もしかして、病気?!

涙目・涙を流している

充血している

目が開かない・瞼が腫れている


鼻水が出ている
鼻が詰まっている
鳴き声をあげる


くちばしの異常
口から何か出している
口の中がおかしい

手・足
怪我
事故
内的要因における手足の不調
 

皮膚
皮膚が剥ける
皮膚に虫のようなものがいる
内的要因におけるの体調不全
 

甲羅
甲羅の傷・出血
内的要因におけるの体調不全
 

排泄関係

寄生虫(原虫・線虫等)
尿・尿酸
 

 

 

 

 排泄関係

 

 

 健康なカメの糞は濃い緑色でしっかりとした硬さがあります。

 ベビーの頃は人間の小指の一関節位の小さな糞ですが、

 成長と共に量・大きさ共に人間並になります。

 

 下痢

 カメもお腹の調子が悪いと下痢をします。

 体調不全の最初のサインは下痢とも言われています。

 但し環境要因に因る所も大きいようなので、他の症状(鼻水・開口呼吸等)が見られず、

 元気で食欲もあるのに下痢をしているというときは、慌てず騒がず、2〜3日は様子を見ましょう。

 餌として不適切な植物を食べた時も下痢になる事があります。

 (口の項目(胃腸障害)で前述済みです。詳しくは→こちらへ

 

 下痢便の状態は水溶性のものから油っぽくドロドロしたものまで様々です。

 臭いは普段固形の糞の状態の時よりも悪臭です。

 回数も固形の糞をきちんと出す時は個体差が出ますが、1日に数回もしくは1回に数個排泄します。

 それに比べると下痢の時には温浴の際に大量の下痢便をし、

 その後頻繁に少量ではありますが下痢をするといった状態の場合もあり、

 健全な排便に比べると回数が多くなります。

 

 わりとお腹がデリケートなようで、ちょっとしたストレスでも下痢になったりするようです。

 車での移動の揺れや飼育環境の変化でも下痢になりやすく、

 それらの場合はカメが落ち着いて環境に慣れることで下痢も大半はおさまります。

 又冬場の温度管理は非常に難しく、

 (ケージで飼育できる大きさのときは大丈夫なのですが、大きくなって室内に放し飼いになると)

 室温を高めに設定していても、お腹を下してしまう事があります。

 

 下痢を予防するには常にカメの生活環境を適温に保つ事が第一です。

 特に冬場はカメが火傷しないように注意しながら足元暖房やホットカーペットなどを設置するなどして、

 カメのお腹を冷やさないように心がけましょう。

 (又暖かい空気はどうしても天井付近に集まりやすいので、床面との温度に差が生じます。

 天井にシーリングファンや扇風機を取りつけるなどして部屋全体の空気をかき混ぜる事で、

 天井と床面の温度差を縮めることが出来ます。)

 

 適温を保っているにもかかわらず、下痢をしている場合には、餌の見直しが必要です。

 サイドメニューに留めておくべき果物を大量に与えたときなどは、

 お腹の中の消化に必要な細菌類をカメにとっては過剰な果物に含まれる糖分や酸が殺してしまい、

 その結果下痢になる事があります。

 (リンゴ、バナナ等とても喜んで食べますが、あくまでもサイドメニューに留め、

 たまにおやつとして少量あげる程度にしましょう。)

 

 そして小松菜やチンゲンサイのような茎の部分に多くの水分を含んでいるような野菜は、

 与えすぎると下痢になる事があります。

 水分を取らせる事は、自分で水を飲む事をしないケヅメリクガメにとっては特に重要ですが、

 糞が若干緩めの時には野菜の茎の量を減らすなどの対応が必要です。

 

 水分含有量の多い茎などを減らしたのにもかかわらず、下痢がおさまらないときは、

 繊維質の不足も考えられます。

 野草を採取できる時期であれば、タンポポ、オオバコは下痢を止めるのにとても効果的です。

 野草を採取できない時期はなるべく繊維質の多く含まれている野菜(カボチャ、サツマイモ等)を

 レンジなどで加熱して柔らかくしてから普段の餌にトッピングして与えましょう。

 (できればこの時、糖分が多く含まれていると更に下痢を悪化させかねないので、

 糖分含有量の少ないカボチャやサツマイモが入手出来ればそれにこした事はありません。)

