ときど記
編みながら、あれこれ思ったこと。 季節感と生活感。 2009年2月

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25日(水)

 不景気だ、雇用不安だ、教育格差だ・・・・嫌な話題の多い世の中ですね。

 お陰様で、亭主は正社員で、親世代を含めて家族は健康で、我が家は今のところ路頭に迷う心配は無い状態ですが、あんまりにも「大変だ、大変だ〜」という情報が入って来すぎて、何となく暗い気持ちになることもあります。


 長女がテレビで、派遣切りで住むところも無くなった人の様子の報道を見ながら「こういう『大変な状態』の人のことを取り上げて、広く報道して、結局何を言いたいのかな?」と疑問を口にしたことがありました。

 私は教育的観点から、なにかまともなことを言おうと思いましたが、正直うまい答えが出せませんでした。

 「『うちにはお金が余っているから、こういう人に配ってもらおう』って人が出てくるかもしれないから」
 「自分も大変だけど、もっと困っている人がいるんだ、って勇気をもらうため」
 ・・・・なんだか、全然違う気がします。大人の狡さや狭さしか出てこない・・・長女の疑問のまっすぐな強さにタジタジしてしまいました。




 最近、ある冊子で「児童文学の良さ」みたいな記事を読みました。→Z会保護者向け会報2月号

 こどもがどんな本を読んで、どういう風にその人生を豊かにしていくのかを思うとき、"児童文学"というカテゴリーがなぜ必要で、どんな役目を果たすのか語られていました。


 大人になって(どういうこども時代を経たかは、ここでは問わないとして)、多少なりとも経験を積んできた人間は、目の前で起きている事象を直視したり、目をそむけたりする案配を知っていますが、こどもはどうしても経験値が低いので、リアルな衝撃を受けすぎてしまう。

 それを補うために、単なる逃避の域を超えて、生き延びるために読書を必要とする・・・・・そんな内容だと解釈しました。

 だから、かなり残酷で無謀な設定もアリだし、しかしせめてもの救いにハッピーエンドが欲しい、と書かれていました。



 私は児童文学って苦手意識があったんですよ。

 妙にはっきりした性格の主人公を中心に、ステレオタイプの脇役・敵役と、ファンタジックな冒険、エキセントリックな友情・見え隠れする教訓・・・・そしてハッピーエンド。

 いくらでも設定を変えて続編を作れそうな枠組みも嫌でした。


 お好きな人や作者関係者には大変失礼ですが、そういう色眼鏡で最初から見てしまうので、手に取る気がしないまま、"児童"を卒業してしまいました。

 いまだに、映画(いわゆるハリウッドものとか)や、長〜く続くマンガが苦手なのも、そういうことなのかもしれません。
 作り物としてバカにするか、入り込みすぎてクタクタになるか、それこそ案配が分からないのです。


 つまり私は、現実の世界で幸せだったから、どこか(本の中など)に逃げ込まなくても生きて来られたってことなんでしょうね。ハッと気付かされました。



 戦後で高度成長期の円熟期からバブルにかけての、お目出度い時代に、明るい家庭でのほほんと育ったことを、こんなキッカケからも再認識しました。ありがたいことです。

 さて、我が家のこどもたちは、どんな育ちをしているのでしょう・・・。

 厳しい時代に送り出さねばならない親として、極楽トンボの母は今日もモヤモヤ悩みます。





18日(水)

 2月も半ばを過ぎてから、北海道は本格的に寒い日々が続いています。

 雪も降って・・・昨日は新千歳空港が混乱したそうですね。出張できなかった人、修学旅行自体がキャンセルになった学校などの話を聞きました。




 昨日、くつしたを左右バラバラに履いて、ピアノのレッスンに行ってしまいました。

 月に2回のレッスンで、ピアノを弾いているよりおしゃべりの方が若干長いものになりがちなのですが・・・・すっごく面白い話になって、身体を前後に揺すって大笑いしたら、自分の足が目に入って・・・「キャーー、私ったら(爆)!!」

 先生は「ピンポンさん、くつした編んでる人だし、オシャレなのかな?って思っていたわよ」って・・・・先に気付いていらしたんですか!?ますます「キャーー(爆爆)」でした。

 確かに以前、左右バラバラのくつしたのオシャレについて語ったことはありますが。

 ただの、ユニクロの薄茶色と濃い茶色のくつした・・・一瞬、気のせいかと思うような、微妙な色違い・・・明らかに"うっかりミス"でした。

 洗濯の時に、くつしたが片方ずつにはぐれてしまうことはしょっちゅうなので、「タンスにしまうときに辻褄が合えばいいや」と気にも留めない私です。

 そういう"相方待ち"のくつしたを2つ、それも1つは物干しから直接履いて出かけてしまうから、こういうことになりました。

 自分のドジ・ズボラに大受けしちゃいました(苦笑)。



 帰宅後、片方だけ正しい色に履き替えたとしたら、洗濯物が1.5足に増えてしまうから、今日はこのままで過ごそう!と思ってしまうところまではいいとして。

 夕方、長男の習い事の先生から「来年度も継続するかという点でご相談があるので」と呼び出され、お出迎えくださった先生に、スリッパに履き替えるところを見られ・・・(ヤブレカブレで「きゃー私ったら」って、今日何度目かの叫び声あげました)





9日(月)

 札幌は「雪まつり」の最中です。

 暖冬で雪不足で・・・といった不安を、地元民の私は感じるばかりの、なんとなく他人事のイベントです。
 すいません。でも大都市の大きなお祭りって、もう個人には関係なくって・・・何かで参画していれば別なのでしょうが。

 だからこそ、昨日一昨日とたくさん雪が降って、街並みも雪国のそれっぽくなったことが、嬉しいですね。
 たとえば赤ちゃんの時以来顔も見ていない従兄弟の結婚の報せ、みたいに「ほんと、よかったね〜」と正直に軽やかに喜べる嬉しさ、みたいな・・・なんか変かな??



