もしかして、病気?!

涙目・涙を流している

充血している

目が開かない・瞼が腫れている


鼻水が出ている
鼻が詰まっている
鳴き声をあげる


くちばしの異常
口から何か出している
口の中がおかしい

手・足
怪我
事故
内的要因における手足の不調

皮膚
皮膚が剥ける
皮膚に虫のようなものがいる
内的要因におけるの体調不全
 

甲羅
甲羅の傷・出血
内的要因におけるの体調不全
 

排泄関係

寄生虫(原虫・線虫等)
尿・尿酸

 

 

 口

 くちばしの異常

 カメには歯がないかわりに、硬いくちばしがあります。

 そしてこのくちばしは爪と同様に伸びてきます。

 食事の時にくちばしを使って食べ物を引き千切ったり、噛みきったりすることで、

 くちばしが上手く削れて、伸びるのを防いでいます。

 

 餌が最初から細かくされていて、カメ自身が餌を引き千切ったりしなくてもいいようになっていたり、

 柔らかい葉の部分ばかり与え、カメ自身が餌を噛みきったりする事がない状態が長く続いていると、

 くちばしがその役目を果たす機会がなく、削れる事もなく、伸び放題の状態になってしまいます。

 上手に上下のくちばしが噛み合っているかよくチェックする事も大切です。

 

 受け口

 人間にも様々な口元の人がいるようにカメにも色々な形のくちばしを持つカメがいます。

 上下が噛み合っておらず下の顎が上の顎よりも前に出ている、「受け口」の状態のカメがいます。

 この状態はもちろん先天的なものもあれば、前述の不適切な餌の長期摂取でおこります。

 (先天的なものであれば、ショップなどではカメ自身の価格が少し安くなっています。)

 

 まず一番にくちばしが伸び過ぎないように予防するのが大切ですが、

 先天的な場合はその後のケアが重要になってきます。

 受け口を放置しておくと、顎の変形や脱臼などが頻繁にみられるようになります。

 早期発見で矯正する事が可能なので、

 この状態に気がついた時点で早めに獣医師の診断を仰ぎましょう。

 

 くちばしの長さ

 くちばしの長さは上のくちばしがほんの少し下のくちばしに重なっているという状態が適度な状態です。

 上のくちばしが長くなってしまうと、噛み合わせが悪くなり、前の部分だけやけに伸びてしまい、

 餌を食べづらそうにするようになります。

 下のくちばしが伸びてくれば噛み合わせられなくなるので、受け口になることもあります。

 

 ちょっとくちばしが伸びてくると「キュッキュッ」「カチカチ」等の音を出すこともあります。

 繊維質の多く含まれる餌を与えたり、ミネラルブロックのような硬いものをかじらせることで、

 改善させることが出来ますが、あまりにも伸びている、と感じる場合は獣医師に相談しましょう。

 場合によっては削って整形してもらえます。

 

 餌を細かくして与えるのは本当にベビーの頃だけでいいと思います。

 ベビーの頃は食べられる餌の量が少量な為、一度に様々な野菜を食べる事が出来ないので、

 数種類の野菜を細かく刻んであげることによって栄養バランスのとれた餌を与えることが出来ます。

 これはとても重要な事ですが、8cmを過ぎる頃から餌の要求量も増え始める為、

 刻まなくても様々な種類の野菜を摂取することができるようになります。

 

 柔らかい葉ばかりを与えるのもよくないので、繊維質の豊富に含まれるものも混ぜて与えましょう。

  

 刻んで餌を与えていた場合は、最初はカメ自身も戸惑い、食べない場合もありますが、

 一気に全ての餌を刻まずに与えるのではなく少しずつ様子を見ながら、

 硬いものや長いものを与えることによって、カメ自身にくちばしを使うチャンスを与えてあげましょう。

 そうする事で、くちばしの伸びすぎは予防できると思います。

 

 又、刻み野菜でないと餌食いが悪いと言う場合には、

 ミネラルブロックや貝などの硬い物を与えてあげるのも予防にはかなり役立ちます。

 ケージの中に置いておけば、気が向いたときにガシガシかじっています。

 カルシウムも摂取でき、くちばしの伸びすぎも予防できるので一石二鳥です。

    

 口から何か出している

 口から「何を」」出しているかが問題となります。

 基本的にカメは一度口にいれたものを出すと言う事は滅多にしないので、

 口から何かを出した時は異常な状態であると考えたほうが後々大事にならずに済みます。

 

 「何を」出していたら問題になるのかを見て行きましょう。

 

