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ユーロ4達成ディーゼル乗用車実車テスト

新長期規制達成への道(その1):

排気ガス測定と運転モード
 Euro4を達成したモデルであれば、今年10月から施行される世界で最も厳しいとされる新長期規制をクリアできるかどうか気になるところです。 この試験は、従来の10・15モード試験と11モード試験との2つの試験を行って夫々の結果に乗数をかけてその和が試験結果となります。 同時に10.15モードにあるHCはあくまで炭化水素のトータルですが、11モードではメタン(CH4)は無害である事からNMHC(ノンメタンハイドロカーボン)が採用されており、新長期規制もNMHCが使用されています。 

各々の試験モードは、次の通りです。

10・15モード


11モード



Euro4


 タービュランスでは、輸入自動車登録時に必要なガス検を行う際、通常であれば現行の規制を満たしている事を証明できれば良いのですが、環境を考え導入する車両の本来の実力を確認する為、あえてまだ施行されていない新長期規制(平成17年10月より施行)にチャレンジする事にしました。 と言うのもプジョー307HDi136は、PMやNMHC・COに関しては走行モードが上図のように異なるものの、非常に低く同時にEuro4の平均速度が新長期規制と比較して高い為、NOxに関しても低めにでると予想されたからです。 HDi136のNOxのEuro4での値は0.163g/Kmに対し、同車両の新長期規制でのパスリミットは0.20g/Kg
(形式認定車両は0.15g/Km)で十分射程距離にあると判断したからです。 

 通関完了後直ちにガス検に持ち込み排気ガス証明書を発行してもらわないと、陸運局での審査を行ってもらえません。 ただし、ガス検は全国でも4箇所程度でしか行ってもらえないので、通常申し込みを行ってから約1ヶ月程度待たされます。 それほど多くの車両が持ち込まれている(並行輸入車に限らず排気ガス浄化装置の認定試験も行われています。)となれば、ディーゼル乗用車の輸入もかなりあると期待しましたが、実際には、ガソリン車の試験が多数を占め、ディーゼル車の試験は非常に少ないそうです。
 さて、通貨翌日ガス検の申し込みを行いました。 その際新長期規制の平成17年排気ガス試験は今回がはじめてとの事。 つまり今までにこの試験を受けた車は1台も無いという事です。 他の試験期間にも問い合わせしましたが、形式認定を行っている機関(OEMが形式認定を行う場所)だけがディーゼル乗用車の試験を行っているが、形式認定車は無いとの事。 つまり何処も新長期規制をクリアした車は無いとの事。 でもこの試験は、平成17年10月から施行される為、現在試験しても万が一パスできなければ、パスしていないガス検査証は発行してくれても、それでは現行の排気ガス基準を満足していたとしても、陸運局では、認めてくれない事が判明。 試験費用は、現行の約2倍の試験だけに必要以上の費用がかかってしまいます。 しかし、この様なチャレンジは何処も行うはずは無く、一部の個人輸入に興味を持っておられる方や、並行輸入業者、更に正規代理店ですらこんなリスクを負う事はしないはずです。 少なくとも2007年の8月までは現行の平成14年規制を満足していれば登録可能だからです。 でも本当は規制の先取りを行うぐらいの努力があってしかるべきはずです。 これからの企業は、社会に貢献する事を、忘れてはならないとタービュランスでは考え、あえてこのハードルにチャレンジしました。

しかし、企業としてはリスク回避は現在優先項目の一つである事はどの企業でも同じ。 万が一パスできなかった場合に対して、各検査機関へ何故同じ試験を行っているにもかかわらず、再度同じ試験(10・15モード)を行わなくてはならないのか問い合わせを行うと同時に、各機関を統括している国土交通省・環境課に連絡しその主旨を伝え公式文章での回答を求めました。
 しかし、そこは官庁の受け答えの上手さで「公式文書は出せないが、言われる意味は十分に理解できる。 そのような事例(現行施行されていない将来の規制を先取りする形での排気ガス試験=今回の新長期規制の為の試験)があれば検討するつもりである。」 つまり、必要となった時に、対応するとの事。 
 電話でガス検の仮申し込みを行った後、郵送で書類を送ってもいいのですが、あえて試験期間の事務所に試験費用と申し込み書類を持って行くと、その場で、国土交通省・環境課より今回の試験に際して、新長期規制をパスできなくとも、現行規制をパスできていた場合の処置に関し審議を行うとの連絡が入ったと報告されました。 でもその審議の日程は、なんと試験が終了した直後を予定されています。 多分受かったら審議は延期、落ちたら即座に対応と言う事でしょう。 何はともあれ前向きに検討されるようなので、各関係者に感謝いたします。

さて、27日に通関し28日にガス検予約し、試験に向けて準備を開始しました。 その準備に関しては;

その5: 新長期規制達成への道(その2)へ: