もしかして、病気?!

涙目・涙を流している

充血している

目が開かない・瞼が腫れている


鼻水が出ている
鼻が詰まっている
鳴き声をあげる


くちばしの異常
口から何か出している
口の中がおかしい

手・足
怪我
事故
内的要因における手足の不調
 

皮膚
皮膚が剥ける
皮膚に虫のようなものがいる
内的要因におけるの体調不全
 

甲羅
甲羅の傷・出血
内的要因におけるの体調不全
 

排泄関係

寄生虫(原虫・線虫等)
尿・尿酸

 

 

 手・足

 怪我

 カメも怪我をすれば赤い血を流しますし、もちろん痛がったりもします。

 強く打ちつけたりすれば痣も出来ます。

 もちろん捻挫や骨折もすることがあります。

 

 基本的には飼い主が注意してあげる事で防ぐ事が出来ます。

 

 赤く腫れていたり、出血していたり、痣が出来ていたり、

 手足を引きずっていたり、痛めている方の手足をかばって歩くようなそぶりが見られたり、

 手足がはれていたりする場合には 怪我をしている可能性があります。

 

 なぜ怪我をしたのか原因を突き止めて再発防止に役立てましょう。

 

 擦り傷・切り傷 (皮膚炎)

 河原や野原などでお散歩させていると、稀に葉先が鋭い植物に手や足がすれて怪我をしたりします。

 知らず知らずのうちにダニ等の小さな昆虫に噛まれたり刺されたりして赤く腫れる事もあります。

 それらの症状が広範囲な場合は一度獣医師の診断を仰いだほうが良いかと思われますが、

 小さな擦り傷や切り傷一つ程度なら人間が怪我した時と同様に、

 自宅で温浴後、マキロンやオキシドール等の消毒薬で患部を消毒して、

 (この時カメの目に消毒液が入らないようにくれぐれも気をつけてください。

 綿棒の先に薬液をひたして付けてあげると良いです。)

 化膿させないようにしていれば、2〜3日で治ります。

 

 カメは自分が通れそうもない狭い場所でも、無理に通ろうとしますので、

 その時に手のボコボコしたところが剥がれて取れてしまい、その結果出血することがあります。

 きちんと患部を消毒してあげる事で、出血自体はすぐに止まります。

 カメ自身が傷口を気にするようであれば、人間用のバンソウコウ等を貼っておくのも有効です。

 (但し毎日バンソウコウを貼っていると傷口が蒸れて治りが悪い時もあるので、

 消毒の際に傷口の様子を見ながら、もう必要無いようなら貼らなくても良いかと思います。)

 ボコボコが取れてしまっても出血しないときもあります。

 剥がれてしまったボコボコも時間はかかりますが、再生してきます。

 

 時々、餌を見つけたり何かに興味を示したりすると、掴まり立ちをすることがあります。

 (後ろ足2本だけで立ちあがります。)

 この時、後ろ足の部分に、縁甲板(後ろ側のギザギザしてスカート状に少し広がっている部分)が、

 当たってしまい、その結果、ギザギザで足を切ってしまい、少し擦ったというよりもざっくりと切れて、

 出血することもあります。

 人間と同様に傷口が乾けばかさぶたが出来て、出血は止まります。

 かさぶたが剥がれる頃には元通りに治ります。

 傷口が少し広くて出血が多く、気になる時には、

 よく患部を消毒した上で、バンドエイド等を貼ってあげましょう。

 出血が止まって、かざぶたになったら剥がしてあげましょう。

 (もちろん、何日か連続して貼る場合は汚れたり、温浴の際には古いものは剥がして、

 新しいものを貼ってあげましょう。)

 

 コンクリートやアスファルト、床材に使用しているタイルの上などをよく歩く事で、

 手足の皮が剥けて出血する事もあります。

 コンクリートやアスファルトだと必要以上に爪や皮膚が擦れてしまい、怪我の元になります。

 お散歩時にもずっとアスファルトやコンクリートの上を歩かせるのではなく、

 土や草の生えている部分を選ぶなどして手足の皮膚に負担がかからないようにしてあげましょう。

 又、床材に全面タイルを敷いているとこれまた爪や手足の皮膚が必要以上に擦れて、

 怪我の元になります。

 ケージの敷地内全てタイルにするのではなく、

 半分だけタイルで残りは手足の負担にならないような床材を使用するようにしましょう。

 