 食べ物/口から出ている餌に形がある

 食道梗塞

 長い餌や硬い餌(小松菜の茎やチンゲンサイの茎)はまれに噛みきれず、

 餌の端っこが口から出ていたりしますがこの状態は問題ありません。

 あまりにも出ていて、いつまでたってもカメが食べづらそうにしている場合は、

 口から出ている部分を手で持って軽く引っ張ると、

 カメは反発してグイグイ引っ張ろうとして綱引き状態になると思います。

 そうなったらそっと手を離すとアグアグと租借を始めます。

 これで大概の口から出ている餌は口へと収まりますが、

 それでも口から出ている部分が噛みきれないようなら、

 租借する為に口をあけた瞬間を見計らって口から出ているものを取り出しましょう

 (この時指を噛まれないように気をつけないといけません)

 そして再度適当な大きさにして与えましょう。

 カメが噛むにはつかみ所がない、丸ごと飲み込むには大きすぎる中途半端な餌の大きさは、

 食道に詰まって苦しそうに喘いだり、吐くそぶりを見せたり、食欲がなくなったりします。

 カボチャ・アスパラガス・キュウリ・サツマイモ・リンゴ・チンゲンサイの茎の部分などは

 カメの口のサイズを考えて細かくしたり細く切ったりして喉に詰まらせないように気をつけましょう。

 

カメ君がよくやっておりました。主にそのままの長さで与えた小松菜の茎を本人は知ってか知らずか、ぶらぶらさせたまま部屋の中を歩き回っていたり、チンゲンサイの茎の付け根は固くてちょっと大きいので、食べずに残すだろと思い そのまま与えたら、しっかり食べようとして噛みきれずいつまでもグジャグジャグジャグジャかじっている事があります。もちろん放っておいても問題はないのですが、見た目飼い主が気になるので上記のようなやり方で対処しております。

小松菜はブラーンとなった茎を持ち上げてあげるだけで餌がまだ口元にあった!!とカメ君自身が気がつくので自分で食べてくれるのですが、チンゲンサイの茎の部分は丸くて手で取るのも一苦労だし、丸呑みされて喉につっかえたりしないかな・・・等と心配になるので噛まれそうになりながらも手でグジャグジャやっている部分を引っ張って口から取り出して、再度小さくしてあげます。最近はその部分も食べるという事が分かったので、きちんとチンゲンサイの茎の付け根も半分に切って与えています。

 

 

 食べ物/口から出ている餌(物)に形がない(吐瀉物)

 嘔吐した形跡はカメのケージ内もしくは食事をしている場所の付近、

 そして餌皿などで確認する事ができると思います。

 

 吐瀉物なのか下痢便であるかの区別は以下でわかります。

 「色」・・ 吐瀉物であればニンジンやトマトはそのままの色をしている。

      下痢便であれば全体的に濃い緑色をしている。

 「形」・・・ 吐瀉物であれば餌の葉の形がはっきりしている。

      下痢便であれば葉の形はほとんど残っていない。

 「匂い」・・・ 吐瀉物であれば葉っぱ特有の草の匂いがする。

        下痢便であれば匂いは便の匂い。かなりの悪臭。 

 特に分かりやすいのが「匂い」です。匂いをかぐのはかなり勇気がいると思いますが、

 原因究明の為には必要不可欠です。

 

 嘔吐するとしたら原因はどのようなところにあるのかを見て行きましょう。

  

 胃腸障害(消化不良)

 大抵の場合が嘔吐のみではなく、前段階もしくは同時進行的に下痢便が見られます。

 様々な原因が考えられます。

 餌が不適切で腸内細菌が減ってしまった場合

 果物をサイドメニューやおやつではなくメインに大量に与えた場合等には、

 腸内の消化に必要な細菌類までもが死んでしまったりその数が減ったりする事で、

 消化が上手くいかずに、下痢や嘔吐が見られます。

 必ず糖分の含有量の多い果物はサイドメニューに留め、大量に与えないようにしましょう。

 餌を食物繊維の多い野草等にする事によって腸内の細菌も安定して、下痢や嘔吐はおさまります。

 不適切な飼育温度

 ケージ内の温度が偏っていて、餌を食べた後カメが温度の低いところへ行き、消化が促進されず、

 カメが冷たくなっているのに飼い主が気がつき、暖かいところへ移動させた結果、

 急に消化が促進されガスが発生し、それに伴い嘔吐する事があります。

 必ず食事の後は消化が促進されるような暖かいところにカメがいるかどうか確認するか、

 ケージ内に極端に温度差をつけないようにする事で、急なガスの発生は防ぐ事が出来ます。

 更に炭水化物の含有量の多い芋類(カボチャ等)を与えすぎると、体内で大量にガスが発生して、

 それが上手に体外へ出されないと、最悪死亡するケースもあるそうです。

 あくまでもそれらの食物はサイドメニューとしてたまに少量与えるようにしましょう。

 リクガメフードを十分にふやかしていなかった

 容器から出してみると分かりますが、リクガメフードはカチカチの状態で入っています。

 (触ってみるとかなり硬いです。)

