哀惜の 5月 中旬 編



5月10日(月) 待つのも大変

          この疑似GW明けは誠に授業が辛い。先週の木曜金曜が球技大会だったため、まるまる
          1週間振りぐらいの授業。生徒もあくびの連発である。こちらまでつられそうになる。
          そんなのほほんティーチャーであるが、今日は少し怒ってしまった。それは何かというと
          清掃のことである。

          6時間目が終わると清掃があって、先生は当然のごとく監督しなければいけないのだが
          (これも先生の仕事かぁ?)ふだん家でも自分の部屋もまともに掃除しないヤツが、学校で
          一生懸命掃除するというのもありそうでないことではあるが、それでも毎年ぐずぐすし
          ながらも掃除はやっていた。だいたいにおおざっぱな私だから、てきとーに掃除させて
          さっさと終わる、ある意味とてもいい掃除監督の先生なのだが、今年に限りちょっと様子が
          違っていた。

          今年の私の掃除監督場所は物理講義室と、特別棟4F廊下で、担当はとある1年生のクラス
          なのだが、これがよーくさぼるのだ!まぁ例年一人二人時々さぼるやつがいるが、それでも
          おおむね、注意をすればちゃんと来るし、それなりにやる。ところが今年の担当のクラスは
          初めっから集まりが悪い。それがだんだんエスカレートして、今日なんかとうとう8人中、
          男子が3人しか来なかった!最近男子はけっこう真面目でよく掃除するが、女子は全然しない。
          男子4人女子4人の計8人なのに、先週と引き続き男子しか来なかった。それで頭に来た。
          真面目な子だけが掃除をして、さぼっているヤツが得をするのは許せない。最初が肝心だ!
          ということで男子に伝言を頼む。「さぼっている女子、すぐ来い!来るまで待ってる!
          いつまででも待っているぞ!さぼって帰ったら自宅にまで電話するぞ!」と。何もこんなに
          までしなくてもいいのだが、それはそこ仕事ですから(笑)さっさと自分で片づけた方が
          手間がかからないのだが、世の中真面目なヤツが損をするということをただ野放しにしては
          いけない。さぼった方が勝ちというのはやはり許せない。

          そんなわけで帰りのSHRが過ぎても、延々待ちましたよ。(15分)でもちゃんと来ました。
          ちょっと怒ってこれからさぼることがないように注意しました。こういう「待ち」の教育って
          柄じゃないんですけどねぇ...。


5月11日(火) 教員に必要な資質

          6限目に全校集会があった。だいたい全校集会というのは何やら校長の話があったり、行事
          がらみの連絡(生徒会からの文化祭や体育祭について等)であったり、はたまた大事件が
          あったりした時に(^^;)行われることが多い。今日の全校集会は、スクールカウンセラーの
          先生からのお話(うちでは常設して生徒の心のケアにつとめている!)と、生徒指導部長からの
          お話でした。予定では二人あわせて20分ぐらいだったのですが、結局終わってみれば35分。
          どうもお話が長いようで(笑)

          それもどうも聞いていると、同じ話を繰り返し繰り返し語っている。ありがたいお話の
          ループ現象である。なかなか終わらずいい加減(笑)眠くなってくる。よくあるでしょ?
          披露宴の祝辞とか。長いだけで中身がないのが。今回の話も、とても大切なためになる話
          なんだけど、ちょっとくどいかな?って気がした。まとめて話せば5分で終わるのに...
          なんて不謹慎なことを考えてしまいました。いけませんねぇー(>私)そしてやっと全校集会が
          終わり、体育館から戻る途中I先生が話しかけてきた。

            「いやー、うまい話だったねぇーO−TEACHER。」
            「えー!?そうでしたか?何か失礼ですけど、同じ事繰り返していて眠くなっちゃって・・」
            「いや、いい話し方だったよ。教員としてあるべき姿だったなぁ。」
            「はぁ...」
            「ああいう話し方は教員にとっては必要なことだよ。」
            「そうですか?けっこう間延びしていたような...」
            「そこだよ!大事なところは!」
            「はっ?」
            「どうでもいいことを長々と喋れること!これだよ、教員にとって大事な資質は!」