 手足の裏(床に接する面)が怪我している場合、歩くと痛がったりしますが、

 歩くのを止めて安静にしたりはしません。

 傷口が乾燥していて出血もおさまっている時にはバンソウコウを貼る必要は無いので、

 手足の裏がこれ以上傷つかないように気を使ってあげるだけで大丈夫ですが、

 消毒後、まだ出血していたり、傷口が真新しいく、又面積が広い場合は、

 バンソウコウを怪我をしている手足の裏に貼る必要があります。

 しかしながら、バンソウコウを怪我をしている手足の裏に貼ると、滑ってしまい上手く歩けなくなります。

 床面に接するバンソウコウ表面にだけ、シール状のすべり止めを付けるか、

 赤ちゃん用のすべり止めのついている靴下を履かせてあげると、滑らずに歩くことが出来ます。

 

 傷口が剥き出しになっている状態で、ケージ内において自分の排泄物を踏んだり、

 食事の時に手を使い、汚れてしまうことがあります。

 そんな時も放っておかず、きちんと洗って化膿を防ぐ為に消毒してあげましょう。

 

 怪我をした時に飼育環境内が極端に不衛生であったり、極端に多湿な場合や

 拒食中で体の抵抗力が落ちていたり、何かしら内的疾患がありカメ自体が弱っている場合は、

 怪我をした部分が細菌感染をおこし、化膿して皮膚炎を起こす事があります。

 リクガメはその一部分の皮膚炎が体全体に広がるという事は滅多にありませんが、

 いつまでたても傷口がグジュグジュして良くならない場合は、飼育環境の見直し(特に衛生面)をし、

 その上で良くならない場合は他の内的疾患によるものも考えられます。

 一度獣医師の診断を受けましょう。

 

 打撲(痣)

 擦り傷・切り傷のところでも前述しましたが、

 カメは自分が通れそうもない狭い場所でも、無理に通ろうとします。

 その時に体を床や物に強く打ちつける事があります。

 色の濃い部分は痣になっても目立たなく、わからないのですが、

 腹腔板等は色が薄いので痣になっていればすぐにわかります。 

 痣が広範囲にわたって出来ている場合は表面だけでなく、

 内臓にも何らかの影響があるかもしれないので獣医師の診断を仰ぐ必要がありますが、

 ちょっとの(本当にどこかにぶつけた程度の)痣なら心配する事はなく、数日で消えます。

 

黄色の○(丸枠)の中赤紫色の部分が痣です。

カメ君の肩甲板(裏側・顔を伸ばした下あたり)の部分です。

物に掴まり立ちして床に降りる時に、その掴まり立ちしていた物にここをぶつけてしまうようで、時々痣になっているのを見ます。

2〜3日、長くとも1週間くらいで痣は消えます。

 

怪我をしないように気を付けてはいるものの、ケヅメリクガメは本当にやんちゃですので。。。

 

 捻挫・骨折

  捻挫・骨折は健康なカメが普通に生活していればあまりなることはありません。

 但し、やんちゃ(オスに多い)なカメは高いところに登って飛び降りたり、

 挙句ひっくり返ったりということがよくあります。

 その結果捻挫や骨折ということはあります。

 

 捻挫・骨折した部分が腫れていたり、熱を持っていたり、広範囲に痣になっていたり、

 歩く時に捻挫・骨折をしている方の手足をかばうように歩いていたり、引きずっていたりする場合には、

 捻挫・骨折の可能性があります。

 捻挫だと放っておいたら骨折だったということもありますので、上記のような症状が見られた場合は

 獣医師の診断を仰ぎましょう。

 レントゲンを撮ることで骨折の有無がわかります。

 (但し、ベビーの時期で、手の先の小さな骨が密集しているような箇所はレントゲンを撮っても、

 骨折の有無が判定できない場合もあるようです。)