 ドッグフードやキャットフード等と違い、そのまま与えてはいけません。

 リクガメフードは必ず水またはお湯でふやかして与えます。

 この時にふやかし方が不充分でまだ芯の部分が硬かったりすると、

 カメのお腹に入った時に硬い部分が水分を含み膨張してカメが吐く事があります。

 各メーカーによって食べるのに適した柔らかさになるまでの所要時間が異なっているので、

 注意が必要です。

 ふやかしすぎるとリクガメフードは水分を多く含んで与え辛くなるだけで問題はないので、

 心持ち長めにふやかしたほうが無難です。

 腐敗した餌を食べた(食中毒)

 カメも人間と同じで、腐っているものを食べればお腹を壊します。

 お腹を壊すだけでは毒素の排除が間に合わない時は吐いたりもします。

 人間が野菜を食べるときと同じように、細菌類にも気をつけてあげましょう。

 (肉や魚を切っているまな板で野菜を切らない等、カメも食中毒を起こします。)

 明らかに腐っている野菜や葉を与えてはいけません。

 人間が食べるには悪くなっているところが多すぎるので、

 キャベツやレタスの外葉をカメに与えたりする場合がありますが、

 この場合でも明らかに悪くなっている部分は取り除いてあげましょう。

 又、何時間も経った食べ残した餌なども早めに片付けてあげましょう。

 (パリパリに乾燥してしまった葉は問題ないのですが、

 リクガメフードや水分を多く含んだ野菜は痛みやすいので食べ残したら撤去して、

 次の時は新しい餌を与えるようにしましょう。

 (餌は食べきる量が適量です。多く与え過ぎないように気をつけましょう。)

 餌の不適切(量・時間)

 餌を決まった量、毎日あげていればあまりそういった事も起こらないのですが、

 それでもとてもお腹がすいている事があるようで、夢中になって餌を急いで食べたり、

 やはり夢中になって餌を大量に食べたりすると、その際沢山の空気も飲みこんでおり、

 それが上がってくる際に(ゲップとして)餌も一緒に吐いてしまうという事があります。

 予防としては大量の餌を与えない事、お腹が空いていて急に食べてしまいそうな時は、

 あえて少しずつ様子を見ながら(ちゃんとゲップをしながら食べているか)与えましょう。

 そうすることで嘔吐するということは防ぐ事が出来ます。

 又、餌はカメが起床して体を十分に温めてから(活動モードに入ってから)与えるのが理想的ですが、

 まれに夜餌を要求するカメがいます。あまりにも餌の要求がひどいので与えると、

 バクバク食べてろくに消化もされていない状態で眠ってしまい、夜中に嘔吐するということがあります。

 どうしても夜餌を与えるときは出来る限り少量に留め、

 食べた後はすぐに寝かせてしまうのではなく数時間はホットスポットをつけっぱなしにしておきましょう。 

 そうすることで嘔吐を防ぐことが出来ます。

 

カメ君が20cmくらいの頃のことです。

家主が帰宅するまでシェルターで眠っていたにもかかわらず、帰宅すると起きてきます。今でもそうなのですが、ただ単に「おかえり〜」という感じで起きてきているだけで、一言二言声をかけるとまた自分のシェルターに帰って行きます。(たまに餌が欲しい時もあり、その時はなかなかシェルターには帰りません)

それをわれわれは毎回餌をねだっているんだと勘違いしてモロヘイヤを与えたところ、(その時はお腹が空いていたわけではなかったらしく)夜中にシェルターの中で嘔吐しており朝気がつき「うわっ下痢!」と思ったのですが、やけに葉の形があるし・・・と思い匂いをかいでみたら草臭い。それで嘔吐したのだとわかりました。(口の周りも汚れていたし。)

 

 異物を誤って食べてしまった場合 (誤食)

 ケージの中でも異物を誤って食べてしまうことがあります。

 色鮮やかな石やウッドチップ等を床材にしていると食べてしまうことがあります。

 食べているのを目撃したらすぐにその床材の使用を中止し、食べても安全な床材か、

 食べられないようになっている床材に変更しましょう。

 食べてしまった床材は大量に摂取していなければ排泄時に出てきます。

 大量に摂取している場合には餌食いが悪かったり、突然吐血したりします。

 そのような症状が見られた場合はすぐに獣医師の診断を仰ぎましょう。

 

