Magicalmirror or Kitten!! 10

   

「えー、もっちゃん家も飼えへんの?」
「うん、うち赤ちゃん居るやろ?動物はあかんて」
「そうかー、うちもお父ちゃん猫嫌いやからなあ・・」
「あ、そうや。雅美ちゃんとこは?ほら、前になんか飼いたい言うてたやない」
「ああ、言うてた。けどあの子の家、学校の向こう側やろ?」
「なら、学校で待ち合わせしようって電話かけよ?そしたらそんなに遠くないやん」
「ああ、そうやね。それにあそこも近くに公園あるし」
「うん。そうしよ!」
「電話ある?」
「うん」
「いいなぁ、携帯。うち言うても子供が持つもんやないって全然ダメ」
「うちもやで!高校生になったらってアホか!」
 いつの間にか少女は4人。いくつでも女の騒がしさは変わらないものなのか、きりもなくペチャクチャと話す彼女達の目の前で、出されたミルクを舐めながら有栖は辟易としていた。
 2人の少女達に連れてこられたのは有栖も知っている近くの児童公園だった。
 そこで「ほら、ミルクだよー」と出されたそれを、現金だが腹は減っては戦は出来ないのだと飲み始めると彼女達は嬉しげに飲んでるよーと騒いでくれた。
 その間に一人、二人と増え、現在4名の少女に囲まれている。
「雅美ちゃん来るって?」
 携帯電話で連絡を取っていた少女がそう告げた。
「飼えるって?」
「聞いてみるって」
 短い会話の末、どうやら有栖は他の公園に連れて行かれることになったらしい。どこだかは判らないが、違う場所に連れて行かれて今度こそ本当に帰れなくなってしまう。
 出されたミルクを粗方飲み終え、とりあえず口の回りを舐めると、有栖は脱出の機会を図った。餌をくれた少女達には悪いが、自分は普通の子猫ではなく人間なのだ。
 しかもいつ元に戻るか判らない上、戻った時は裸なのである。万が一にもこうしている間に元に戻ってしまったらとんでもない事になってしまう。それは夕べ火村からも言われて有栖自身よく判っていた。
「じゃあ、行こう」
 そう言って抱き上げられた途端有栖はその手をすり抜けるように走り出した。
「あ・・!」
 けれど、四方を囲まれているような状態である。すぐに違う少女の腕に捕らえられ有栖の逃亡はわずか数秒で終わった。
「結構すばしっこいね」
「うん。急に飛び出すと危ないからしっかり捕まえとかないとね」
 そう言って歩き始めた少女達から今は逃げる術はなく、有栖はその代わりに道を覚える事にした。元々、この辺りは学生時代にもよく通ったところなのだ。散策と称して疎水縁や、その向こうにも足を伸ばした事もある。
“・・・・・・”
 少女達は相変わらず楽しげに話しつづけていた。
 ユラユラと揺れる腕の中。少しだけ顔を覗かせて有栖はその道を眺める。その瞬間・・・。
 有線だろうか、古い、けれど最近聞いた覚えのある歌謡曲が有栖の耳に流れ込んできた。
 
魔法の鏡を持ってたら
あなたの暮らし映してみたい
もしもブルーにしていたなら
偶然そうに電話をするわ・・・・

 
“・・・これ・・”
 それは有栖でも知っている女性シンガーの古い歌だった。そう、その歌を自分はつい最近聞いたのだ。
 甦る記憶・・・
 
 
『ああこれ、この歌この歌』
『え?』
 作家仲間の朝井小夜子と喫茶店に入った時の事だ。店内に流れる歌に小夜子はいきなり声を上げた。
『これって確か、結構古い歌ですよね』
『うん、友達にファンの子が居ってな、いつだったかこの歌を聞いて、そんなに好きな男の全てを知りたいもんなのかな?って言い出したんよ』
『は?・・せやってこの歌、そういう歌と違いますよね』
 そう、今そのフレーズが流れている通りこの歌は別れた男に向けられている歌の筈だ。それが一体どうしてそんな話題になるのか
 
