるため、視線を戻さなければならない。 ぐらを指してゆっくり読んであげたい。 (ぐらをさがすうちにおはなしが先へということもある。特に大型絵本ではその方がよい)
  • 絵と文の調整
    (21〜23P)「さあ、できたころだぞ。ぐらが、おなべのふたをとると、・・・・・」
    →カステラができあがってふたをとる場面。23ページで文があるが、すでにカステラが見えてしまっている。 前のページでこの一文を読んで、ページをめくり、カステラを見ると同時に 「まあ、きいろいかすてらが、ふんわりとかおをだしました。」と続けた方がおもしろい。
そらまめくんのベッド  (なかやみわ 作/福音館書店) '03/4/23
  • 指を指して読む
    色調が全体に青緑で、そらまめくんやさやえんどうなど豆たちがいろんなページ、 場面で出てくるので見落しやすいと思う。わかりやすいように指をさして読んであげたい。特に大型絵本の場合はおすすめ。
どうながのプレッツェル  (マーガレット・レイ 文/H.A.レイ 絵/わたなべしげお 訳/福音館書店) '03/5/8
  • 指を指して読む
    「5がつのあるあさ、5ひきのダックスフントのこいぬがうまれました。」
    →どれがプレッツェルか指しながら読んだ方がよい
  • 絵と文の調整
    5ひきのなかで、だれよりもずうっとながくなりました。(次のページにいく前に)
    →プレッツェルは、すlっかりおおきくなって、(と読んでからページをめくると、 子ども達の目に長いプレッツェルの絵がすぐに飛び込んでくるので子ども達から歓声、 驚きの声があがって効果的だった)
    →せかいいちの
    ダックスフントになりました。
  • 両開きにして絵を見せる
    絵が表裏にまたがっているため読み終わったときの表紙は全開して 「どうながのプレッツェルでした。」と見せる。
くわずにょうぼう  (稲田和子 再話/赤羽末吉 絵/福音館書店) '03/5/9
  • 絵と文の調整
    (11P)そして、ながいかみのけをほどいたら、あたまのてっぺんから、おおきなくちがざくっと、でたんだと。
    →この場面は最も恐ろしく又、子供たちが集中して固唾をのむところ。 前のページで「そして、・・・てっぺんから、」と読んでさっとめくって「おおきなくち・・」と読んだ方が 絵と言葉がぴったりあって迫力がある。
  • 指を指して読む
    男が、菖蒲の中に隠れた字のないページ。男と菖蒲が同じ灰色で判りにくいので男をそっと指して、しっかり絵を見せる。
どろんこハリー  (ジーン・ジオン 文/マーガレット・ブロイ・グレアム 絵/わたなべしげお 訳/福音館書店) '03/5/17
  • 絵と文の調整の必要はあるか?
    本題1ページめに「ハリーは、くろいぶちのあるしろいいぬです。 なんでもすきだけど、おふろにはいることだけは、だいきらいでした。 あるひ、おふろに、おゆをいれるおとがきこえてくると、ブラシをくわえてにげだして・・・」となっている。

    一説には、表紙からストーリーがはじまっているため、表紙で「ハリーは、・・・いぬです。」と読む。 めくって1枚目の標題紙では、ハリーがブラシをくわえているところで「「あるひ・・・きこえてくると」 次の標題紙「ブラシをくわえてにげだして」と本題の文をその前のページで読んでしまう、というもの。

    特に、読み聞かせ経験の少ない子どもには良いとのこと。でも、これは、作者が絵を読ませようとした、しかけであるため、 これまでの絵と文の調整とは異なるものだと思う。 できれば、そのまま、ゆっくりと題名をはじめに読むだけで絵本どおりに読んだ方が良いと思う。 子どものイメージを大切にしたい。それぞれのやり方はあるかもしれないので一概に言えないが・・。
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  • 指を指して読む
    1. 「てつどうせんろのはしのうえであそんで、すすだらけになりました。」
      →ハリーがわかりにくいのでハリーを指す。
    2. 「・・すっとんとちゅうがえりころりところげてしんだまね。」 1つ1つそのようすを指し示しながら読むと自然とリズミカルに感じる。
    3. 最後のページにかくされたブラシがわかりにくいので指し示して読む。
ぴかくんめをままわす  (松居直 文/長新太 絵/福音館書店) '03/5/20
  • 指を指して読む
    信号が変わり、あお・き・あかーすすめ・まて・とまれのくりかえしがある。一々指さなくてもよいと思うが、ポイントの所は指すと効果的。特に、(17p)の?のめちゃくちゃのところ。最後、正常になった所など・・
三びきのやぎのがらがらどん  (マーシャ・ブラウン 作/福音館書店) '03/5/27
  • 指を指して読む
    橋の下にトロルが潜んでいるページ。橋と保護色になっていてトロルが判りにくいので、「トロルがすんでいました。」で指して読む。
  • 速く読む、ゆっくりと読むとの使い分け
    橋の鳴る音、大・中・小のやぎ・トロルの声は強弱で読むのではなく、読む速さを変えることで表す。(声色ではなく表情付け)
  • 文章の割愛
    ぎの声の説明文―まえのやぎほど、ちいさいこえではありません。―それはひどくしゃがれたがらがらでした。→読んでも、読まなくても良い。おはなしのテンポや効果を考えると読まない方が・・と、思う。
  • ページのめくりを速く、一呼間おかないで、すぐに読む
    大きいやぎの顔が画面いっぱいで叫ぶ「おれだ!・・・」のページは、素早くめくってすぐに読む。前ページに上目使いの目でトロルに挑みかかろうとするところから、一息におはなしを続けたい場面。
  • 絵と文の調整
    大きいやぎが、トロルをやっつける場面のページに、「こう、おおきいやぎがいいました。そして、トロルにとびかかると、」→この一文は前ページで読むとより迫力があり、絵と文が一致する。