 放し飼いにしていると様々なものを口にしている姿を見ます。

 塵やホコリ等も舌を上手に使って食べていますし、台所やテーブルの下でもよく拾い食いしています。

 食べ物であれば問題はないのですが、食べ物以外の場合は気をつけなければなりません。

 輪ゴム・プラスチック・ガラス・石・木など消化できないものも口にしてしまいます。

 先の尖っているものは心配ですが、大概は排泄の際に出てきます。

 大きな物を口にした場合排泄時にいきんだりしますが、無事異物を排泄出来れば問題ありません。

 1ヶ月近くしてから出て来る場合もあるので十分気をつけましょう。

 

カメ君は公園でお散歩させるとずっと野草を食べています。

そのときに一緒に砂や土も食べているらしく1ヶ月近く便に砂が混じっていることがありました。

でもきちんと排泄されているので一安心です。

 

 タバコの吸殻も、公園に落ちているような雨風にさらされニコチンが抜けてしまって、

 紙だけになっているようなものはあまり問題ではありませんが、

 吸い終わったばかりのタバコの吸殻はニコチン濃度も高いので、

 もしも丸々一本食べてしまったような場合は獣医師に相談しましょう。

 毒草を誤って食べてしまった場合

 野外飼育やお散歩に庭や公園へ連れて行ったりした時に、カメにとっては有害な植物が生えていて、

 それを誤って食べてしまうことがあります。有毒植物の識別能力には個体差があり、

 常に満腹もしくは満ち足りている状態であるベビーのうちは頻繁にニオイをかいでチェックします。

 チェックする事で食べられるものと食べられないものを見分けているようで、

 有害植物といわれている物は口にしません。

 しかしながらある程度大きくなると、いつでもお腹が空いているという状態なので、 

 ニオイチェックもそこそこになんでも口にしてしまいます。

 有毒植物でも一口食べてから気がつくというパターンが多いようです。

 少量の摂取であればちょっとお腹を下すもしくは何ともなくてすむ事が大半ですが、

 大量に摂取した場合は嘔吐が見られます。 (痙攣や麻痺も見られることがあります。)

 その際は心配なので獣医師の診断を仰ぎましょう。

 (中毒を起こしたと思われる植物を持っていくと役にたちます。)

 

カメ君は小さい頃は識別能力に優れていました。ベランダに頂き物の「オダマキ」「タンチョウソウ」があったのですが、結構緑豊かに生い茂っていたにもかかわらず、ニオイをチェックして一口も食べませんでした。

ところが20cmを越えた頃、室内にあった「クワズイモ」の鉢植えをガラスのテーブルごとなぎ倒した時は、倒れた「クワズイモ」の葉4枚の内1枚に一口食べた形跡がありました。食べられない有毒植物なのにニオイチェックもそこそこに食べたのでしょう。そして食べた結果美味しくなかったもしくはヤバイ味だと思ったのかそれ以上は食べなかったようです。

その後特に下痢便を出したり、嘔吐する事もなく大丈夫だったようです。

今もベランダにある「アジサイ」をカメ君の目の届くところに置いておくと食べようとします。確かに緑豊かに生い茂っているのでそそられるのでしょう。危ないので高いところに置いてあります。

    

 ストレス(心因的要素)による嘔吐

 飼育環境が不適切であったり(温度・湿度の不適切、床材の不適切等)、

 カメ自身の大きさに対してのケージの大きさが狭すぎる場合(運動不足等)

 急な環境の変化(引越し・旅行等で場所が変わる、長時間揺られている状態が続く)等、

 カメにとってのストレスは様々です。

 更に「1匹じゃ寂しくて可愛そう・・・。」と複数頭飼育によるものがあります。

 確かにショップでは複数頭が一緒に売られていますし、

 一緒に飼って仲良くなれれば良いと思うし、恋に落ちてくれれば最高です。

 しかしながら大概のカメは一人を好み、他者を縄張りを荒らす侵入者と認識して攻撃をします。

 つまり気の弱いカメは常に気の荒いカメに怯えながら暮らしていかなければならないということです。

 その結果心因的なストレスにより体の調子を崩し、吐いたりもします。

 一緒に飼う場合も最初から一緒のケージで飼育するのではなく、まずは別々のケージで飼育して、

 たまに一緒に行動させてどうなるか様子を見てからにしましょう。

 お互いを牽制し合うようなら気の弱いほうのカメにはストレスになるので別々に飼育しましょう。

 特にお互いを干渉し合うでもなく、お気に入りのスポットも異なっていて奪い合う事がないという場合は

 一緒に飼育しても問題はないかもしれません。

 