 

 痛そうにしていても、骨折は放っておけば骨はくっ付きます。

 しかしながら特にケヅメリクガメのように大きくそして体重も重くなるカメは、

 4本の手足で体重をささえなければならないので、

 変な風に曲がってくっ付いたりすると、後々問題が出てくる場合もありますので、

 きちんと受診しましょう。

 

  

 事故

 口の項目で前述しましたが(詳しくは→こちらへどうぞ。)事故は飼育者の不注意から生じます。

 転落事故・交通事故・誤食事故・誤飲事故・水の事故など事故も様々です。

 飼育環境の見なおしでほとんどの事故は防ぐ事が出来ます。

 

 同じケージの中で多頭飼育をしている場合、他のカメに噛まれて怪我をすることがあります。

 どうしても一つのケージで一緒に飼育する場合は、すぐに一緒にするのではなく、

 一度一緒にしてみて様子を見る事が大切です。

 その時にお互いが干渉し合うこともなく、静かに生活できているようであれば、

 一緒に飼育することも可能ですが、他のカメを確認すると攻撃するようなそぶりが見られた場合は、

 残念ですが一緒に飼育することは難しいと思います。

 (何回か一緒にする機会を設けて慣らしていくという手もあります。)

 

 仲が悪いから噛み合っているということもありますが、仲良し同士でも時々噛み合う事があるので、

 一緒のケージでの多頭飼育の際には十分注意が必要です。

 (特に大人と子供ほどもサイズに違いがある場合は、

 大人が子供を噛めば致命傷になることもあります。十分注意しましょう。)

 

 更にお家で別の動物を飼育している場合も色々と注意をしなければなりません。

 特に犬はカメの我々人間には分からないニオイを敏感に嗅ぎ取って、興味を示します。

 カメが大分大きくなっている(20〜30cm)場合には中型犬はカメを怖がるようですが、

 大型犬の場合はカメを相手に遊んだ挙句噛みつく、もしくはカメのニオイに刺激され餌と思い噛む、

 といった場合があります。大型犬に噛まれた場合、傷も大きく致命傷になりかねません。

 十分に気を付けましょう。自分の飼っている犬でさえ注意が必要なのですから、

 公園などで日光浴させる時にも犬の存在には注意が必要です。

 特に一旦噛みつくと、なかなか放してくれないので大変な事になりかねません。気を付けましょう。

 

 猫も小さなカメにはとても興味をそそられるらしく、手でカメを転がしたりして遊ぶ事があるようです。

 猫に本気ではたかれると、ベビーくらいのカメだと頭が飛ぶくらいの勢いがあるそうです。

 特に興味を示さない猫は安全ですが、手を出して遊ぶそぶりを見せたら気を付けましょう。

 

 そして・・・更に・・・。 

 

 ここでは私がしでかした最悪の事故を紹介したいと思います。

 ベビーのカメさんを飼われている皆さんもお気をつけ下さい。。。

  

2003年5月30日のことです。

お天気もよかったので、お昼からカメ君とたーたんをベランダに出して日光浴させておりました。

その間に私は植物に水をあげようと、ベランダに出ていました。

カメ君はもう大分大きかったので近くに来ると足音もしますし、気配でわかりますが、

たーたんはまだとても小さかったので踏んづけてはいけないと、

一つの鉢に水を与え、次の鉢へ移動する際には、

たーたんの位置を必ず確認してから移動するようにするなど、細心の注意を払っていました。

 

しかしながらこの日に限って、

いつもならサンダルを履かずに素足でベランダに出て植物に水をあげていたのですが、

何故かサンダルをきちんと履いてベランダに出ており、

さらにちょっと前にたーたんの位置を確認した時にはかなり遠くにいたことから、

次の鉢へと移動する際にたーたんの最新の位置を確認しないで、足を動かしたその次の瞬間。。。

私の右足に嫌な感触がして、「あっ」と目をやるとそこには「シューッ」と甲羅に手足を引っ込めた状態のたーたんがおりました。

 