5月12日(水) 入室のマナー

          昼休みのことである。国語科準備室で次の授業の準備をしていた。するといきなりドアが
          ガラガラと開いて生徒が入ってきた。ん?と思って振り向くと「いねーや。」と一言残し
          ドアを閉めて帰ってしまった。多分誰か他の先生に用があってきたのだろうが、それにしても
          失礼すぎる!ノックもなしにいきなり入ってきて、誰に何の用かも告げずさっさと帰っていく。
          普通「失礼します。○年△組の××ですけど、□□の用で来ました。O−TEACHER
          いらっしゃいますか?」とか言って入ってくるのが礼儀だろう!当然出ていくときも
          「失礼しました。」ぐらい言うのが普通じゃないか?こういうマナーの悪さが目立つやつが最近
          多い。こういう礼儀とか躾とかを教えられていないのだろうか?よく傍若無人な若者という姿が
          クローズアップされることが多いが、こういう輩が増えて不愉快な思いをすることが多い。
          高校生になっても、いや高校生だからこそ社会人的なルールを教えねばならない。そうでないと
          ろくな社会人にならない。他人との接し方や挨拶、それぐらいちゃんと出来ねば一人前の大人と
          呼べない!まずは入室のマナーからだ!そう思い再びドアに背を向けて仕事をしていた。

          するとそのすぐ後にまた背後でガラガラとドアを開ける音。そして「O−TEACHER・・・」
          と呼びかけてきた。よし今度こそと思い、振り向きもせず、

           「失礼しますは!!入室するときには
        ちゃんとクラス、名前と用件を言う!」


           「あの...教頭だけど出張の復命書を持ってきたんだけど...」


5月13日(木) 嘘に決まってるだろ・・・

        今日は色々と行事があった。歯科検診・学年集会(校外学習の説明)・生徒総会、おまけに
        放課後に職員会議と、もうぐったりです。たまたま授業をやるクラスが歯科検診にあたって
        いたので、内心『しめしめ、これで授業が20分ぐらいつぶれる。ひっひっひっ。』と
        思っていた。しかし悪いことは出来ないもので、予定よりも検診が早く進んでいたらしく
        ゆっくり授業をやっていても、なかなか歯科検診の呼び出しが来ない。順番が来たら呼び出しが
        来て、授業を一時中断して保健室に引率するという段取りなのだ。『おかしいなぁ?』と思いつつ
        スローペースで授業をやっている時はたと気づいた。「もしかしてお前たち、もう歯科検診やった?」
        「はい。」「.....」早く言えよ。

        そんなわけでいきなりやる気が失せてしまった(いつものことだけど(^^;))そこで授業の合間に
        歯の大切さの話をした。虫歯は辛いという話。今でも本当に苦手なのだが、あの歯を削るカッター(?)
        のキィーンという音。そしてあのえもいわれぬ激痛。以前近くにあった歯医者で痛くないと言う評判の
        歯医者があった。そこの先生は優しく「痛かったら『痛い』って言って下さい。すぐその場で
        止めますから。」と言ってくれた。実際削り始めるとやっぱりすごく痛い。でも削られると当然口を
        開けているわけだから「あ・・・か・・・い(「痛い」)」となって全然通じない。痛みをこらえ
        グブグブしながら「すいません。削られているときは『痛い。』って言えないんですけど。」
        「それじゃあ、痛かったら右手を軽く挙げて下さい。それならわかりますから。」再び削り始めると
        また激痛!すかさず右手を挙げると、近くにいた看護婦さん(?)が近寄ってきて「はい、動かないで!
        動くと危ないですよ。」と言って右手を押さえてしまった。(笑)おいおい。

