9月25日 きのこ日記トップ 10月13日
大腸がんについて お散歩記録 うまい病院メシ1 人工肛門 うまい病院メシ2 リンク

療養の効果が薄れてきたのかなぁ…

万博に行ってから数日。肛門痛の状態が悪化した。
日々の中では良くなっている実感が薄いが、週単位で振り返ってみれば良くなって来ていると思えるようになったところで、万博で悪化した感じだ。
万博に行かなくても悪化という事態は起きたのだろうが、マイナス傾向のことが起きたことでやっぱり気落ちしないと言えばウソだろう。

改善の流れも、その程度がだんだんと緩やかになっている感じは否めなくて、普通に仕事ができるようになる時期はいつだろう、そもそもそういう時期が来るんだろうか、と思ってしまう。

会社の上司や昔の上司の人たちも、異口同音に「あせらず、完全に治ってから」と言ってくれる。本当に「暖かい言葉」だと思う。
しかし、「そりゃいったい、何年何月のことなのか?」と自問自答せざるを得ない。

会社というのはありがたい所で、「今日いくら稼いだ」というのがバッチリなくても、今日は出勤しました、というだけでちゃんと給料が出る。(当然相応の評価ではあろうが) これが自営業者だとそうは行かない。床屋さんでそういう話をしてみたら「即アウトですね」と言っていた。今仕事ができているから笑っていようものだろうが、もし彼が浜ちゃんのような立場だったら、それこそ冗談じゃない。奥さんも子供もいるしね。
本当はそういう時に生活保障をしてくれるのが保険なんだろうけど、実際はそうじゃないみたいだ。入院していれば保険が出るが、病院も退院できる状態になればいつまでも置いてはくれないのだから。

会社はありがたいといっても、やっぱり「こいつはちゃんとヤルやつだわい」と認められるからこそ、今はじっと我慢でいてくれるのだろう。この状態がずっと続くなるとどうなるんだろうねぇ。


まぁ、考えていても仕方がないので、まずは出社すること、それから毎日行く事、それから定時時間内在席すること…と順番に慣らしていこうか。
何かに集中しているときには、肛門痛も起き難いような気もするし。

9月27日(火)プールに行ってみた

会社を早めに切り上げてプールに行って見た。
水泳パンツから傷跡がどれくらいはみ出るのか、お尻ムズムズでも泳げるのか、と頭の中で考えているより、実際にどこまでやれるか確認してみたかったからだ。

結果は、想像ほど悪くはなく、傷跡は出るにしても気づかなければわからない事みたいで自分が気にするかどうかだけ。体力ダウンですっかり泳げなくなっていることを除けば問題なしだった。 プールが近くで毎日通えるようなら体全体の強化になっていいんだけどな。(家から30分、800円は毎日は行けない)

トラブル対応は容赦なし

朝から携帯が鳴った。お客さんのシステムでトラブルが起きているとのこと。
対応できる人が連絡がつかなくて、携帯での呼び出しになったという次第。
ここで募る思いをつらつらと書いても何にもならないのでやめておこう。

でも、こういう思いが日本の社会を支えているとも言えるんだよなー。

10月1,2日(土・日)初めて実家に到達!

退院後、万博はじめ何度か出かけて行って、そこそこ好調な日もあったが、返り討ちにあったこともあった。この不安定さのためになかなか実家に行く事もできなかった。
晴ちゃんの実家のお母さんはやっと顔を出す事ができるようになったことをすごく喜んでくれた。なんだかこっぱずかしいものがある。

実家の近くにある、同朋大学で、つボイノリオが「旅・人生・煩悩〜わが煩悩人生〜」という演題で講演会をやるということで聞きに行くことにしていたのだ。こういう日時が決まった予定を入れておくと、(返り討ちの危険が伴いつつも)多少の尻具合の不調もおして行くことができる。

講演会はつボイノリオはラジオのアナウンサーであるだけに流れるようなトークだった。
尻具合の不調も起きることなく終わり、無事に実家まで到達できた。

浜ちゃん家の実家へは「元気の郷」経由で。トイレに入る状態になった時には、ひどい目にあった過去を思い出さない訳にはいかなかったが、3回トイレに出入りする程度で済んだ。痛かったことは確かだが、ひどくならずに済んで良かった。

名古屋シティマラソンへの道

最初の入院以来、ずっと走ったことはなかったのだが、いつもなら散歩をする所を、調子がいいようだったので、少し走ってみた。
浜ちゃんは走るとかかとから、ドンっと落ちるように着地するため、穴から肛門が出てくるんじゃないかと感じるから、ずっと「走る」ということはしないようにしていた。
穴の感触に注意を払いながら、早歩きからだんだんと加速していった。