その瞬間、鼓動が早くなり、全身がサーッと冷えました。

「たーたん!!」と悲鳴に似た声で呼びかけを続けました、もうたーたんを持つ手が震えて震えて・・・。

 

しばらくするとニュ〜っと甲羅から顔を出したので、少しホッしましたが、それもつかの間。

甲羅から出した手足を確認したところ、たーたんの左手を一点集中的に踏んづけてしまったらしく、

爪の鞘(爪の内部を覆っている外側の硬い部分)と手のひらの爪よりの一部が剥がれておりました。

とにかく病院に!!と思い、すぐに連絡をして、

(ちょうど午前の診療が終わったところで、午後の診療の一番を予約しました。)

 

パニック状態にもかかわらずどこか冷静で、脱落した爪の鞘と皮膚の一部をジップロックに入れたり、状況を記録しておこうと写真を撮ったり、ダー様やいつもお世話になっているカメ友様にメールを入れたりして情報収集をしたりしながら、出掛けるまでの間、たーたんの様子を見守っておりました。

 

しばらくはベランダでジッとしておりましたが、数分も立つとやはり左手は痛いようで、

かばうように大きく振りかぶって歩いていましたが、元気に歩き始めたのです。

ただし、歩いて傷口に刺激を与えた為に出血し始めてしまい、マキロンで消毒しました。

 

時間が来て動物病院に連れて行く道中、カゴから脱出を試みて、元気一杯。

しかも痛めたほうの手も使っている。。。

あまりの元気ぶりに、絶対骨折させてしまった!と思っていたのですが、

これはなんでもないなと思いました。

でももしものことがあるのでそのまま向かいました。

 

結局診断の結果、

・この指の部分は小さな骨の集まりで(特にたーたんはまだベビーなので余計に細かく)、

 レントゲンを撮っても獣医師でも骨折か自然なものか判別つかないのでレントゲンを撮る必要は無し。

・更に元気に歩き回っているので(診察台の上で歩き回っていた)骨折の心配はなさそう。

・剥がれたところは時間はかかるものの再生します。

とのことでした。本当に安心しました。

イソジンで患部を消毒して頂いて、診察時間は5分。診療代金1000円でした。。。 

 

家に帰ってから温浴時には毎日マキロンで患部を消毒して、なるべく手を使わなくても済むように、

餌も私の手から与えておりました。 

 

 たーたんの事故数十分後の写真(左)。

 (赤い○で囲ってある部分が怪我した箇所。)

 人間で言うところの親指部分の爪の鞘と

 手のひらの一部の皮が剥がれてしまいました。

 

 2003年5月下旬

 皮の部分は再生したものの、

 温浴中に剥がれて、患部はツルツルに。

 結局、鞘を失った親指の爪の部分は、

 無くなってしまいました。

 

 

 

 

 

 ↓事故から3ヶ月後の写真

 2003年8月下旬

 皮の部分は網網の部分(手のひらの模様)も

 きちんと再生されました。

 鞘を失った親指部分の爪はゆっくりですが、

 芽が出るように再生しています。

 但し、事故直後には問題の無かった、

 親指の隣の人差し指部分の爪が、

 曲がってしまいました。

 元に戻そうとしても、この位置で固まったらしく、

 びくともしません。

 

 秋の検診で観て頂こうと思っております。

 

 

  

 内的要因における手足の不調

 今までは目で見てわかる症状を中心に手足の問題を紹介致しましたが、

 ここでは目で見たところ表立って悪いところが無いのにもかかわらず、足を引きずっていたり、

 歩き辛そうにしていたりといった症状が見られる場合で、

 怪我や骨折で無い場合は内的要因で手足に不調が見られる場合があります。

 

 それでは手足に不調をきたす内的疾患にはどのようなものがあるのでしょうか。

 

 ビタミンB1(チアミン)欠乏症

 そもそもリクガメにはビタミンB1単体が不足して欠乏症になることはめずらしいようです。

 (どちらかというと更に悪い事に全体的な栄養が不足しているという事のようです。)