        そんな話をしつつ、生徒には

         「煙草吸っているヤツは、いくら歯を磨いても裏側にヤニがたまっているから、すぐわかるぞ。
          歯医者の先生が歯の検査をしながら言っていた『C1』とかはなぁ、煙草を吸っていてヤニが
          たまっている状態を言っているんだ。ちなみにC1って言うのは、ややたまっている状態だ。
          これがC2、C3とかだとすごーくたまっているって事だ。(本当は虫歯の浸潤の度合い)
          だからこの歯科検診で煙草を吸っているやつはぜーんぶわかっちゃうぞー!」

         「えーーーっ!?」

        嘘に決まっているだろっつーの。


5月14日(金) 駐車場のライン引き

        部署が変われば仕事も180度変わる。今年から総務部の私は明日のPTA総会を前に大わらわ
        だった。ある意味、PTA総会というのは、総務部にとって一年の仕事のうちのベスト3に入る
        ピックイベントで、その準備たるやすごいものがある。うちの場合、明日午後1時からPTA総会、
        その後学年懇談会、クラス懇談会と3連発で一気に開催されるのだ。そのためPTA総会資料作り
        (全保護者分)だけでなく、学年懇談会資料作りなど様々な仕事がある。会場の設営、
        PTA理事への段取りの連絡等々。目の回る忙しさだった。でもその中で主に割り振られた私の
        仕事は、体力関係だった(笑)PTA総会の様子を写真で記録しておくことと、駐車場係...
        沢山の父兄が車で来校するので駐車場を確保することなのだ。うちの学校は意外と敷地が多くて
        (田舎なもんで)駐車スペースはたくさんある。でもそれを効率よく配車するために、今日の放課後、
        ラインカーで区切りをつける作業をした。

        各学年から助っ人を頼み、車を有効に停められるように体育倉庫からラインカー(石灰を使って
        白線を引くやつ)を持ち出した。実は私、この白線引き得意なんです(笑)昔、よく体育祭などで
        手伝ってたもんで。そして前任者の細かい指示を受け、ライン引きをした。「横幅は歩測4歩、縦幅は
        6、7歩。これでちょうど一台置けます。」へぇー。「ここはこういうふうに引くと、5台置けます。
        元の通り引くと3台しか置けないですが。」ほほー。「そしてこのスペースはこういうふうに区切ると
        軽自動車なら1台いけます。なお、ここは斜めに(車を)置くと、ちょうどすれ違えますから、途中で
        帰る方もスムーズにいけます。」ふうーん。いや、ところ変われば仕事も変わる。ありとあらゆる
        ところに、マニュアルがあるのね。今まで他の部署にいたときは気が付きもしなかったけど、そう
        いえば、こういう時にわざわざラインを引いていたのはこのためだったのか...納得。勉強に
        なりましたよ。

        なわけで、その指示通りラインを引いて、小1時間で無事終了。これで明日うまく誘導すれば
        バッチリだ。

         「でもO−TEACHER、父兄のおばちゃんたち、駐車が下手でこのライン通り停めてくれ
          ないんですよ。平気で区切りとか無視しちゃって停めちゃいますから。だからあまり意味
          ないんですけどね。」

        おいおい。


5月15日(土) 恐怖のクラス懇談会

        PTA総会だ!午後の1時からだー!そんなわけで車で来校する保護者のために駐車場係がいる
        のだー!(ってなに怒ってるんだ>俺)だって本当に大変だったんだもん。普通、保護者会とか
        面談とか、どの学校も駐車スペースがないからみんな徒歩で来るけど、うちの場合、田舎&敷地が
        広いから続々車で来る。本日の成果推定80台強。それもみんな全然誘導に従ってくれないので
        けっこう大変!おまけに昨日あんなに苦労して引いた線通り停まってくれないし...交通整理の
        おじさん並みに誘導しまくり。教員も本当に色々しなければならないのね。おばさまたちは
        車庫入れが今ひとつの方も多く、マジ困りました。でも唯一良かったのはPTA総会に出なくて
        良かったこと(笑)

