もしかして、病気?!

涙目・涙を流している

充血している

目が開かない・瞼が腫れている


鼻水が出ている
鼻が詰まっている
鳴き声をあげている


くちばしの異常
口から何か出している
口の中がおかしい

手・足
怪我
事故
内的要因における手・足の不調

皮膚
皮膚が剥ける
皮膚に虫のようなものがいる
内的要因におけるの体調不全
 

甲羅
甲羅の傷・出血
内的要因におけるの体調不全
 

排泄関係

寄生虫(原虫・線虫等)
尿・尿酸

 

 

 カメはとても我慢強い動物と言われております。

 本当はとても具合が悪くても、悪いそぶりをまったく見せない動物です。

 そうこうしている間に死んでしまったと言う悲しいケースもあります。

 毎日のお世話はカメの健康状態を把握する為にも重要な事です。

 些細な事でも見逃さないように、気をつけてあげましょう。

 

 ここではカメの罹り易い病気の症状と、

 実際我が家のカメが罹った病気について説明したいと思います。

 

 

 涙目・涙を流している

 起床したばかりや、欠伸の前後等は涙目になっていることが多いですが、これは心配ありません。

 それ以外の場合でも、基本的には飼育環境の見直しと改善で症状は無くなります。

  

 湿度の問題

 まずはケージ内の(飼育環境内)湿度を点検してみましょう。

 湿度が50〜60%を保っていますか?

 (湿度が常に70%以上あるといった状態は過湿です。

 ジメジメしている環境は菌が繁殖しやすくなるので気をつけましょう。)

 湿度が不足していると、涙目または涙を流すという症状が出ます。

 日本の気候は基本的に多湿ですが、冬場は湿度が20%未満の日が多くなります。

 その為比較的冬場に起こりやすいのです。

 

 ケヅメリクガメは乾燥地帯のカメと言ってもそれは「カラカラ」の状態を意味するものではありません。

 土の中に潜って生活している事を考えれば、土の中は適度な湿度が保たれているはずです。

  

 放し飼いの場合は加湿器等を導入する事によって改善されます。

 

 ケージで飼育されている場合は、ケージ内に加湿器を設置すると湿度が上がりすぎてしまうので、

 設置できないということもありますが、(小さなペットボトルを挿すだけで加湿器になる物もありますが)

 ケヅメリクガメは自ら水飲み場へ行き、水を飲む事は滅多に無いので、(飲む個体もまれにいます。)

 ケージ内に水飲み場を設けないという状態も多く、これが湿度不足に拍車をかけます。

 水を飲まなくても乾燥している日は、保湿の為に水を入れた容器をケージ内に入れておく事で、

 加湿する事が出来ます。

 濡れタオル(水分が滴り落ちない程度に絞ったもの)をケージの内側にかけるという方法もあります。

 

 またバスキングライトをホットスポットに使用している場合、湿度がとても飛びやすく、

 その部分だけカラカラということもあります。

 ホットスポットにいる間だけ涙目だったり涙を流したりしている場合は、

 その部分だけ湿度が極端に不足しているという事を示しています。

 その場合はホットスポット付近に水飲み場を設置しましょう。

 

 ケージが広く小さい加湿器なら置ける、といった場合でも、

 ホットスポットを包み込むように加湿器をセットしますと、 

 バスキングライトの寿命を早めます。

 (水分が電球の寿命を早めるようです。

 また加熱している状態でバスキングライトに水滴が当たると破裂します。

 取り扱いには十分に気をつけて下さい。)

 

 我が家のカメ君も冬場、涙目になっている事があり、それが3日続いたので心配になって、

 病院に連れていきました。結局湿度不足だったのです。当時室内の湿度は20%ありませんでした。

 バスキングライトの直下にいるときは、涙まで流していました。

 我が家は放し飼いなので、なるべくバスキングライト寄りに加湿器を設置して問題解決となりました。

 

 床材の問題

 飼育当初やケージ内部を模様替えした際に見られる事が多く、

 ケージ内の床材に問題がある場合があります。

 

 カメが歩くたびに床材が削れて、それが空気中に粉塵となって舞い、

 目に刺激を与えていることがあります。

 更に、使われている床材によるアレルギーが起きている場合もあります。

 

 そんな時は目がゴロゴロして気になって、前足で目をかく仕草が見られたり、

 炎症が起きているせいで痒みがあり、前足で目を絶えずかいているせいで、

 目が充血している場合があります。

 

 床材に原因がありそうな場合は粉塵の出にくい床材に変更してあげましょう。

 

 そして軽く目を水洗いしてあげましょう。

 (特に目に向けて水をかけたりはせず、温浴中にそっと後ろの方向から頭に手のひらで

 チョロチョロとぬるま湯をかけてあげると、カメ自身が瞬きをするので、

 それを数回繰り返すだけで効果的です。)