 以上に説明しただけでなく、様々な事が原因で嘔吐する事があります。

 明らかに元気がなく、食欲も落ちている場合には自己判断で様子を見るのではなく、

 獣医師の診断を仰ぎましょう。

 

 泡・よだれ

 カメが餌を食べているときに泡やよだれを出している事があります。

 カメの口のサイズよりちょっと大きな餌を与えたときなどに見られ、

 噛みきれずに口の中でグチャグチャ噛んでいるうちに唾液や、

 唾液と野菜の水分が混ざって泡になって、口から出てくるようです。

 このような泡やよだれは問題ありません。

 

 ではどのような時に「泡やよだれ」を吐いていたら問題になるのでしょうか。

 

 肺炎

 特に栄養失調のカメやベビーのカメ、年老いたカメ等は体力があまり無く、

 ちょっとの環境の不適切が風邪や肺炎を招きやすくします。

 目の項目で前述したように(詳しくはこちらへ)肺炎には様々な諸症状があり、

 嘔吐もその症状の一つとして現れる事があり、胃に入った食物を吐き出すだけでなく、

 食物と一緒によだれやネバネバした唾液や泡を吐き出す事があります。

 

 特に元気がなく、食欲がないもしくは食べたものを吐くという症状が見られた時は、

 何かしらカメの体が不調であるサインです。

 この場合は直ちに獣医師の診断を受けてください。

 

 日射病・熱射病

 人間と同じように、カメも日射病や熱射病に罹ります。

 その場合、苦しそうに口をあけて呼吸したり、口や鼻から泡やよだれを吐いたり、

 グッタリして動かなくなったりします。

 最悪の場合、脳内にダメージを受け死亡する場合もあります。

 

 もしもグッタリして日射病・熱射病になってしまったと思われる場合は、

 体を冷やす事が先決ですが、いきなり冷たい水をかけるのではなく、

 いつも入れている温浴のお湯より冷たい位の水を少しずつかけ、

 段々水温を下げて、カメの体の内部まで冷やしてあげるようにしましょう。

 

 もしもカメが食べられるようであれば冷たいレタスなどを食べさせて、

 同時に水分補給することも効果的です。

 

 日射病は暑い直射日光下に長時間いると罹りやすく、日光浴をさせる際に日陰はあるか、

 カメ自身がちゃんと日陰に移動しているかをチェックする事で比較的簡単に予防する事が出来ます。

 (日陰にきちんと移動してくれるかどうか、このことにも個体差があります。

 やたらに暑いところに居続けて苦しそうにしているカメもいれば、

 最初から半日陰のようなところを探してずっとそこに居るカメもいれば、

 常に歩き回っていて、腰を落ち着ける時は日陰にいるというカメがいます。

 自分のカメがどのタイプのカメであるかを把握する事が大切です。)

 人間が暑いと感じる日差しはカメにとっても暑いものである事を十分に理解して、

 特に午前11時から午後1時まではUVBの照射量のピークにあたり、

 この3時間で一日の照射量の50%に当たるほど日差しが強くなるので注意しましょう。

 逆にこの3時間の照射はとても効果的なのですが、日射病に罹るリスクも高くなるので、

 逐一様子を見ることができる状況であればいいのですが、そうでない場合は朝の早い時間帯に

 日光浴をさせると日射病に罹るリスクを軽減する事ができます。

 

 特にケヅメリクガメの甲羅は濃い茶色なので日光吸収率は高くなります。

 十分に気をつけてあげてください。

 

 比較的見過ごされやすく、日射病より怖いのが熱射病です。

 日射病は直射日光下に長時間居ない限り大丈夫なので、

 飼育者が気がつきやすく、予防もしやすいのですが、

 熱射病はその熱量を飼育者が適切に把握できていないと陥りやすくなります。

 熱射病というくらいですから、熱が原因で起こる病気です。

 ではどのような場合の熱が問題になるのでしょうか。

 

 ケージ内で日光浴をさせている場合 

 例えばまだベビーなので外に出して日光浴させるのは外敵が怖いし脱走が防げるので、

 とガラスやアクリルのケージから出さずに日光浴をさせている場合があります。

 確かに外敵を防ぐ事が出来て安全なのですが、ケージに通気性があるかどうかが問題になります。

 日光浴をさせるのですから、もちろんケージの何割かは直射日光下に置かれていることと思います。

 そしてその残りの何割かが日陰になります。

 しかしながら直射日光で暖められたケージはケージ全体の温度を上昇させます。

 つまり日陰にしてある部分も高温になってしまう恐れがあるのです。

 ケージ内の温度を(特に日陰の部分も)把握していないと熱射病に罹る危険性があります。

 その際にケージ内に通気性が保たれていれば風が通るので、

 ケージ内部に暖かい空気が留まらずに、日陰の部分は涼しく保つことが出来ます。

 