きょうもおんなじ夜空の下
あなたもきっと眠る時間ね
手帳につけた誕生日も
そっと遠くでお祝いするわ
こんなときにはどうしても
あなたに会いに行きたいけど
あれが最初で最後の本当の恋だから・・・・

 
『まぁ、ちょうど彼氏と別れたばっかり言うのもあったとは思うんやけど、付き合っていた頃もこんな風に思った事はなかったなんて言うもんやから、それは本当の恋やなかったんよ!って言うたんよ。もっともそれなら自分はそんな風に思った事はあるんかって聞かれたら、これがまたそこまで束縛、ある意味これって【束縛】やろ?そんな風に魔法の鏡を使って束縛したいと思うほどのもんはなかったな・・て』
 アイスティーの氷がグラスの中でカランと鳴った。
『まあ・・ある意味【束縛】言うたらそうなんやろうけど。でもこれは別れて会えないからせめて・・・って言う事でしょう?会えるなら会えばいいし、会いたいって言うたらいいと思うし』
『うーんそれはそうなんやけど。もしも、もしもやで?ほんまにそんなもんがあったらどないする?』
 小夜子の問いに有栖は一瞬考えるようにして次に小さく眉を寄せた。
『・・・・頭の中に【ストーカー】っていう文字が浮かぶんですけど』
『あんたなぁ・・!じゃあ質問を変えるわ。男の立場からするとこういう女はどう?』
『・・・・・別れたのに魔法の鏡を使って生活を覗こうとする女性ですか?』
『・・・・・そう言われるとなんや軽犯罪者みたいやわ』
『そういう朝井さんはどうなんですか?話題に取り上げたって事は何かネタを考えたんでしょう?』
『・・・ビンゴや。それ話した時ちょっと考えたんやけど結局うまくまとめられなくて、この歌聴いたら思い出したというわけよ』
  
あれが最初で最後の本当の恋だから
あれが最初で最後の本当の恋だから・・
 

 幾度も繰り返されるサビの歌詞。
『・・なぁ・・でもマジな話、本当に好きだったらこんな事考えるんやろか?相手の全てをこの手の中に入れておきたい。離れている時間すら見つめていたいと思うのかしらね?』
 ポツリと呟くような言葉だった。
『勿論個人によるとは思うんやけど・・』
 次いで小さく笑って付け足された言葉。
『・・・さぁ、それはどうだか判りませんけど。どうせ覗くんやったら手の届かない鏡やなくてなんか・・違うものになってそばにいる方がいいですよね』
『!なんやのそれ!いきなりファンタジー?犬とか猫とかになって?』
『!そうそう』
 ついにクスクスと笑い出した小夜子に有栖はもう一度口を開いた。
『けど・・』
『アリス?』
『けど、そんな恋は・・・最初で最後の恋なんて想い込める恋はしてみたいですよね』
 瞬間、頭の中に浮かんだ男の顔。
『・・・・あんた、ほんまに私よりずーっとロマンチックやわ』
 小夜子の赤く塗られた唇が、フワリと綺麗な笑みを作った・・・
 