 

 但し野草も繊維質の多い野菜も与えすぎると今度は便秘になってしまいます。

 与えるときは必ずそれ単体ではなく、他の野菜に混ぜて与えるようにしましょう。

 

 そうした餌の見直しを行っても下痢が止まらない場合は餌の量を減らします。

 (いつも与えている量の半分から3分の1くらいまで減らします。)

 

 各見直しは大体2〜3日で成果が現れますが、1週間以上たっても下痢が続いている場合は、

 他の病気に由来している場合も考えられます。

 更に長期間の下痢は脱水症状を引き起こします。

 元気で食欲がある場合は数週間様子を見る事も可能ですが、

 元気が無く、食欲も無い場合は出きるだけ早く獣医師の診断を受けましょう。

 

 便秘

  頻繁な排便の下痢はとは逆に、又く排便をしなくなってしまうのが便秘です。

 1週間以上排便が無く、いきんでいるのに(苦しそうに唸り声をあげる事もあります)便が出てこない、

 落ち着き無く終始ウロウロしている等といった症状が見えられる場合は便秘が考えられます。

 

 環境の変化で便秘になる事があります。この場合は環境に慣れさえすれば排便するようになります。

 餌が極端に繊維質が不足していたり、また逆に繊維質だらけの食事でも便秘になります。

 繊維質が足りない場合は繊維質を多く含む野草などを餌に加え、

 逆に繊維質が多すぎる場合は(主に野草のみを与えている場合に多く見られます)、

 野草の数を少し減らしてチンゲンサイなどの野菜も混ぜて与えるようにしましょう。

 

 ケヅメリクガメの場合はベビーでもかなりの運動量を必要とします。

 蠕動運動が促されない為、運動不足も便秘の要因になります。

 

 更にケージ内の湿度不足も便を硬くする要因になり、

 その際体内の水分が不足している為、尿酸も固まりになりやすく、

 その尿酸が排泄されずにいると直腸などが圧迫され、その結果便秘になったりもします。

 特にケヅメリクガメは自分で水を飲みにいくといた行動は稀なので、

 ケージ内の湿度管理は本当に重要です。常に60%位を保つように心がけましょう。

 

 毎日きちんと温浴をさせている場合は、水分不足も解消されます。

 温浴の際にカメ自身がお湯の中に顔をつけたりして水を飲むからです。

 (お湯を飲まなくても、湯気を吸う事で多少は体内に水分が取り込まれます。)

 温浴に関しては賛否両論あり、もちろん野生のリクガメは温浴などといった習慣はありませんので、

 自然な行動とは言いがたいかもしれません。

 

 しかし、ベビーの頃のカメは便秘になりやすく、便秘が原因で死亡に到る事もあるのです。

 人間にとっての便秘は苦しいけれど死に到る事はありません。

 その結果便秘の状態を軽視しがちですが、体力の低下時など場合によっては

 カメの場合は命取りになるという事も理解しておかなければなりません。

 

 そのことを考えた場合に、滅多に自分で水を飲みに行かないケヅメリクガメが、

 温浴時に体を温め、水を飲んだりする事で排泄が促されるといった効果が充分に期待でき、

 カメ自身が嫌がるのであれば考え物ですが、とても気持ちよさそうに温浴をしているので、

 あながちカメにとって不必要な行為とも言いきれないのではないかと思います。

 

 下痢、便秘ともにその大半が飼育環境に起因しています。

 毎日しっかり日光浴をしながら運動して、繊維質のきちんと含まれている餌を適量食べて、

 飼育環境内が適温であれば、毎日の温浴時に形のしっかりした糞を排泄します。

 (排便はカメの健康を測るバロメーターです。汚いと嫌がらずに頑張って観察しましょう。

 そのうち形のしっかりした糞を出すようになると、それだけで嬉しくなるものです。)

 

 寄生虫(原虫・線虫等)

 

  まず最初に、カメには寄生虫がいます。(人間だって多かれ少なかれ寄生虫を持ってます。)

