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7月26日(火)二度目の入院

二度目の手術になる今回は手術の前日である26日に入院し、27日の午後に手術することになった。
前回は手術の5日前に入院していたが、今回は「明日、手術」という状態で入院するのでドキドキだった。術前説明の時にそのへんのことを先生に話したら、前回は病院に慣れてもらって、スタッフとの信頼関係を作る時間も考えていた、とのこと。
確かに、今回も前回のスタッフに見てもらうということで安心感があったと思う。

東海地方を直撃する勢いで台風7号が向かってきていたり、地震があったりで天災も心配だ。手術の最中に設備が使えなくなったりしたらどうなってしまうのかしら?
一応、先生や看護師さんに聞いて見たら、自家発電などでバックアップするようになっているので大丈夫ということだった。

でも巨大地震だと建物自体が耐えられるのかどうか、実際になってみないとわからないんだろうな。

結局、台風は関東方面にそれて行って、26日の入院の時にはすっきりしていた。
晴れ女、晴ちゃんのパワーはここでも健在だった。

7月27日(水)人工肛門閉鎖手術


手術日の朝は台風が反れて全天快晴!
台風が反れて、気持ちのいい朝が訪れた。
台風一過の空は全天に雲のないすいがすがしいばかりの青空だった。

おかげで、今日の午後には手術だ、というイメージとは全く似つかわしくない心地良い気分だ。
ひょっとしたら手術もあっけないくらいにあっさりと終わってしまうんじゃないだろうかと思えてしまう。

日が昇って暑くなる前の病院を歩いてみた。



夏の強い陽射しにも元気に咲いてます

正面玄関の花壇は時期ごとに手入れがされていて、前の入院の時と花が入れ替わっていた。

左の写真は ポーチュラカ と言う暑さに強い花で、元気よく咲いていた。ポーチュラカは朝、花も葉も開いて日中でも元気がいい。夕方になると、花も葉も閉じてお休み状態になる。陽が出ると働いて(?)、陽が沈むと眠る、実に健康的なヤツだ。
毎日、開いたり閉じたりしているのが良くわかる。

この花の元気な姿が気に入って、退院後花屋さんで1株だけ買うことができた。
花屋さんでは秋に向けての花を売ってるらしくて、たくさんは買えなかったけど、家の植木鉢に根が着き、元気な花を咲かせるようになって、朝晩に花の様子を見るのが楽しい。

手術前の様子を写真に撮る時間はあまりないと思ったので、病院の裏庭に出て、セルフタイマーで写真を撮ってみました。

手術の日の朝 この写真が最後になる… わけないか。


病室703から鹿の子公園・東山タワー方面の窓
今回の手術は13時からなので、午前中は多少の準備だけでほとんどが待ち時間。

当日まで考えなかったけど、二回目の手術というのは、一回目の経験でどの部分が苦しいのかわかっているだけに、逆にその事を考えてしまって精神的にはあまり落ち着かなかった。

また、今回は小腸部分なので浣腸をして云々といった準備もほとんどないので、乗りたくないのだけど乗る事になってしまう、「まな板に乗ろうとする鯉」の心境だ。

目が覚めて、バタバタとする間に麻酔がかけられてしまう、という流れの方が余分なことを考えないのでいいように思うなぁ。
なんて言っても、手術時間が選べるわけではないのでどうしようもないのだけど。

今日の投薬予定

何もない日なら鹿の子公園に散歩に出るとか、談話室やら売店やら、少ないながら歩き回ることができるが、手術当日だけあって、「病室の近くにいて下さい」というご指示。

テレビを見たり、書き物をしたりで時間を潰して、風呂に入る。手術前なので優先的にワクを取ってもらえているようで、心なしお風呂の湯もきれいだった。


←本日分の点滴など投薬の指示書。
いわゆる点滴の「ソルデム3A」2パック これが今日のごはんに相当。(絶食なので)
セフタメゾン静注用」が抗生物質でこれを生理食塩水と一緒に点滴する、ということみたいですな。

The Time of Operation

これからいよいよ手術の前準備をします
12:30 手術の30分前。
まずはすっぽんぽんになって、手術着に着替え。点滴チューブがつながっているので着替えも手伝ってもらってしないといけない。
(自分ひとりでシャツを脱いだら点滴をつないでいるから勝手にやっちゃダメと怒られたことがある)
手術直前と思えない和やかな表情ですな
ストレッチャーに横になって筋肉注射を打ちます。これで麻酔の効きを良くする、って言ってたっけな?ごちゃごちゃ喋っていて忘れてしまった。

看護師さんは注射をするときに「筋肉注射は痛いですからねぇ」と言う。がんセンターでは採血などで何度も注射をされているが、本当に「チクリ」くらいで「痛い」というほどではない。よほどこのページを作成している今の、肛門痛(注:8/18記事参照)の方がずっと痛い。
まぁ、そうは言え、一般に筋肉注射は痛いもので、確かにちょっと痛かったかな。
でも、「痛いよ」って脅さなくてもいいと思うんだけどなぁ。
筋肉注射をした後は、頭がぼーっとしてきます。

これからエレベータで手術室に運ばれていきます
12:50 準備万端整って、13:00ちょうどに手術室に到着するように、病室から出ます。
皆に見送られて、一般の人が使うのとは別のエレベータに乗って、4Fの手術室のフロアに移動します。
ここで晴ちゃんともお別れ。手術後は個室に移るためベッドの移動などがあり、家族も病室からほうり出されてデールームで手術からの帰りを待つ事になります。