スピードは全くでない。
走行距離は100m。
それでも問題なし。
はぁはぁ、ぜぃぜぃだったが、体は宙に浮きながら「走って」いた。

きっと精神力があれば、もっとがんばって150mくらいは走れたんじゃないかと思うけど、とにかく走る事ができた。これなら名古屋シティマラソン(11/23)にも出られるかも知れない。
申し込みは10/31締め切りだ。申し込んでも4kmを完走できるかどうか…

10月3日(月)会社に復帰

会社のトイレにウォシュレットが取り付けられた。
なので、今日から会社に復帰した。
実はがんセンターのトイレは大半がシャワートイレになっていないので、退院直後に診察に行ったときは本当に大変だった。何もなくても肛門痛で苦しいところを、ペーパーで拭くというのが追い討ちをかけるようなもので、脂汗増量効果が抜群だった。
ウォシュレットが使えるのは、肛門痛状態になったときの心配が大幅に減るので大いに安心だ。

ところ〜がだ。
全館フルウォシュレットではないので、他のフロアの人がわざわざ浜ちゃんのいるフロアまでやってくるようになったらしく、トイレに行く度に満室状態で入れない。
待ってられないので他のウォシュレット付きフロアに行くがそこも満室。
結局一階の身障者用トイレに駆け込む事になった。
こんな調子だと、爆発寸前の状態だと間に合わないよなぁ。
そういう時はエレベータなんて待ってられないし、階段を降りる時のショックはかなり効くし。難問は去らないなぁ。

こうしてみると、今や日本ではシャワートイレが「普通のトイレ」になったことが良くわかる。
洋式水洗だけトイレは既に「旧式のトイレ」になったのだ。
多くの人がシャワートイレを求めて、わざわざ階段を昇って使いたいと思うのは、日常シャワートイレを使っているからだろう。
万博会場のトイレは洋式水洗ばかりだったが、外国人或いは田舎の人に、生活文化の向上を紹介する意味でも、TOTO,INAXはシャワートイレを提供するべきだったろうね。
INAXがシャワートイレを海外向けにうまく紹介したら、世界規模のシェアが取れたりしたかもしれないのに。残念〜ん。

そういえば、会社に復帰したのだった。
先週、助走をしておいたせいか、これといった障害もなく復帰できた気がする。
尻具合がいちいち気になるとか、夕方になるとパワーが切れるとかいったことはあるが、一日何かしら仕事をすることはできた。

グループのメンバは皆良くやっていてくれて、それぞれの状況を聞いていくと、随分苦しい状況下にありながらも、大した文句も言わずがんばっている。
本当に偉いなと思った。
加えて驚いたのは、予算達成なんて到底無理だろうと思っていたにも関わらず、クリアしているという。本当にすごい。

みんな、よくがんばったね。
どう言っていいのかわからないのだけれど。
本当にすごい。

10月10日(月)〜復帰して一週間〜  肛門痛も改善のきざし

毎日出社して一週間過ぎた。
今のところ会社では肛門痛のひどい症状は出ていなくて、概ね好調だ。
家では、朝食後や夕食後に大量のウンコが出て肛門痛を起こす事が4日朝、5日夜、6日夜と連続した。
5日深夜などは2時間半もトイレから出られず、ひどい状態だった。

肛門痛は苦しいには苦しいが、今週の場合は出るものが出きってしまうまで出るので、トイレから出てからしばらくの時間をガマンできれば、その後まる24時間くらいは快適なので、気持ちの上ではずっと楽だ。

脂汗をかきながらいつ終わるとも知れない出入りを繰り返すことは、本当につらいので、痛くても「出きってしまえば」という「目標」のようなものがわかる方がずっといい。

考えようによっては、一日一回、たまったウンコを出すというサイクルは、普通な生活と全く一緒なわけで、今は出るときに痛みを伴うけど、これがだんだん緩和されてしまったら、直腸を切除しているのに、従来と同じ生活パターンができるということならすごいことだ。
直腸がんを後遺症(?)なく克服したことになる。


この数日、いいサイクルを繰り返したが、今日はダメ。
溜まったモノが出そうでちっとも出ない。
先週は、リズムがなかなか安定してはくれないが、大筋では安定の方向に向かっているように思う。

平井先生が「時間が経てば痛みは収まっていくから」と言っていたのは随分前だが、今思えば確かにそうだった。
退院の頃はあまりの苦痛で先生の話が信じられず、何か他の手当てが必要じゃないかと思っていくつかの試みをしてみたりもした。結果的には、唯一モルヒネもどきの「ペルタゾン」は効いたが、多くの試みはたいした効果はなかったように思う。

退院した頃の痛さ・苦しさを思えば、今の痛さ・苦しさはかなり小さなものになったと思う。
痛いのが限定した状況だけになったから。

この調子でもうしばらくすれば、このきのこ日記も終わる事ができそうな気がする。
10月20日で最初の直腸切除手術からちょうど半年になる。


今週13日は再発確認のためのCTスキャン検査だ。

9月25日 きのこ日記トップ 10月13日