        それでも学年懇談会には出ましたよ。色々な学校の様子や現在の状況など多岐に渡って
        話しました。なかなか教育熱心な親が増え、進路や学校生活に関する質問も多く出て、
        活発な懇談会でした。

        そういえば以前担任していたときの学年懇談会の秘話がある。その時の学年懇談会で、
        とある保護者から意見が出た。「うちの子が言うには、とある先生が『大学なんか無理だ。』と
        おっしゃったそうです。そういう子供のやる気をそぐような発言をされる先生がいて大変残念
        です。」とかなりきつい口調で発言した。その時は大変びびった。身に覚えがあるもので。
        学年主任が一生懸命フォローを入れてくれて事なきを得たが、そんな不謹慎な発言をするのは、
        口が軽い私か社会科のもう一人のO先生ぐらい。でも言い訳させてもらうとこの発言は正確では
        ない。私が言ったのは「(このまま勉強しないと)大学なんか無理だ。」です。生徒の発憤を
        促すための言葉なのです。それを最初の方を省略して親に伝えられると、そりゃあまぁ誤解され
        ますわなぁ。そんなわけでちょっとびびっていたのです。そしてその後はクラス懇談会。あの
        糾弾した保護者はいったい誰のクラスの親だろう...と先生方は戦々恐々していたのです。
        社会科のO先生は「多分、うちのクラスじゃないかなぁ・・・」とびびっていたら、なんと!
        私のクラスへ入っていったのです!これにゃあ、参りました。『あーあ、やっぱり不謹慎発言を
        したのは俺かぁ...クラス懇談会でも糾弾されるのかなぁ...』とすごくブルーに
        なって教室へ向かいました。ところがうってかわって和やかな雰囲気。そんな教員を
        責めるわけではなく是非これからも子どもたちをびしびしやって欲しいとのこと...あらら。
        そんなわけでクラス懇談会は盛り上がってかなり時間を超過していった。すると急に校内放送。
        「O−TEACHER、電話が入っています。至急学年室までおいで下さい。」すると
        父兄たちも、じゃあこの辺でということになってお開きになった。急いで学年室に戻ってみると
        他の先生達が笑っている。あれ?電話は?....実はさっきの件で私が父兄につるし上げを
        食っていて、だからなかなかクラス懇談会から戻ってこられないのだろうと、他の先生達が
        気を利かせて、嘘の校内放送を流したのだ!べつに大丈夫だったのに(笑)

        とまぁ、こんな思い出があったのです。でもこういう機会でないとなかなか顔をあわす機会が
        ないので、生徒の性格や日常生活を把握する上で、とても良い機会なのだ。みなさん、
        是非学校へ行こう!先生に会おう!


5月17日(月) 立ち上げ係もしくは「のらコンピューター師」

        土曜日にPTA総会等があったので、半日の代休ということで今日は午前中で終わり。こういう時
        ばかりは公務員で良かった(笑)でも仕事がないわけではないので、まだまだ遊べない。来週から
        中間テストなのでそろそろ問題を作らなければならない。生徒も授業のまとめのプリントが欲しい
        とか言ってるし、早めにテストを作って他の担当者と問題の打ち合わせをしなければいけないし、
        半日勤務といってもぼーっとしていられない。

        何度も書くが今年から部署が変わったため、今は国語科準備室というところに普段生息している。
        ところがここはコンピューターがない。今までは教務室にあったので、ほとんど私有化して(笑)
        使っていたのだが、漢字小テストのプリントひとつ作るにも、4階の国語科準備室から2階の
        教務室へ降りていかなければならない。おまけに、当然教務室のコンピューターだから、教務の
        仕事があるといわれればどかなければならない。そんなわけで今年の私は、空いている
        コンピューターを探して、よく校内の準備室を放浪している。確かに所属している総務部に
        コンピューターがないわけではないが、私にとっての天敵のWindows3.1なため、(詳しくは
        3時間目 数学 を参照)昨年度作った文書・資料が使えないのだ。そこでWindows95を求めて
        あちこちを渡り歩いている。(渡りコンピューター師!)

