Magicalmirror or Kitten!! 13

   

「・・・あ・・や・・もぅ・・」
 抑えても漏れ落ちる甘い声。
「・・畳の上・・痛い・・やっぱ・あっち・・行こ・・?」
「一回終わったらな」
「!・・っ・ん・・くぅ・・ん」
 半月ぶり・・否、それ以上だと言うのに性急に繋がれてしまった身体はひどく苦しくて痛い。
「・・待っ・・まだ・・動かん・とい・」
「待てるか、馬鹿」
「あ・!あああ!!」
 結局説明らしい説明もしないで雪崩れ込んでしまった行為。けれど、今はこうする事が一番なのだと言う気持ちはお互い様で、緩く腰を動かし始めた男を受け止めようと有栖はその背中に腕を回して腰の辺りに膝を摺り寄せた。
「・・きついか?」
「・・・当たり前や・・っ・」
「悪い・・」
「ん・・あ・謝るくらいなら・・あ・っ・・ん!」
「誘われたから抑えが効かない」
 あがった顎に落とされた口付け。それはすぐに唇に移動して、苦しい、けれど甘い口付けに変わる。
「・・ん・ん・あ・・ひむ・・らぁ・・」
 忙しなく落ちる喘ぎ声。
 グイと奥を突かれてヒクリと喉が引き攣る。
「・・・アリス・・」
 耳元で囁く声。
「・・い・・ゃ・・あ・・もう・・イク・・」
「・・イっちまえよ」
「・・ん・・あ・あ・あ・・」
 ガクガクと震え出す身体。
 それを煽るかのよう激しくなる律動に悲しくもないのに涙が零れた。
「・・・ふ・・ぅ・・」
「・・・まだきついか?」
「・・・は・・ぁ・・」
「アリス・・」
「!!・ああ・・!」
 ギリギリまで引き抜かれ、すぐさま突きたてられた熱。 そのまま奥を突かれて高い声を上げると、熱くなっている自身からトロリとした白濁が溢れて、繋がった部分へと流れていく。
「・・・・ひむ・・らぁ・・」
 ドロリと身体が溶けていくような気がした。
 突き立てられて、揺さぶられて、これ以上そばにいけないほど近くで熱を分け合って、一つになる。
「・・好き・・」
「・・アリス?」
 口をついて落ちた言葉だった。
「・・・・好き・や・・」
「・・・・・」
「・・・・ほんまに・・・好き・・」
「・・・・っ・・!」
 その途端、唇を塞がれるようにして重ねられた口付けに舌を絡ませて、お互いの身体を掻き抱いた。
 角度が変わって当たった熱にかぶりを振るとそれがまた新たな刺激になる。
「・・・・ん・・ぁ・・!」
「・・・く・・っ・」
「・・あぁ!!」
 腹の間でこすられた有栖自身とほぼ同時に奥で火村が弾けたのが判った。
「・・・・・・・てめぇ・・やりやがったな・・」
 まだ荒い息の中、そう言って顔を上げた火村に、同じく息を弾ませながら有栖はフワリと笑った。
 そんなつもりはなかったのだが、結果としては・・促した・・というか、搾り取ってしまった・・というか・・言い方は違う気もするがイカせてしまった・・というか・・そうなのだろう。
 けれど、でも・・・。
「・・・眠い・・」
 無意識に下りてくる瞼。
 本当に、本当に、誘ったのは有栖だったし、欲しかったのも事実だったし、早く終わらせてしまおう等と言う気持ちもなかったのだが、身体は限界のようだった。
「・・・・ごめ・・ほんまに・・も・・」
「ふざけるな、このまま眠らせるか」
「・・・・っ・・」
 そう言ってズルリと自身を引き抜くと火村はそのまま有栖の身体を抱き上げた。
「!火村?」
 そうして先ほど言った通りに、寝室に向かってズカズカと歩き出す。
「約束通りあっちで仕切り直しだ。なんたって久しぶりだし、セックスが嫌じゃないって教えて戴いたしな。猫の時に引っ掻いたところや噛みついたところを色々舐めてくれただろう?ついでにその礼も兼ねて今度は俺が舐めてやるよ」             
「!!!!サイテーや!」
 半分閉まっていた襖を行儀悪く足で開けて、半分に折り畳んであっただけの布団をこれまた器用に足でバサリと広げると火村はニヤリと笑った。
「それでも好きなんだろう?」
 下ろされた身体。
「・・・・・考え直させてもらう」
「その暇を与える気はないな」
 言いながら落とされた、言葉とは裏腹の触れるだけの口付け。
「好きだぜ、アリス」
「!」
 これはとんでもない切り札だ。
 さすがに片足が入りかけていた夢の世界から引き戻されて有栖は赤くなってしまった顔で目の前の顔を睨んだ。
「・・・・・今度アホな事考えたらぶっ飛ばす」
「お前も歌ぐらいで猫にならないようにしろよ」
 勿論それに言い返せる言葉はなく、有栖は重なってきた身体をムッとして・・・抱きしめた。


えーっと・・・・・
まぁ・・・・割れ鍋に〜って感じ???