 戸外で日光浴をさせている場合/ベランダ 

 ベランダが直射日光のまったく入らない日陰の場合は問題はないのですが、

 直射日光が当たるベランダは気をつけなければなりません。

 特にマンションのベランダ等は床面がコンクリートで出来ています。

 コンクリートは直射日光に長時間当たっていると熱を吸収して熱くなります。

 それだけではなく、照り返しで地表面がかなり高温になります。

 真夏は直射日光下のコンクリートの上を素足で歩く事が出来ないくらい熱くなります。

 その結果風の無い日は熱がベランダ内部に滞留して日陰の部分もかなりの高温になり、

 熱射病に罹ってしまうことがあります。

 コンクリートの上にウッドパネル等を敷く事で多少は照り返しの熱を防ぐ事ができます。

 (真夏の直射日光下でも素足で歩く事が出来るくらいにはなります。)

 又日光浴させる前に2度打ち水をしてあげると床面の温度が下がるので、

 快適に日光浴させる事ができます。

 (1回目の打ち水で熱くなったコンクリートの熱を蒸発させます。

 この時にベランダ内部が蒸発する空気で熱く蒸れるので、

 もう一度打ち水をすることで水の冷たさを残す事が出来ます。)  

 日光浴中も暑い日はこまめに打ち水をしてあげる事で熱射病を防ぐ事が出来ます。  

 日光浴をしているカメに直接シャワーノズルでやさしくお水をかけてあげるのも効果的です。

 個体差があるのですが、水遊びを好むカメだと楽しそうに自ら水浴びをしようとしたりします。

  

 我が家のベランダは南向きの5階で、床にウッドパネルを敷き詰めてあります。

 温度計を直射日光の当たる部分のすぐ隣の日陰部分に設置して測定した結果、

 外気温が25度で晴天の場合で地表面の温度は30度を超え、

 外気温が30度近くの晴天では地表面の温度は50度前後になりました。

 

 直射日光下に温度計を置いて測定した結果では、

 外気温が30度以上の日は温度計の針は振り切れていました。

 

 外気温が高い日でも日陰は、

 風のある日と無い日では熱の滞留具合に違いが生じるので地表面の温度にも違いがありました。

 

 戸外で日光浴をさせている場合/アスファルト

 カメを日光浴をさせているアスファルトの部分が、

 直射日光のまったく入らない日陰の場合は問題はないのですが、

 直射日光が当たる場合は気をつけなければなりません。

 前述したベランダのコンクリートの場合と同じく、アスファルトもかなりの高温になります。

 (真夏は素足では歩けないほどになります。)

 日光浴させている場所全てがアスファルトの場合は(例えば道路等)アスファルト伝いに、

 日陰の部分もかなりの高温になります。

 やはり照り返しによる熱射病に気をつけてあげましょう。

 更に直射日光下のアスファルトは溶け出しますので、火傷に気をつけましょう。

 (アスファルトで日光浴させる場合は暑く日差しの強い時間帯はさけるようにしましょう。)

 

 自由に広々とした場所に一部分だけアスファルトの部分がある場合は火傷に気をつけてあげましょう。

 あとはアスファルトの部分に居座らないかどうかを良く観察してあげましょう。

  

 戸外で日光浴をさせている場合/庭・公園など土

 純和風の家の庭は日陰が適度にあり、比較的風通しも良いので問題ありませんが、

 西洋風庭園や公園などは比較的開放的に作られている場合が多く、

 風通し良く木陰もあるのですが低木が少ない為、土の温度が異常に高い場合があります。

 しかも雨の日の翌日で風の無い日のお昼頃は土中の水分蒸発のピークで、

 地表面が異常に蒸していて高温の場合があります。

 カメを公園で日光浴させる時には木陰は涼しいから大丈夫と過信せず、

 地表面の温度に気をつけてあげることで熱射病を防ぐ事が出来ます。

 1箇所にじっとしていないで常に歩き回っているような場合は、

 甲羅が日光を吸収してかなり熱くなっている事があります。

 このような事も日射病・熱射病に罹る原因となりますので、

 カメだけを日当で遊ばせて自分は日陰に居るのではなく、

 時々カメの歩いているところに行ってみる事でその場所の暑さを実感できると思います。

 暑いと思ったら日陰に避難させてあげましょう。

 (真夏の直射日光下は悪条件下では10分で日射病・熱射病に罹ってしまうこともあるそうです。

 気をつけてあげましょう。)

 

