タービュランス・リミテッド          Turbulence Ltd.車社会を化学し業界に新たな旋風を吹き込む・知的技術グループ


 

ユーロ4達成ディーゼル乗用車実車テスト

新長期規制達成への道(その4):

小さな企業にだって出来る事:

 会社への帰路、快適に走るHDi136の中では、既に明日までに出来る事を考えはじめていました。 走行モードが明らかに違うとは言え、本来NOxの排出量は、平均速度が速くなるほど、加速域が多いほどNOxが増えるはず。 それでは何故Euro4より平均速度が低い新長期規制の方が多いのか? 答えはある程度出ていました。 (これを明らかにすると、その事だけを満足させる自動車メーカーや輸入業者が出てきるのは確実な為、説明は避けることにします。) 

 少し議題から外れてしまいますが、PMとNOxは相反する関係にあり片方を減らせば片方が増える関係にある事は良く知られています。 PMが多いからディーゼル車は駄目だの、PMへの対応が出来そうになると、NOxが多いから問題たと言ったりする目先の事ばかり考えている行政判断が、全てだなんてタービュランスは考えてはいません。 規制自体は守らなければいけないことですが、 NOxを減らしてPMを規制値の範囲で増やすなんて事は絶対にすべきではないと考えているからです。 本来排出ガスの規制を行う場合、優先順位があると考えます。 何故か最近ではPMよりNOxを重視する傾向にあるのは非常に問題だと思います。 というのも、PMは非常に問題のある物質で、特にナノmサイズのPMは、細胞膜を簡単に通過して細胞内に取り込まれてしまうのです。 NOxは、新血管疾患・呼吸器疾患・光化学スモッグの原因とされていますが、タバコもNOxを発生し、多くの喫煙者が直接吸っているのです。 また、家庭用ガスコンロでも、NOxは発生しています。(少ないものでも、60ppmあります。) でも直ちには重大疾患が発生していません。 勿論、NOxの排出を減らすべきですが、 ナノサイズのPMは非常に発ガン性が高く、吸入後数十年後に発病する事がわかっています。 つまりPMとNOxを比較して、PMを限りなくOに近づけることを優先すべきと考えます。 (NOxと騒ぐ一因に、ディーゼル車のNOx低減がガソリン車より難しい為だと思われる節があります。) それゆえ、あえてタービュランスではPMを最も重視してNOxを減らすためにPMが増える事は容認できないのです。

 さて、PMとNOxを同時に減らすような技術は、ある程度コモンレールとピエゾアクチュエーター式燃料噴射システムで対応してあるはず、そう簡単にはプログラムの変更は出来ません。 できる事は何があるのか? 一つは、燃料の成分をJISの範囲で変更する方法があります。 これができるのはOEM・石油会社以外しかありません。 それに許される時間はごく僅か一晩と半日しかありません。 帰宅後も、エンジンマネージメントや触媒システムをプジョーのサイトやVWの技報やらトヨタ・いすゞ・日野のサイトまで関連技術をネットや論文集から取り出し、夜中間での検討が進みました。 関連した論文やOEMの発表しておる技術関連資料を何度も目を通しながら、できることが非常に少ない中、数年前に行ったテストレポートが目にとまりました。 技術は小さなことの積み重ねである事を思い起こさせるレポートに、そうだそう簡単にできるのであれば、誰も苦労はしていないはず。 できることをやって駄目なら根本的に手をつけるしかない。 今回は小さな事でもできることからやろうと。 気が付くともう外は明るくなっていました。 できることは、走行はまだ1000Km未満慣らしをもっと行う。 燃料を精油所に近い所に変更(少しでもフレッシュな燃料を使う。 輸送所からの燃料は使わない。) タイヤを省燃費タイプに変更しタイヤ幅を標準装備内で最小にする。 その他できる限り走行抵抗を減らす事を中心に手を加える事にしたが、これらも効果があるのはせいぜい夫々数%程度しか聞いてこない。 実際には2割弱減らさなければならずこれだけでは十分なはずが無い。 だからと言って、NOxを簡単に下げられる添加剤等はありません。 (PMを減らす事は、添加剤で可能ですが、その多くは重金属を含み決して使用すべきものではない。)  そこで最後に行ったのは燃料系に手を加えたタービュランスのシステムを導入する事でした。 


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