 
“まさか・・・”
 ボソリと落ちた声はお喋りをしている少女達には聞こえなかったようだった。けれど呟いた有栖本人は愕然としていた。
 偶然とはいえ思い浮かんだものはそれしかない。
 まさかとは思うが、本当にそんな理由で自分はまたしても猫になってしまったというのか。
(・・嘘やろ・・?) 
 胸の中で思わずそう呟いたが、では何か他に・・と言われれば確かに他に思い当たるものはない。 けれど、でも、この時のこの話はこれで終わりだったのだ。有栖自身それが特別に記憶の中に残っていたという事はなく、正直に言って、今の今まで綺麗さっぱり忘れていた。この5日間いくら考えても思い浮かばなかったのがその証拠だと言ってもいい。
 だが、記憶というものは妙なもので、忘れていると思っていた事でもふとした時に何の脈絡もなく思い出す事があるのだ。
 小夜子とのやりとりは約半月前。
 彼女の〆切が明け、大阪の方に買い物に来たと言ってお茶くらい付き合えと呼び出された。
 そうして交わされたこの会話は、彼女との話のほんの一部分にしかすぎない。
 それでもこの時のこの話に絡めて思い出せば、ぼんやりと浮かんでくるものがある。
 そう言えば猫になってしまう前夜、そんな事をふと考えた・・かもしれない。
 そう・・・ナイターを見ながらビールを3本空けて、ほろ酔い気分だったので、思い出した・・・といってもそれ自体がひどく曖昧なのだが、何となく・・・タイガースの攻撃で4番打者がレフトフライに倒れたあたり、何の脈絡もなく、そう言えばこのところ連絡がないなと思ったような気がする。
 そうしてその時に魔が差したように(この言い方はおかしいと思うのだが・・)小夜子との話を思い出してこんな時にああいう鏡があればいいのか・・とか、おかしな事見たらからかってやるのに・・とか、でもやっぱり見たら会いたくなるとか・・それやったらやっぱり猫にでもなって一緒にいた方が楽しいとか、そんな埒もない、今思い出すと赤面ものの事を考えたのではなかったか!?
(・・そうや・・その後、逆転されて、頭にきて、更に逆転して、嬉しくなってもう一本ビールを飲んで・・・それでえらく気分よく原稿したからマジで忘れとった・・)
 思い出した記憶に呆然となり、有栖は少女の腕の中で思わず固まってしまった。
(ほんまに、ほんまに、ほんまに!!そんな酔っ払いの戯言みたいな事で猫になったんか!?)
 というよりも、ちょっと考えたくらいでこんな風になるなんて、やっぱり自分はおかしいのかもしれない。
(・・・・・・そしたらちょっと何か考えたらまたこんな風になってしまうんやろか?)
 だが落ち着いて考えると、過去にだってこんな風に、もしも・・・と考えた事があったが、その度に火村が言ったように『変身』をした事はない。だとしたら、今回こうなってしまった事は何なのか?今までと今回とどんな違いがあったというのだろう?
 もしも・・・そうもしも、その違いが【思い】というものだとしたら・・。
(・・俺・・2週間くらい会わなかっただけでそんなに会いたいと思っていたんやろか・・?)
 会いに行こうではなく、猫になってそばにいたいと思うくらい・・・?
“〇!×▲※★∞!!!”
 自分の考えに思わずビクリと身体を震わせると、有栖を抱きかかえていた少女が驚いた声を上げた。
「!何!」
「どないしたん?」
「この子今ビクビクしてた」
「えー、病気?」
「やだ、ウソ!」
 覗きこんでくる8つの瞳。その途端。
「あ、雅美ちゃんや」
 上げられたその声に視線が外され、有栖はホッと行きをついた。
 どうやら考えているうちに目的地に到着してしまったらしい。
 ここは一体どこなのか。途中から道を見ることも忘れてしまったのではっきりとは判らないのだが、先刻の会話の通り学校らしいその場所で、4人の少女達は新たな少女を加え再びお喋りを始めた。 「うわー・・可愛い。この子が捨てられてたの?」
「うん、来る途中の生垣の下にな、こう丸まって。多恵ちゃんと見つけたの」
