ユーロ4達成ディーゼル乗用車実車テスト
新長期規制達成への道(その5):
できる事と疑問点:
できることの積み重ねと言っても、慣らし運転なんて半日しかない中ではどうしようもない。 でも昔ガソリンエンジンの慣らしは距離を稼げないのであれば、回転数を稼ぐ方法で短期間にやる方法を取った経験を生かし、会社へ行く間にある程度行う事に。 タイヤは、サイズを変えるにはホイールまで替えなければならないため、良いアルミが見つからないので、省エネタイプに替えるように手配、でもここでも無常な事に、サイズが特殊な為都内・県内には見つからず、工場在庫しか無く、出荷を待たなければならない。 しかし、今日中に入手は当然無理、せめて空気圧を最大指定圧にしておく程度が関の山。 これでも1%程度は稼げる。 そんなこんなで、できる事を1つ1つ確実に行う事にしました。
HDi136がはくタイヤは、P-Zero Asimm‘Rosso’205/50−17は、ピレッリの最高峰、単にスポーツ走行を目指したタイヤではなく、静寂性・省エネ等を盛り込んだ超高性能タイヤ。 しかし、決して省エネタイヤとは思えないグリップを示します。 スポーツ走行等には向きますが、今回の排出ガス試験には、少々太すぎます。 できれば185あたりの省エネタイヤがあればそれの方が良いでしょう。 ただし扁平率は低い方が剛性もあるのでより、省エネになります。 今回は、時間の関係で間に合わず、標準タイヤを使用しました。 空気圧は226kPaです。
時間が無い為、燃料系の改造を突貫で行った後、直ちに精油所近くのサービスステーションで給油を行いました。 この業界にいると、精油所毎の燃料の特性等が、精油所の設備や輸入原油等からある程度わかっているので、一番適したものを今回入れることにしました。 本来燃料がどのようなものを使用されても同じ結果が出せなければいけないはずですが、 試験には標準燃料など無く市販燃料であれば良いのです。 これもおかしな話で、ガソリン車では、ハイオク仕様の車は、ハイオクでテストしているにもかかわらす、レギュラーで走っている人がかなりいます。 レギュラーを使用してテストすれば、アクセルの踏み込み量で大幅に測定値は変化すると言う事が判っていいながら、OEMは、ハイオク仕様車にレギュラーを使用した場合、保証しないとは絶対に言わない。 だから燃料組成を変えて排出ガス試験をする事だって可能となり、本当に認定試験の数値が正しい(一般市販車を排出ガステストにかけてパスするのか)とは言えないのではないかとさえ思えてきます。 今回の試験届け出書には、燃料の選択があり軽油は軽油としかマークするところがありません。 しかし、軽油はガソリンとは異なりJISの規格でも5種類存在する。 更に最近では少なくなったがプレミアム軽油もあり選択肢はおおいのですが? 結局そこまでは問わないと言う事かもしれないが、この燃料の違いだって無視でできるものではありません。 要するにテストする方で、選択して良いよ解釈できます。 通常であれば市販燃料しか使わないだろうと言う性善説に基づいていると解釈しておきましょう。
さて、もう一つの疑問は、直噴ガソリン車のPMの事です。 現在直噴ガソリン車の普及率は、20%を上回っていると予想される中、その直噴エンジンがススを多量に撒き散らしていることは、あまり知られていません。 このPMはやはりディーゼル車と同様に扱われるべきで、その直噴ガソリン車にLEVの称号がついていること自体、今回PMとNOxの低減方法を調べるうちに疑問に思って来ました。 この件の詳細は別途新たな議題として取り上げるつもりです。。
やっとできることを行って試験場に向か途中、これで試験をパスできるかと言う不安で一杯でした。 首都高を抜け八王子インター近くになって、あれっ!エンジンの感じがやっぱり違うぞ!!! もう少し走ってみたいでも、時間が無い。下道を走りながらエンジンの吹け上がりをチェックしながら走っていくとおかしい??? あっ!道を間違えた。 ココは何処?
ぐるぐるぐるぐる廻っているうちに会社に連絡、道をネットで確認して今走っている場所がわかって、やっと試験場に持ち込み完了。(初日は前回と全く調整で終わりました。)
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