 目に食べ物のカスやカルシウム剤、脱皮した皮などが付着してしまった場合もこの方法が使えます。

 

 カメ自身の前足のボコボコで更に目を傷つけてしまうこともあるので、

 目をかいている時はよく注意してあげましょう。

   

 カメ自身の内的問題

 上記の環境を見直した後、それでも涙目が治らない場合は、

 カメ自身の体内の状態に問題がある場合があります。

 大体は水分不足に起因しています。

 

 尿酸結石

 リクガメは糞と尿の他に尿酸という物体を排泄します。(白いお豆腐のような物体です。)

 リクガメが生活していく上で、本来はあまり必要でない蛋白質を尿酸として排泄しています。

 蛋白質を取れば取るほど尿酸の量は目に見えて多くなります。

 逆にあまり蛋白質を摂取していない場合は尿酸は目に見える形で排泄されず、

 尿に液体として混じって排泄される事もあります。

 

 正常に尿酸が排泄されていれば、フワフワの湯葉やお豆腐のような柔らかいものですが、

 体内で水分が不足している状態が続いていると、尿酸は結晶化して固くなり、

 ジャリジャリした状態のものがくっつきあって、石のようになります。

 そしてその状態が長く続けば、尿酸結石として体内で大きな塊となってしまい、

 自分で排泄する事が困難になります。

 そうなるとカメは落ち着き無く歩き回ったり、排泄の際にいきんだりします。

 ひどい時には唸り声さえ上げることもあります。

 このいきんだり、唸り声を上げたりする際に涙を流したり、涙目になったりする事があります

 

 水分が不足している事も重なって、涙目や涙を流す事にとどまらず、

 瞼も腫れぼったく、目も充血していることがあります。

 このような症状が見られ、いきんでいるのに、尿酸が排泄されない場合は、

 体内に尿酸塊が複数あることも考えられます。

 レントゲンを撮ることで体内の尿酸塊は確認する事が出来ますので獣医師に相談して下さい。

 

 ケヅメリクガメは自分から水飲み場にすすんで行って、水を飲むということを滅多にしないので、

 水飲み場は設ける必要が無いといわれています。

 しかしそのこと=水分は必要ない、という事ではありません。

 そういった種類のカメだからこそ飼い主が気を付けて水分を取らせてあげる事が必要です。

 

 出きる限り温浴を定期的にさせたり(お湯に浸かりながら、鼻から水を飲みます。

 ガブガブ飲みたい時は自ら頭をお湯の中につけ、ブクブクいっている事もあります。)、

 定期的に水分補給用の餌をサイドメニューとして混ぜてあげる事で水分不足は解消されます。

 

 おやつとして利尿作用のある「スイカ」「トマト」「レタス」を少し多めにあたえてあげると、

 数時間すると大量の尿を出す事があります。

 そのようにして強制的に水分を取らせ、膀胱内の尿酸を尿と一緒に排泄させる手もあります。

 しかしながらこの方法は本当に最後の手段なので、

 毎日のお世話で、良質な尿酸が排泄されるようにしてあげてください。

 

 肺炎

 飼育環境に何らかの問題があって(湿度・温度・床材など)、風邪から悪化した状態を言います。

 苦しそうに口をあけて息をしながら(カメは普段は鼻呼吸していて、口をあけて呼吸はしません。)

 涙を流していたり、じっとして動かない場合は風邪や肺炎などの病気に罹っている可能性があります。

 その際にもやはり涙を流すだけにとどまらず、瞳全体が腫れぼったくなり、

 充血も見られることがあります。

 

 人間が湿度の低い冬の季節になるとインフルエンザに罹りやすいのと似ていて、

 湿度が極端に低いと病気に罹る確率も高くなります。

 そして病状が単なる風邪から肺炎へと悪化しやすくもなります。

 湿度不足は涙目・涙を流すにとどまらず、肺炎まで引き起こしてしまう可能性があるのです。

 

 更に床材による粉塵を吸いつづけていると鼻炎から肺炎へと症状を悪化させることもあります。

 

 このような症状が見られた場合は様子を見ず、直ちに獣医師の診断を仰ぎましょう。

 

 涙目・涙を流しているだけであれば、以上の点を改善する事で大体症状は収まってきます。

 飼育環境を改善したにもかかわらず、涙目・涙を流している場合は獣医師の診断を仰いでください。

 

 充血している

 前述の涙目と重なる部分がありますが、目が赤くなっているという事は重大な事です。

 飼育環境の見直しと同時に獣医師への受診も考慮に入れましょう。

 

 床材の問題

 前述済みです→詳しくはこちらへどうぞ。

 床材を粉塵の出ないものに変更し、目の洗浄もしているのに、充血が一向に良くならない場合は、

 目に入った粉塵の粒が大きく、手でかいているうちに瞳に傷がついてしまって、

 結膜炎・角膜炎・瞬膜炎を起こしている場合もあります。

 