 緑黄食野菜には含有量は少量でも様々なビタミンが含まれております。

 定期的に与える事によって栄養素が偏らないようにしてあげましょう。

 

 逆に有害植物というわけではありませんが、シダ類の植物(ワラビ等)には、

 ビタミンB1を破壊してしまう酵素(チアミナーゼ)が多く含まれているので、

 与えているつもりでも体内で壊されてしまうと与えていないのと同じになってしまいます。

 気を付けましょう。

 

 人間ではビタミンB1が不足すると脚気になりますが、

 ビタミンB1不足のカメにも同じような症状が見られます。

 元気が無く、運動失調ぎみになります。その結果、下半身に力が入らなくなり、歩き辛そうになります。

 

 リクガメの場合は運動失調や手足の不調が見られる場合は、ビタミンB1欠乏症以外にも、

 他の必要な栄養素(ミネラル・ビタミン等)が不足して引き起こされている可能性があります。

 何が不足しているかは客観的には分かり難いものです。

 そのような症状が見られたらなるべく早めに獣医師の診断を受け、

 正しい食事の指導を受けましょう。

 

 代謝性骨疾患

 甲羅の変形(ピラミッドのようにそれぞれの甲板がボコボコになっている、

 お尻のあたりの椎甲板が凹んでしまう。腹腔板が凹んでいる、甲羅を押すと柔らかい、

 手足に痺れが出る、(手足を引きづるようにしている、持ち上げてみると手足が震えている。)

 等の症状が見られた場合、軽度〜重度まで度合いは様々ですが代謝性骨疾患の可能性があります。

 

 先天性で無い限り、長期飼育の中で発生する病気です。

 (先天性でも長い時間の中で快方に向かうようです。)

 ケヅメリクガメでは10〜30cmの間は本当にものすごいスピードで成長しますので、

 その途中やその後に起こりやすいのではないでしょうか。

 もちろん成長期を過ぎても起こる可能性はあります。

   

 急激な成長過程では、どうしても通常の餌からではカルシウムが不足しがちになります。

 更に冬場等の日光浴が不足しがちな時期は体内の構成構造上ビタミンD3が不足する結果、

 カルシウムが上手に吸収されず、結果カルシウム不足になります。

 

 どうしてカルシウムが不足すると代謝性骨疾患になるのでしょうか。

 まず体内に入ったカルシウムがどのように吸収されるのかを見てみましょう。

 

 @カメが餌を食べる(カルシウムを摂取する)

  ↓

 A日光浴をする。(中波長紫外線UVBを浴びる)

  皮下組織で脂質からビタミンD3が作られます。   

  ↓

 B体内で作られたビタミンD3は肝臓や腎臓で活性型のビタミンD3へと変化します。

  ↓

 C腸管内でカルシウムの吸収を促進する役割を果たします。

  そして吸収されたカルシウムは甲羅や骨の形成に使われます。

 

 つまり、この過程のいずれかが欠けてしまうとカメの体内にきちんとカルシウムが吸収されずに、

 甲羅の成長が妨げられてしまいます。

 更に悪い事に体内で必要とされるカルシウムがきちんと体内で吸収されていないと、

 血液中のカルシウム濃度も低いものになります。そうなった場合カメの体は、

 甲羅(骨)から溶かしてカルシウムを使ってしまいます。

 (低カルシウム血症・・・重度の代謝性骨疾患の場合はこちらも疑う必要があります。

 動物病院にて血液検査をすることですぐにわかります。)

 その結果甲羅は柔らかくもろくなります。

 (人間で言うところの骨粗しょう症のようなものと考えると理解しやすいのではないでしょうか。)

 

 それでは代謝性骨疾患を防ぐ為にはどうしたらよいか、

 上のカルシウム吸収の様子に照らし合わせて見て行きましょう。

 

 @カメが餌を食べる(カルシウムを摂取する)