 しかしそのほとんどは人間には何ら害を及ぼすものではありません。

 (カメによる動物由来感染症はサルモネラ菌によるものくらいで、これだってカメを触った後は、

 きちんと手を洗うなど最低限の事をきちんと守っていれば感染する事はありません。)

 

 ワイルド(野生)個体と繁殖個体とではやはりワイルド(野生)個体の方が寄生虫の数は多いです。

 

 寄生虫がいると何が問題かというと、寄生虫でも原虫は人間には感染しませんが、

 同じケージ内で飼育している場合、カメ同士で感染する事や、

 カメ自身が健康で元気な場合はなんら問題も起こさない場合がほとんどですが、

 カメが何らかの理由(風邪や胃腸障害など)で体調が悪い時に、体内で寄生虫が異常繁殖を起こし、

 その結果何らかの病原性を発し、カメ自身の体を攻撃するといったことが起こり、

 元気が無くなったり、食欲が無くなったり、体重が極端に減ったり、未消化の下痢便が見られたり、

 下血が見られたりする場合があるようです。

 

 寄生虫でも線虫は基本的には人間に感染したりしませんが、

 (線虫を口に入れるようなことはまず無いでしょうし・・・)

 カメ自身の体調が思わしくない時には体内で異常繁殖します。

 その見た目が最悪で、小さな線状の赤っぽい虫が糞と共に大量に排泄されます。

 さらに最悪な事に、体内で大量に繁殖してしまった場合は下痢便のことが多く、

 ケージ内で下痢便を排泄してしまうと、ケージ内に線虫が逃げ出してしまいます。

 

 必ず、新しくカメを購入した場合はその帰りもしくは近日中に獣医師の診断を受け、

 駆虫を施してもらいましょう。(但し、カメの体調が悪くならない限り悪さをしないので、

 先生によってはする必要は無いといわれる場合もあるようですが、

 将来又は現在他にもカメを飼っている場合は同居しているカメのためにも駆虫をしてあげましょう。)

 

 駆虫が済むまでは寄生虫がいるということを頭に入れてケージ内の床材は使い捨ての物にしましょう。

 温浴の際には糞をしたらすぐにお湯を変え、糞とそのお湯はトイレなどに流しましょう。

 ケージ内で糞を見かけた場合はカメに糞を食べられないように、

 (消化管内にいる線虫と経口摂取した線虫という風に糞を食べていると、

 どんどん体内の寄生虫は増えてしまいます。)すぐに捨てて、床材も全て捨て、消毒・洗浄します。

 

 況や駆虫が済むまでは先住カメとの同居は駄目です。

 寄生虫の感染のみならず、新しく買って来たカメは他に感染性の病気を持っているかもしれません。

 必ず検疫期間を設け、健康診断及び駆虫が済むまでは隔離しましょう。

 

 尿・尿酸

 

 温浴させると分かりやすいかもしれませんが、カメの排泄は大体、

 尿→尿酸→糞、の順番で行われるようです。(大半は気が付いたら尿と尿酸は一緒に出しています。)

 

 尿の色はその時々のカメの状態に比例します。

 水分不足ぎみの時に排泄される尿はほんのりと黄色っぽい〜茶色っぽい色の時がありますが、

 ベストな状態の時はその大半がサラサラの水のような状態の無色透明です。

 但し尿酸が塊として排泄されずに、尿に混じって排泄される時があります。(異常ではありません。)

 そんなときの尿は若干トロッとしています。

 

 尿もカメの体調を知る上での大切な手がかりとなります。

 なるべく「色」がわかりやすい入れ物で温浴させてあげましょう。

 (白っぽい色の桶状のものがお勧めです。)

 

 尿酸はベビーの頃は比較的毎日出すようですが、毎日出るとも限りません。

 特に成長してくると尿酸の排泄期間が長くなるようです。

 きちんとケージ内の湿度が適度に保たれていて、餌にも適度な水分を含むものを与えており、

 毎日温浴もしているような場合は、いきんだり苦しそうにしていたり、便秘が見られたりしない限りは、

 そんなに心配する事も無いかと思います。(ある日まとめてゴワーッと排泄する時があります。)

 

 目の項目(尿酸結石)で前述済みです。詳しくは→こちらへ