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微弱なる電流を強くせよ

 NHK 「あの人に会いたい」司馬遼太郎氏インタビューより   2005年4月3日放映

みんな出身はいずれにせよ
つまり、百姓の出身であれ、侍の出身であれ
規範というのは武士道だったですね。
侍の世が終わってからも、明治4年で侍が廃業してからもですね
その(武士道という)電流は残っていて、明治40年ぐらいまでは続いたんじゃないか・・・

僕の時代ですとね、学校教育というのは間違った侍教育でした。
そして士官学校などは、人工的に侍をつくる、意識的に侍を作る教育でした。
全部間違いでした。

侍というのは、自分に対する責任感だけですから。
なんか、自分が悪いことをしたな、と思った
理想的には言えば、もうその場で腹を切っているというのが侍でしょう。
そういうものは、もう一度回復することは難しいんですが

理想として日本人はそれ(規範)をもっていないと格好悪いですよね。
われわれには、何も規範とうものが無いんですから
やたらと技術大国になって、
やたらとお金をもっている国になった訳ですから
格好悪いですよね
それ(規範)をもっていないと。

皆さん、皆それぞれ持ってるんですよね
それぞれの士でいかなければ。
解釈は人によって違っていても。
大体もっていますよ。その微弱なる電流を

その微弱なる電流をもうちょっと強くしたほうがいいんじゃないかと・・・

自律的な意味の微弱なる電流をもっていたほうがいいんじゃないかと思いますね。


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