 受験シーズンも最中ですね。

 私にとって大事な友人のお子さんが、頑張っている様子というのは、空模様の何十倍もドキドキ(しかし、私にできることは何もないという点では、天気と同じか・・・)のイベントです。

 ひとり、すでに吉報をくれた方がいて(それも桁違いにハイレベルな大吉報!)、とても嬉しく頼もしく、頑張ったお子さんとご家族を思うとジンとします。



 ついこの前、自分も受験生だったような気がするのに。

 中学時代の友人とメールしても、会社に勤めていた頃の友人と会っても、すぐあの頃の楽しさにトリップできるのに。

 随分いろんなことがあってから、結婚してこどもを産んだ気がするのに、その子もそろそろ受験生・・・・???

 いったいどこに、時空の歪みがあったんでしょう?最近、特にその「今、私がいるのは、何時(いつ)?」的な、英作文で時制を間違った文章のような不思議感に襲われることが多いです。

 この本は、2冊でコラボレーションだという話題以外は何の予備知識もなく手に取ったのですが、そんな「あれ?今、なんで?」という空気に満ちていて、あっという間に読んでしまいました。

  「左岸」 江國香織 集英社






3日(火)

 昨日は家族中が、クタ〜っとして過ごしました。

 発表会の後の脱力、といいましょうか。


 私と長男は、朝9時から夜6時まで現場にいましたが、やるべき仕事のプレッシャーは比較的軽かったはずなのに、何となくお疲れで。

 長女は午後からの現地入りでよかったとはいえ、本番の緊張が桁違いですから、無事終わった安堵感で、グッタリ。

 亭主は、朝に私たちを送り、戻って長女を起こし、ビデオ撮影の準備やら、「飴持って来いヤ〜」とか「やっぱり楽譜も持って来いヤ〜〜」などの指令に応えたり・・・いわゆる雑用を一手に引き受け、ヘトヘトに。


 10年前の、幼児と赤ちゃんを連れて、右も左も分からずにバタバタしていた頃に比べれば、ずっと楽に乗り切っているはずの行事なのに・・・・なんなんでしょうね?



 結果、月曜日は有給休暇を取る人、保健室で過ごした後に熱を出して、お迎え要請を発令した人、一斉下校で帰宅したっきり、部活は休ませてもらった人・・・程度の差はありますが、3人はダウン。
 (私は普段から軽作業しかしていない主婦なので、通常営業です・苦笑)

 平日なのに、夕方にはリビングに全員揃っているという状態でした・・・・。



 一夜明けて、今朝はみんな、元気に出社・登校していきました。ふう〜一安心






2日(月)

 今年も書かせてください・・・長女のバイオリン発表会が終わりました。

 最近HPもできた、村山ヴァイオリン教室にお世話になって、丸10年がたった我が家。

 発表会も10回目・・・・長女を朝早くからおめかしさせて、楽器やらビデオやらまだ1才の長男やらを抱えて、汗だくになって参加していたのが、遠い昔に思えます。

 今回は、長女がソロ・カルテット・合奏に参加。長男もピアノで、同級生のバイオリンに伴奏をつける出し物をしました。

 (さらに私は、師匠のお手伝いで、伴奏譜の譜めくりという大役を仰せつかり(苦笑))



 親バカなんですが、と最初にお断りを入れた上で。

 長女の演奏に感動しました・・・ヴィターリの"シャコンヌ"という曲を弾いたのですが、音程がとてもよかった!

 忙しい中学生生活だけど集中して練習した事と、もともとよかった耳(音感)が、日々の部活とバイオリンで鍛え上げられてきたようで、聴いていてとても気持ちがよかった。

 哀愁のあるメロディーをたっぷりと歌うこともできるようになって驚きました。
 10年前に"キラキラ星"から始めて、「ちゃんと楽譜通り、最後まで暗譜して弾けて、エライエライ!」という発表会から脱皮、「自分自身の内面から出す、表現としての演奏」を「本番で確実に披露する」というレベルに手が届いたんだな・・・・と感動しました。

 私、演奏中に何度か涙があふれたのですが、親バカにもほどがあるかと周りの人に気兼ねしてグッとこらえてしまいました。
 しかし演奏後、聴きに来てくれた義母が、ハンカチ出して泣いてくれていたので、嬉しかったです・・・ほんとに、ブラバァ〜って、叫んでしまいたかった(笑)。



 いやあ、感動さめやらない状態なので、お恥ずかしい文章になっていますが、身内の頑張りを身内が褒めてどこが悪い!?と開き直って書かせていただきました。



 ええ〜っと、長男の方ですが。

 「今までで、一番、緊張しないで弾けたよ」と余裕の感想を述べてくれました。

 いっぱい練習したものね!暗譜で弾けるって言い切っていたのに、母と師匠で心配してしまって、本番で楽譜を置かせてもらったこと、ごめんね!


 



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