        今日も中間テストの国語の問題を作ろうと、まず教務室へ行った。ラッキー!空いている!そして
        電源を入れてフロッピィを差し込んだところで、「O−TEACHER、悪いけどいいかな?
        急ぎで教務の資料作らなきゃいけないんだけど...」もちろんいいわけはないが、間借りの
        身ですから「どうぞ、どうぞ、私は急ぎじゃないですから、ハハッ。」と素直に譲った。仕方ない、
        進路指導室に行くか...ここでも長い起動時間を待って3文字ぐらい打ち始めたら「すいませーん、
        ちょっとコンピューター使いたいんですけど...」そりゃあ、進路室のコンピューターですから
        進路の仕事が優先です。はい、どうぞ。保存するほど打ってません。と素早くフロッピィを抜く私。
        仕方ない、ちょっと遠いけど××準備室へ行くか、あそこの先生達は誰も使えないはずだから、
        宝の持ち腐れだし...。ところが行ってみると何と使っている!「ちょうどいいとこに来た!
        O−TEACHER、初めてコンピューターに触ってみたんだけど、よくわからないんだけど
        ここのところどうやるの?」いや、私は急ぎの仕事があって...とも言えずしばらく教えて
        しまいました。そして何とか逃げ出して来ました。やれやれ、コンピューター室でやるか、
        あそこなら絶対大丈夫だ。だって42台もあるし。てなわけでコンピューター室で長い長い長い
        サーバーをやっと立ち上げた。本当にサーバーの立ち上げって長いっすよね?8分ぐらいゆうに
        かかるんじゃないですか?よしやっと仕事が出来る!と思っていると...「O−TEACHER、
        次の時間コンピューター室、授業で使うよ。次の授業まであと10分ぐらいだけど大丈夫?

        どうやら今日はコンピューターに嫌われているらしい。本日はあちこちのコンピューターを
        起動しまくっただけで終わってしまいました(笑)さすらいの「のらコンピューター師」の
        放浪はまだ続く。


5月18日(火) まず自分を疑え!

        漢字小テストがない。あれ?確か学年室に置いておいたはずだが...見あたらない。どこへ
        行った?こう書くと私がだらしないみたいだが、そんなことはない。こういうことは滅多に
        ないのだ。先生によっては整理整頓という字が見事なくらい辞書から欠落している人もいて、
        机はプリントの山、ロッカーはまるでゴミ置き場..という人も多い(6限 芸術 参照)
        だからそういう人は紛失し慣れている(笑)平気で生徒から回収したプリントとか、配布し
        なければいけない書類とかをなくす。これで別に大騒ぎにならないから学校って不思議だ。
        せいぜい生徒の通知票をパチンコ屋の駐車場で盗難されたときぐらいだろう(苦笑)だから
        そういうアバウトな性格の先生は、当然同僚も生徒も周知のこと。「ごめーん、プリント
        ないわー。」と言っても「仕方ないなぁ。今度から気を付けて下さい。」で済んでしまう。
        だからいつまでたっても紛失癖というか片付け下手が治らない。生徒も了解している。

        ところが私なんか、いちおう根が几帳面な方だから、整理整頓(ってほど綺麗ではないが)
        していてあまり、何かが見あたらないということもない。ましてや大事な文書やプリントを
        なくしてしまったということは皆無に等しい。だから逆に生徒も厳しい。H先生がなくしても
        「仕方ねぇーなぁ。」で済むが、私がなくすと、それこそ「ひどーい!」の大合唱になる。
        なんか納得がいかない。とか考えつつも、必死に探した。でもない。