手術室フロアへ向かう時は担当看護師のわたなべさんにストレッチャーを押してもらってふたりで行くので、雑談しながら和やかな移動です。手術室へは別の専門の看護師さんにバトンタッチ。
今回は8番手術室で、フロアの一番奥。運ばれていく最中に、たくさんある手術室を見回していたが、程なく到着してしまった。

二度目の手術ということで、少し余裕をもって回りを見回したり、麻酔の先生と話したりしていた。そんな余裕があった反面、手術台に移動した時には、体が小刻みに震えていて、怖かった。手術に支障が出ないように早く麻酔が効いて震えが止まるといいと思った。
と、同時に、今度は簡単に意識を失わないで、様子をできるだけ脳裏に焼き付けようとがんばっていたつもりだったが…
あっという間に手術が終わっていた。

手術から帰ってきました ぐうの音も出ません
やられた…
手術は無事成功。
手術後は、酸素吸入で喉や鼻が乾くのが苦痛だ。晴ちゃんに何度もうがいの手伝いをしてもらった。ありがとうね。助かったよ。
夕方から微熱が出て、頭痛と筋肉痛がして夜もぐっすりとは眠れず苦しかった。

一方、傷の方は手術後の回復よく、手術翌日はベッド上安静ながらも、先生・看護師さんと一緒に歩く練習をし、その日のうちに廊下を7周もした。後日他の患者さんと話をした時に「翌日歩くとはすごい!」と言われた。まぁ、傷が小さいからね。

ところで、先生と看護師さんの関心事は「ガスはでましたか?」で、何度も聞かれた。
手術翌日の夜1:00am頃めでたく出た。翌朝先生に話すと水が解禁になり、次の日にはご飯も始まる事になった。順調♪順調♪

順調に回復して、2日目には階段も歩けるようになり、3日目には裏庭に出られるようになり、久しぶりのお風呂にも入った。
一回目入院の4月は気候がよく朝裏庭に出るのはひとつの楽しみだったが、今はもう、朝7時には暑くなっている。病院内は空調が快適だけど、外にも出たいしね。
お風呂は何日ぶりのことだったか。シャンプーで洗ってもちっとも泡が立たないのには笑えてしまった。あ〜さっぱりした。

傷もほとんど痛まないのでいつでも退院OKと言いたい所だが、おならとウンチには困りモノ。
不意にお尻に圧力を感じる。話の最中でも食事の最中でも、何をしていても、とにかく痛い。しかし、ぐっとこらえるよりない。

トイレに行ってもほんのちょっとだけウンチがでることはあるが、大抵は空振りだ。
便通はあるのか、と言えば「ある」。しかし、とにかく出る量が少ない。
先生に報告・相談してみても、つないだ部分を通るので痛いのでしょう、というばかり。
まぁ、食事量が少ないから出る量が少ない、少しでも出ればつないだ部分が刺激されて痛い、そういうことか、と自分を納得させて「慣れる」のを待つ。


デールームでは患者同士の情報交換の場
自然と話が合うので楽しい社交場だ
病院というところは病める人がたくさんいて、何か暗いイメージがあるように感じる人は多いと思う。

がんセンターを見に来る前は、がんセンターには余命何ヶ月という「死」を匂わせる「患者」がたくさんいるのだろう、同じ病院でもより暗い雰囲気があるのだろうと勝手に想像していた。

しかし、見学に来たときに感じた「ほんわかした雰囲気」はあたっていて、実際に入院してみていい雰囲気だ、と思った。

がんセンターには「デールーム」という患者とその家族が使う公共スペースがあって、ここでは家族と一緒に食事をすることもできる。

近くのテーブルで食事をすれば、顔見知りになる人もあって、最初はそれぞれの病状の話からいろんな話に展開(万博はよく話題になった)して、楽しい時間を過ごすことができた。(当然話の合わない人もいますがねぇ…)

がん患者のつどうデールーム

浜ちゃんは中日ドラゴンズのユニフォームをいつも着ていたおかげで、何人もの人に覚えてもらえた。
デールームで食事をしていれば声をかけられる事が多くいろんな人と話をする機会があった。

だいたい、初めて話す時には、がんの部位やら、何回目の手術だとか、いつ手術の予定だとかといったお決まりの話しだが、多くの患者はがんセンターに入院できてよかったと思っていて、その共通点で打ち解ける事になる。
確かにがんセンターはその専門病院として有名だし、やはりいい治療が受けられると思う。

それとは別に、ここの患者は皆「がん」なので、ある程度、腹をくくっていて、お互いに隠さず話をすることで気持ちが楽になることが、すごく良いのだと思う。
がん患者はここで治すんだ・治るんだという意識を持っていて、それをお互いに共感し合える仲間がいることで随分気持ちが前向きになっているようだ。


尿の量を計測して脱水症状に
ならないように管理する装置
世間一般では「がん」=「不治の病」というイメージが強く、「がん」とコトバにすることさえはばかられる様だが、現在のがん治療にはたくさんの「打つ手」があって、それに取り組むことの方が忙しくて、しょんぼり余生を考えている暇などないのだ。

とは言っても、広い範囲に転移したり、再発したりと厳しい状況にある患者も少なくないのは事実で、相手を思いやる気持ちは大切です。


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