「ふーん・・」
「それで、雅美ちゃん家、飼えるって?」
「それが・・ママが野良猫は何の病気を持っているか判らないからダメって」
「病気・・・」
 再び向けられた10の瞳。
「・・・・さっき、ちょっとビクビクってしてたよね」
「・・・それになんか元気なくなってる気ぃしない?」
「・・・・・・眠くなってるんやない?」
「・・そうかな・・」
 言いながら有栖はゆっくりと地面に下ろされた。
「けど、ほんまに病気やったらどないする?」
「医者に連れて行ってもお金なんてあれへんよ?」
「うん・・・・」
「どないしよう・・」
 先ほどの騒がしさはどこにいってしまったのか。
 シンと静まり返ってしまった少女達。やがて、その中の一人がおずおずと口を開いた。
「・・・・誰かに拾ってもらえるように箱とかの中に入れて、エサとかも入れて置いてあげて、拾ってくださいってしておこうか」
 その提案に少女達は一様にホッとした顔をして賛成をした。拾ってきてやはり飼えないと放り出してしまう罪悪感はそうする事によって消えるのだろう。
 自分の事だというのにどこか他人事のようにそんな風に考えながら有栖はとりあえず彼女達のやりたいようにさせる事にした。今逃げ出せばまたすぐに捕まってしまう。
 捨てると言うならばそれはもう有難く捨てられて、とにかく火村のところに帰らなければならない。
 恐らくもう家主は帰ってきているだろう。そうして有栖がいなくなった事に気づいて痛む足で探しているかもしれない。
 足の具合はどうだっただろうか。
 捻挫くらいですんでいればいいが、ここで無茶をして悪くしてしまったらそれこそ申し訳ない。
 再び抱きかかえられ近くの公園に移動すると5人の少女達はどこかから持ってきた小さめのダンボールに「ごめんね飼ってあげられないで」とハンカチを敷き、その上に有栖と、先刻の余ったミルクを入れたアイスのカップの容器を置いて帰っていった。
 最初に有栖を抱き上げた少女が、もう一度振り返って戻ってくると「明日も見に来るから」と言って頭を撫でた。
 ゆっくりと傾き始める日。
 ひどく眩しい西日の中、やがて見えなくなった後姿に有栖はダンボールをひっくり返して外に這い出した。
 ここでぼんやりとしていて本当に誰かに拾われてしまったら元も子もない。
“とりあえず・・脱出。後は帰るだけなんやけど・・”
 グルリと見まわした公園は見覚えのない所だった。
 だが、子どもの足で来られる所なのだ。どうにか見覚えのある場所に出さえすれば帰る事はできるだろう。
 そう考えて有栖はゆっくりと歩き出した。
 だがその途端どこからか「あ、猫だ」と言う声が聞こえて有栖は慌てて声とは反対の植え込みの中に飛び込んだ。
“・・あかん、ホテホテ歩いとったらまた誰かに捕まる”
 それだけはなんとしても避けなければならない。
“・・・・日が沈むのを待とう”
 とにかく確実に帰る為に夜になり、人通りが少なくなってきてから行動を起こそう。
 思いながら有栖は植え込みの奥に移動し、小さな隙間にその身体を押し込めてハァと息をついた。
 顔に葉が当たるがそんな事は構ってはいられない。
 聞こえてくる子どもの声。懐かしいチャイムの音。
『・・早く戻れるといいな』
 不意に火村の言葉が耳の奥に甦った。
 こんな馬鹿みたいな事が理由で猫になったしまったと言ったら、彼はどう思うだろうか。
 怒るだろうか?呆れるだろうか?
(・・大体・・そんなに淋しいなんて思った覚えはないんやけどな・・)
 だが、しかし、現実はこうである。
 淋しいと思わなくてもどうしているか考えた事は考えた。記憶を辿れば酔っ払いの戯れ事とはいえ、確かに猫になりたいとも思った。               
『お前の声を忘れちまいそうだぜ?』
 そうしてまたしても甦る言葉。
 一体どう言う気持ちで火村はそれを言ったのか。
 朝から・・・・正確に言えば言われた後から考えていた事を有栖はゆっくりと思い出しながら、有栖は何となくその理由に思い当たった気がした。