        ここで記憶を頼りに漢字小テストの行方を考えてみた。たしか...先週の木曜日に授業中に
        6組で実施した。そしてその後回収して....クリップでとめて....それからどうした?
        確か学習係に採点の指示を出した....そうだ!確かに言った!そうか、学習係に放課後
        学年室で採点するように言ったのだ!そしてそのまま採点し終わったら、学年室に置いておけと
        言ったのだ!良かったー!思い出した。....ところが学年室をいくら探してもない。うーん、
        おかしい。持っていった記憶はない。ははーん、学習係のあいつら、持っていったな!
        面倒くさいから、どこか他のところへ持っていって採点して、そこへ忘れてきたのだろう。
        我ながら名推理!学習係を捕まえればわかるはずだ。ふっふっふっ、漢字小テストよ、
        追いつめたぞ。でもよく考えてみても学習係の生徒は真面目でそんな感じには見えない奴らだし
        うーん?やっぱり私が預かってどこかへ置き忘れてきたか?生徒を疑うときは、たいがい教員が
        間違っていると相場が決まっているしなぁ...生徒を疑うより自分を疑え!これが鉄則だ。
        でもいくら自分の机を探しても見つからない。やっぱり私じゃないのかなぁと思っていたところ、

        見つけた。灯台もと暗し。隣の先生の机の上にあった。学習係には採点し終わったらそのまま
        学年室に置いておいていいと言ったのに、彼らは気を利かせてわざわざ国語科準備室の私の
        机まで持ってきてくれたのだ。でも私の机がわからなくて、間違って隣の先生の机に置いたのだ。
        やれやれ。気が利くけど使えない(笑)でも私がなくしたんじゃなくて良かった(笑)


5月19日(水) ノートは提出するな!

        もうすぐ中間テストである。こちらとしては当然テストを作らなければならないし、成績を処理
        するためのファイル(Excel)を作ったりと、やることがたくさんある。昔ならあまり勉強をしない
        生徒に対していろいろ補習したり、テスト対策のためのプリントを作ったり、はたまた保険のために
        ノート提出を強要していた。テストで点が取れなくて最後、進級や卒業が出来なくなりそうなヤツを
        救うための材料として、ノート提出やプリントを提出させて、平常点を稼ぐためなのだ(何で
        こっちがこんなに気を使うんだ?)それで卒業していったやつの何と多いことか!

        ところが今年は全然様相が違う。生徒も(比較的)真面目に勉強しているし、漢字の小テスト
        なんかもよくやっているし、『今年は別にノート提出はいいか?保険として取っておく必要も
        なさそうだし...』と考えていた。ところがいきなり「先生、ノート提出はいつまでですか?」と
        質問する生徒がいた。「いや、今年は別に提出しなくてもいいけど...」「でも出せば少しは点数が
        アップしますよね?」「まぁ、そうだなぁ。」と生返事。だいたいノート提出もちゃんとやると大変
        なのだ。ひとりひとりきちんと書いているかどうか確認し、(たまに黒板と違ったことを書いている
        ヤツとか、字が間違っているヤツとかもいるので訂正してあげたりする)それも汚い字で走り書きの
        ヤツもいるので読むのも一苦労。えんま帳にチェックして、ノートの方には確認の印。1クラス
        見るのに、ゆうに1時間。これを持ちクラス(今年は5クラス)全部やったら5時間以上!大変なのだ。
        だから今年はノート提出を強要しなかった。

        しかし噂は広まるのが早い。「4組のHは、O−TEACHERにノートを提出して平常点を
        もらったらしい。」「提出したヤツだけボーナスポイントが加算されるらしい。」「その点数は
        10点分もあるそうだ。」と尾ひれが付いて広まった。のほほんと昼飯喰っていると、どかどかと
        ノート提出をしてくる生徒が殺到した。だからやめてくれよ、これ以上仕事を増やすのは!

          「ノート提出はするな!出したヤツは減点するーっ!」なんてね。

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