  10〜30cmのカメの急激な成長期には餌の要求量も増えます。

  この時に成長を促進させる市販のリクガメフードを与えていると、

  ただでさえ、成長期でカルシウム不足なのに、

  添加していても間に合わないくらいカルシウム不足になりかねません。

  野草や野菜中心の餌を与え、カルシウムも定期的に一定量添加することで、

  カルシウム不足を防ぐ事が出来ます。

  

  カルシウムは吸収される量が決まっているので、

  大量に与えたからといって全て吸収するということはありません。

  大量摂取で便秘を招くだけです。適量を守りましょう。

  

  そして必ずカルシウムのみのものを添加しましょう。他にビタミンが混ざっているものを与えると、

  それぞれのビタミンの過剰症を起こしかねません。

  どうしてもビタミンが添加されているカルシウムを与える際には量と用法を必ず遵守しましょう。

  できれば獣医師の指導の元で添加出来れば一番安全です。

  

  この時期の甲羅の状態は一生を左右します。

  ケヅメリクガメを飼い始めたという事は、大半の飼育者の方が「巨ガメ」を飼う事に憧れて、

  飼育を開始された方が多いと思います。

  早く大きくしたい気持ちもわかりますが、丈夫で美しい甲羅を作るには焦りは禁物です。

  巨ガメの時期は長く、数年もすれば抱っこなど出来なくなります。

  カメの一生の中でもあっという間のベビーの時期を出来る限り長く楽しみながら、

  カメの健康を維持しつつ、丈夫で美しい甲羅を育てていきましょう。

  

 A日光浴をする。(中波長紫外線UVBを浴びる)

  カメを飼育することを決めたのはダー様ですが、日常のお世話は全てあこがしております。

  あこは日中は家にいるので晴れている日は日光浴の為に外へカメ達を連れて行くことができます。

  夏場は野外飼育に切り替えたほうがいいと獣医師からも回りのカメ友達からもいわれる位に、

  夏場の日光浴は比較的UVB照射率が穏やかな日本において、

  数少ない強いUVBを浴びる事の出来る貴重な季節です。

  外で日光浴させてあげられる環境であるならば必ず日光浴させましょう。

 

  日中家にいない場合はどうするか。また梅雨や冬場等、日光浴できない場合はどうするのか。

  そんな時はUVBを出す爬虫類ライトを使用します。

  またUVBライトのみの使用だとカメの目に悪影響を及ぼす(角膜炎等)ので、

  必ず日光と同じような波長の、光の色が温かいライトを併用することで、

  目への負担を軽減させてあげましょう。(カメ自身も太陽の光に似た明かりを好みます。)

   

 B体内で作られたビタミンD3は肝臓や腎臓で活性型のビタミンD3へと変化します。

  梅雨の時期は、5月に紫外線の強い時期があり、梅雨に入り、その後夏が来るので、

  カルシウムを吸収するためのビタミンD3の生成が間に合わないということはあまり無いようですが、

  冬場は11月から3月までのほぼ半年間有効なUVBを摂取するのが難しくなります。

  その時期はどうするかというと、極力成長しないように餌のあげすぎ、運動不足に気をつけましょう。

  それでも足りなくなる場合があります。

  秋の始まりに一度獣医師の診断を受けて、これからについて相談しましょう。

  冬場だけビタミンD3注射を打つことでカルシウムの吸収を助けることが出来ます。

  秋口と春先は気温は低いものの結構晴れる日があります。

  11時から2時までの一日の中で一番紫外線の照射量が強く、気温も温かいこの時間帯に、

  10分でも日光浴できれば人工的にUVBライトに当たっているのとは比べ物にならないくらい

  効果的だそうです。但し風邪をひかせないように注意しましょう。

 

 C腸管内でカルシウムの吸収を促進する役割を果たします。

  丈夫で美しい甲羅は本当に魅力的です。どうしても餌をねだられればあげたくなってしまいますし、

  日光浴中、暑いから家に入りたがっているのにいれないようにするのは本当に心苦しいです。

  でも全ては大切なカメの健康の為です。そう思えば少しは心を鬼にすることも出来るかと。。。 

  大切なカメの為に頑張りましょう。