 猫になってしまったらしい理由が判った今になってわかる・・・ような気がするそのわけ。
 そう・・・多分、追い詰めてしまうと判っていた言葉を口にしてしまう程火村も考えていたのだ。
 なぜ有栖が猫になってしまったのか。
 有栖自身も何度も何度も考えて、その度に確認した自分の気持ち。
 要するに、今の関係をどう思っているか…という事だ。
 今の関係、つまり『抱かれる』という行為が、前の時のようにきっかけになっているのではないか。有栖が考えたように火村もまた、考えたに違いない。
 有栖にしてみればもしかして・・と自分に問い返し、その度に、好きだと言われた勢いで自分もそうなのだと勘違いをする程馬鹿ではないし、好きでもない人間と何度も寝る趣味もない。ましてそれが『抱かれる』という行為であれば尚の事、火村以外の人間と・・なんて考えるの嫌だと改めて思ったのだが、火村からすれば有栖の気持ちが全て判る筈はない。
 それは違う人間である限りは仕方のない事だ。
 だからあの時、子猫の有栖に告白したように、そんな不安や猜疑心を抱え込んでしまう事だってないとは限らない。
『お前の声を忘れちまいそうだぜ?』
 頭の中で繰り返された言葉。
“・・・・・・”
 だとしたら、一刻も早くその誤解を解かなければいけないと有栖は思った。
 今の関係を不安に思ったり疑問に思うどころか、どうやら自分は歌にある『魔法の鏡』ではなく、猫になってその動向を見たい等と酔って考えてしまう程好きらしい。
 そう告げたらあの男はどんな顔をするのだろう。
 もっとも、その事はやはり告げずにおいた方が身の為だと思う自分もいるのだが・・・。
“・・火村・・”
 浮かんでくるニヤリと笑う顔。
 とても・・・今すぐにでも火村に会いたいと有栖は思った。
 会って、いきなり「好きだ」と飛びつこう。
 赤く染まり始めた空。
 そろそろ彼は仕事を終えただろうか。それとも研究室で資料に埋もれるようにしながらキャメルをふかしているのだろうか。
 そして・・夜になって帰ってきて、有栖がいなくなった事を知ったら心配するだろうか。
“・・ごめんな。・・頑張ってちゃんと帰るから”
 猫になった理由が判っても人間に戻れるとは限らない。
 第一本当にこれがその理由なのかも判らない。
 けれど元に戻れたらとりあえず火村に尋ねてみるのだ。
 もしかして猫になってしまった理由をこの関係にあると思ったかと。
 そうして先刻有栖が考えた事が当たっていたとしたら見損なうなと言った後に、こんな騒ぎに巻き込んでしまったお詫びとして、猫になった(らしい)理由と共に、猫よりも人間として隣にいる方がいいと思ったと、事件の事も、何を考えているのか問えない存在よりも、何より落ち込んでいる恋人を励ます術も持てないのはひどく、ひどく辛いかったと言ってみよう。
“・・・・・ああ、そうや・・”
 言いながら落ちた欠伸。
 それから小夜子にも言わなくてはいけない。
 シパシパとする目で有栖は更に思う。
 別れた相手でも、付き合っている相手でも、きっと同じだと。
 魔法の鏡があったとして、それを見れば多分余計に会いたくなるし、声を聞きたくなるに違いない。けれどそれはそばにいられる猫だとしても、話をできずにもどかしくなるのだ。だから多分そんなものはない方がいいし、起こらないほうがいいに決まっていると。
 それに知らない時間がある方が次に会った時にそれを埋める楽しみもあるのではないか。
 そう言ったら彼女は何て言うだろう。この前の時と同様にロマンチストだと笑うだろうか。
 低いドウダンツツジの植え込みの下で、有栖はそんな事を考えながら襲ってきた睡魔にゆっくりと目を閉じた。
 
 

 

 そうしてどれくらい経ってからか、ゴロゴロと鳴り出した雷とさほど時を置かずにものすごい勢いで降り出した雨に、有栖は遅い午睡から叩き起こされた・・・・
 


アリス自分の考えに呆然・・・・・
それにしても女の子は小さくてもお喋り好き(^_^;)