 カメ自身の問題

 原因は様々で、大概は前述した床材の問題が原因の事が多いのですが、

 同じスペースでカメを何匹か一緒に飼育していたり(特に購入後すぐにいっしょにした場合等)、

 まれに飼育環境が不衛生もしくはケージ内の空気の流れが無く滞留している場合など、

 細菌感染する事も考えられます。

 この場合は目の問題に留まらず、甲羅の炎症、皮膚炎等の外的な問題も見受けられると思います。

 気をつけてあげましょう。

 

 カメが罹りやすい目の病気には以下のものがあります。

 結膜炎

 白目が充血している。見た目にわかりやすい。

 角膜炎

 見た目にはわかりにくい。

 涙目であったり、目を開けているのが辛いのか、目をつぶっている事が多い。

 うっすらと白濁している。

 瞬膜炎

 瞬きをする時に膜みたいなものが見えると思います。それが瞬膜です。

 これが充血して、本来なら瞬き以外にあまり見えないものなのに目が腫れぼったく、

 出たままになっている。これが出たままになっていると、

 カメは割りに見た感じは黒目がちだと思うのですが、

 やたらに白目の部分が多く感じるのではないでしょうか。

 

 結膜炎なら、うちに人間用の目薬がある、と人間用の目薬使用は絶対にしないで下さい。

 

 目薬といえども人間の体重やデータを元に作られているので、

 カメには刺激が強く、安易に使用して取り返しのつかないことになる恐れもあります。

 更に目が赤いからといって、素人目には結膜炎なのか角膜炎なのか瞬膜炎なのかはわかりません。

 必ず獣医師の診断を受けてください。

  

 目が開かない・瞼が腫れている

 目が開かない・瞼が腫れているといった症状は病気のサインですので、

 なるべく早く獣医師の診断を受けましょう。

 

 目の病気で目を開けているのが辛くて閉じている場合と瞼が腫れている場合があります。

 そちらは前述済みです→詳しくはこちらへどうぞ。

 

 目の病気ではなく、目が開かない・瞼が腫れているといった症状が出るといった場合は、

 他の内的疾患が考えられます。

 

 ビタミンA欠乏症

 瞼が腫れて開かなくなるというのが顕著に見られ、栄養失調のため元気が無く、

 抵抗力が低下している為、他の目の病気にも感染している可能性が出てきます。

 ビタミンAは表面の皮膚最適の状態に保つ働きもします。

 不足すると肌にはりやつやがなかったり、カサカサになったりします。

 

 更に他にも体のあちらこちらに不調が見られます。

           

 レタスやキャベツ、キュウリ等の総合的に栄養価の低い野菜を

 長期間それ単体で与え続けることによって起こりやすい病気で、

 ビタミンA欠乏症とはいうものの、全体的に栄養失調である事が多いようです。

           

 特にベビーの時は健康な体や甲羅を形成していく時期である為に

 様々な栄養が必要とされます。

 

 ビタミンAは主に緑黄食野菜に多く含まれております。

 緑黄食野菜と聞いてすぐに思い浮かぶのが「にんじん」かと思いますが、

 リクガメの餌として豊富なビタミンAを含有している植物は「たんぼぼの葉っぱ」です。

 大体花は春にしかお目に掛かれませんが、葉っぱの部分は通年見かける事が出来ます。

 お散歩に行ったとき等に食べさせてあげたり、時々摘んで来て与えると良いです。

 野草の採取が無理な方には餌として与えられるビタミンAを多く含む葉として、

 「モロヘイヤ」と「青シソ」があります。シソはそのニオイから好き嫌いがありますが、

 モロヘイヤは大抵のリクガメは大好物なようです。

 

 これを定期的にサイドメニューとして与えてあげる事で、

 毎日の食事で十分なビタミンAを摂取する事が出来ます。

           

 総合ビタミン剤や各種ビタミン剤を添加するという手もありますが、

 量の調節が難しく、逆にビタミンA過剰症(皮膚の項目で説明してあります。詳しくは→こちらへ

 を引き起こす恐れがあります。

 きちんとバラエティー豊富な餌を与えていれば、餌の中から十分なビタミンAを

 摂取する事が出来るので、ビタミン剤の投与はなるべく避けましょう。   

           

 餌に問題がある状態で、ビタミンA欠乏症と疑われる症状が出て、

 カメ自身がぐったりして元気が無かったり餌を食べない場合は、

 餌も改善したし、自分でビタミン剤を与えれば何とかなるだろうと、

 安易に考えるのは危険です。

 餌からのビタミン摂取では間に合わない場合や、

 体力が落ちている間だけ効率よく吸収されるように、

 ビタミン注射などで回復させる事が先決の場合もあるからです。

 獣医師の元でのビタミン剤は適量を処方してもらえるので安全・安心です。

                              

 必ず獣医師の診断を仰ぎましょう。