 

あのときすきになったよ  (薫くみこ 文/飯野和好 絵/教育画劇) '03/6/12
・・友情とは何かと感じるおはなしで、幼児より小学校低学年からのおすすめ絵本。
  • 指を指して読む
    飯野さんの迫力ある絵が遠目にもしっかり伝わってくるので小学校での読み聞かせに適している。ただ、2箇所、手を振る場面があるがわかりにくいかもしれないので読みながら指を指してあげるといいと思う。
すきですゴリラ  (アントニー・ブラウン 作/あかね書房) '03/6/21
・・さり気なく父と娘の関係を描いたおはなし。愛すべきゴリラがかくし絵として、いたる所のページにあって見つけるのが楽しみな絵本。
  • 白い紙でページをかくす
    巨大なゴリラが登場するページとゴリラがスーパーマンの映画のページはインパクトがあって、楽しい場面だが、左のページを読んでいるうちに右側にすでに、絵が見えてしまっている。紙で右側を隠して左のページを読んでいる最中、しっかりおはなしに集中させておいてから紙をサッと取り払うと、右のゴリラの絵が現れた時、子ども達にどよめきの声が上がって面白さが倍増する。
  • 指を指して読む
    初めの方のごりらのおもちゃは小さいため、指し示すとわかりやすい。(ベッドと部屋のすみっこに置いたゴリラのおもちゃのページ)
    映画を見ているページもゴリラとハナの席をここですよと、指して教えてあげるとよく分かっていい。
まっくろネリノ  (ヘルガ・ガルラー 作/やがわすみこ 訳/偕成社) '03/10/24
  • 絵と文の調整
    (1)字のない両開きにネリノとその家族の絵。次のページで「ぼくのなまえは まっくろネリノ。ぼくのかぞくは、とうさんとかあさん、それからにいさんが よにん。 ・・・」とある。この文を前ページで読んだ方が良いと思う。あれ、四人いないよ?と探してしまうため。ただし、ページが黒いので書き込むには無理があるためメモを手にとって読むとか、付箋にして子供に見られないように工夫して読むことをお勧め。
てんのくぎをうちにいったはりっこ  (かんざわとしこ 作/ほりうちせいいち 絵/福音館書店) '03/12/12
・・起承転結のはっきりとした昔話風な冒険話なので大きい子は特に喜ぶと思うが、出版年によって文章が異なっていることに注意。(ペーパーバック、ハードカバーではかなりの違いあり。)やはり、最新改訂版の方がストーリーに無理がないと思う。旧版でするときは文章を直して届けた方が良いと思う。
  • 絵と文の調整
    (17P)クライマックスの迫力あるページの絵の説明が次ページで書かれてあるので調整した方が良いと思う。「こしゃくなちびめ!・・・じりじりとこげる。」までを読む。(18P)ハンマーを持ってへびの頭を打ちつける絵になっているので、「もうこれまでと、はりっこはかじやのハンマーふりあげて・・・いきがたえた。」とした方が場面と一致する。
  • 指を指して読む
    お話の起こりとなる天のくぎがぬけそうになり、ゆれている場面(10P)のくぎがわかりにくいので指した方が良く、お話の鍵をにぎっている場面なので大切にしたい。
かさどろぼう  (シビル・ウエッタシンハ 作/いのくまようこ 訳/ベネッセ) '04/6/20
・・スリランカの島で、実際にあったことをもとにしたお話ということをあらかじめ知らせてから、読んだ方が子ども達は興味をもって聴いてくれると思う。
  • 指を指して読む
    最初のページに登場人物7人が並んでいるが、キリ・ママおじさんは後列左端にいることがすぐにはわからないので「・・・このむらに、キリ・ママおじさんが いました。」のところで指す。
  • 文章の割愛、絵と文の調整
    キリ・ママおじさんが右側のページに、顔のアップで葉っぱを手に傘代わりにしている場面は、左ページの文章が多すぎて絵と文があっていない。「がっかりした・・・・かえりました。」の文はなくてもいいと思う。「せっかく・・・・しかたありませんでした。」の文章は前のページの絵を説明しているので前ページで読んだ方がよい。
  • 両開きにして絵を見せる
    絵が表裏にまたがっているため読み終わったときの表紙は全開して 「かさどろぼうでした。」と見せる。



お薦め資料
「えほんのせかいこどものせかい」(松岡享子)
「心に緑の種をまくー絵本の楽しみ」(渡辺茂男)
「子どもに語りを」(櫻井美紀)