 血液

 カメが血液を吐くという事は尋常ではありません。すぐに獣医師の診断を仰ぎましょう。

 ただしよく勘違いする事の一つとして、「トマトの皮」を噛みきれずに口から出していたり、

 消化されずに便に混じる事があります。これは何の問題もありません。

 

 ではどのような時に血液を吐くことがあるのでしょうか。

   

 異物を誤って食べてしまった場合(誤食)

  簡単に前述しましたが、異物を誤って食べてしまって問題になるのは排泄されない時です。

 特に床材として使用している「石」を誤食してしまった場合が問題になります。

 小さな石や少量の石などは誤って食べてしまった程度なら便と一緒に排泄されます。

 床材にペットシート(シートの中に高分子吸収体が入っていて水分を含むと固まるタイプ)を使用して、

 それをカメが大量に食べてしまった場合、口に入るギリギリのサイズの石を飲みこんでしまった場合、

 小さく細かい石を大量に摂取した場合、砂利のように先端が尖っている石を摂取した場合には、

 便と一緒に排泄されずに消化器官に詰まってしまうことがあります。

 その際には食欲が落ちたり、吐くそぶりを見せたり、最悪の場合は吐血したりする事もあります。

 そのような場合はレントゲンで消化管内を確認する事ができるので、

 早めに獣医師の診断を受けましょう。

 

 砂利や色の付いた石、ウッドチップ等をカメは好んで口にしてしまう傾向があるようです。

 なるべく床材にはそれらのものを用いないようにしましょう。

 

 自分のカメが床材を食べたりしていないか、様子だけでなく時々糞もチェックすることで、

 予防する事が出来ます。

 あまりにも床材が糞に混ざっていたり、よく床材を食べているのを目撃する場合には

 食べても問題のない床材もしくは食べる事の出来ない床材に変更しましょう。

 

 異物を誤って食べてしまった場合(中毒)

 形のある異物なら上記以外の場合は排泄されます。

 しかし液体等は中毒症状を起こして麻痺や痙攣、食べ物を吐くだけでなく吐血する場合があります。

 中毒が疑われる状況で、そのような症状が現れた場合は直ちに獣医師の診断を受けましょう。

 

 小さなお子さんのいる家庭では当たり前のことがここでも言えます。

 口にして危ないものは目・手の届かないところに保管して十分に気を付ける事です。

 特にベランダや庭には肥料や農薬、殺虫剤などが保管されている場合があります。

 パッケージにはお花の写真やイラストが入っていたり、ボトル自体が緑色をしていたりと、

 カメの好奇心や食欲をかきたててしまいます。

 

 くれぐれもカメの目・手の届かないところに保管しましょう。

 

 肺炎などの呼吸器系の疾患

  上記で前述しましたが、肺炎等の呼吸器系の疾患が深刻な状態にまで進んでしまった場合、

 食べ物やよだれ、泡を吐くだけでなく吐血することもあります。

 このような場合にはすぐに獣医師に診てもらいましょう。

 

 事故

  ベランダでカメを飼育していて、カメが柵を乗り越えたり、柵の隙間から下へ落下したり、

 目を離した隙に庭から道路へ出ていて交通事故に遭ったりと、

 見た目には大した怪我をしていない場合でも内臓に相当のダメージがあり吐血する場合があります。

 事故に遭った直後、吐血する事も無く、何とも無いようにスタスタ歩き、元気にしていても、

 落下した高さや車に轢かれた時の状況によっては内臓に大きな損傷を受けている場合があります。

 内臓のダメージは最初のケア次第でその後のカメの生命に大きな影響を与えるそうなので、

 一刻も早く獣医師の診断を仰ぎましょう。

 

 カメをベランダ飼育やベランダで日光浴をさせる時には必ず事前に確認をしておく事が必要です。

 まず飼育者が床に這いつくばって、カメが通行可能な隙間をふさぐと同時に、

 手すりの柵の部分も下のほうが結構隙間があり、行動的なベビーのカメなら通れるくらい開いており、

 柵と柵の間の間隔もカメが横向きになったら擦りぬけられるかもしれません。

 網を張る等して通れないようにしましょう。

 

 庭で放し飼いや日光浴させる場合も脱走して道路に出て行かないように注意しましょう。

 

 いずれにしてもカメが血を吐くというのは通常ではありえない事で、命にもかかわる事が多いので、

 そのような事態が起こった場合はすぐに受診するようにしましょう。

 

 口の中がおかしい

 カメの口の中は欠伸などをした時に見ることが出来ますが、とても綺麗なピンク色です。

 初めてカメの口腔内を見た時はあまりの綺麗さに驚きました。

 カメは歯がないので歯石がついたり虫歯になったりということはありませんが、

 口腔内部の疾患があります。

 

 口内炎 (マウスロット)

  原因は様々で、先の尖ったものを食べて口腔内に怪我をしてそこが化膿した場合や、

 人間がストレスや胃を患っていたり、ビタミン不足だと口内炎が出来やすくなるのと似ていて、

 カメもストレスで体の調子が悪い時や栄養不足だったり、

 消化器官をわずらっている場合等に口内炎になるようです。

 

 放置しておくと口内炎が原因で餌が食べ辛く

 (人間と同じように口内炎は痛みを伴うので、)その結果食欲が落ちて、

 最悪栄養失調で死亡するというケースもあります。

 

 口の中が常にネバネバしていたり(口の開け閉めの際、餌を食べた後でもないのに唾液が糸を引く)、

 小さな白い斑点(プラック)が出来ていたり、黄色い薄い膜のようなもので覆われている場合は、

 口内炎にかかっている可能性があります。

 口腔内の化膿が進むと膿や唾液が塊となって(白から黄色みがかったチーズのカスのような物体)

 口の中や周りに付着する事もあり、カメがしきりに前足で口を掻くようなそぶりがみられます。

 

 リクガメを飼育している場合、先の尖った餌を与えるという事はあまり無いのですが、

 外で日光浴をさせている際に(特に公園等で)、

 先の尖った物(枝や鋭い葉など)や石、有毒植物の誤植等で口腔内に傷が出来て、

 その傷口が口内炎になることがあります。

 先の尖ったものを口にしていないか注意する事が大切です。

 

 もしも口の中に傷を発見した場合には化膿させないことが重要になります。

 口腔内の傷口を消毒してあげましょう。

 自宅でもイソジン等のうがい薬で消毒する事が出来ますが、

 カメの口を開けて消毒するのはなかなか困難なので、一度獣医師の診断を仰いで、お薬を貰って、

 その時にカメの口のあけ方を習うと良いかと思います。

 (どこをつかんで、どれくらいの力で開けるのか、どうやると一番カメに負担がかからないか等、

 初めてだと加減がいまいち分からず不安だと思いますので、獣医師の元での練習ができると

 一安心です。)

  

 舌の色の異常

  カメの口腔内や舌は綺麗なピンク色ですが、それが何らかの疾患であると色が変わる事があります。

 勘違いしやすいのですが、色の濃い花や色素が沈着しやすい葉を食べたときなどは、

 口の中がその色に染まっている事があります。これはもちろん問題ありません。

 

 基本的には口内炎も舌炎も食事の際に痛みを伴うので、食欲不振が見られます。

 

 ・青紫色 舌が青紫色である場合は本当に緊急事態です。

       血液中の酸素濃度が低下している状態で、呼吸が上手に出来ていない状態を指します。

       肺炎等の内的疾患における呼吸困難が続いている場合にもこの症状は見うけられ、

       事故など何らかの理由で肺が圧迫され呼吸が上手に出来ない場合に見られます。

       つまり酸素不足なので一刻を争います。カメ自体もグッタリとして食欲も元気も無く、

       苦しそうにしていると思います。

       このような場合はむやみやたらに動かさないほうが良い場合もあります。

       すぐに獣医師に連絡を取り、指示を仰ぎましょう。

 

 ・黄色  舌が黄色である場合は口内炎で口腔内に膿がたまっているという状態か、

       なんらjかの原因で黄疸が出ている状態とがあります。

       また呼吸器の感染症でも黄疸が出ることがあります。

       黄疸は肝機能に何らかの障害がある場合に出ることが多く、

       栄養バランスの悪い食事を長期間与えられた事によって、

       肝機能障害を起こしている事があります。

       治療は可能なので早めに受診しましょう。

       

 ・赤色  舌が赤色である場合は舌炎を起こしている可能性があります。

       原因は口内炎とほぼ同じで、先の尖った物を食べて舌を傷つけてそこが化膿した場合や、   

       カメもストレスで体の調子が悪い時や栄養不足だったり、

       消化器官をわずらっている場合等になるようです。

       炎症を起こしているので全体的に舌が真っ赤になります。

       大体口内炎を起こしていると舌炎も併発している場合が多いようです。

       餌を食べるときに痛みを伴いますので、食欲不振になります。

       餌を食べようとして、口の中が痛いから食べるのを止める→食欲不振、

       という状態のうちに獣医師にかかったほうが治りは早くなります。

       餌を食べない状態が続くとそれだけで体力が落ちていくので治りも遅くなり、

       症状も悪化させることになりかねません。

       消毒が大切ですが、まずは受診して判断を仰ぎましょう。