ブルドーザ
土工教室
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 土工機械
  • ブルドーザ Bulldozer
    履帯式トラクタにブレード(排土板)を取付けた機械

    大型ブルドーザ

    → 超大型ブルドーザの歴史

    掘削、押土、整地等の作業に用いられ、建設機械の王様的存在であったが、昭和50年代から生産が激減した。

    装着履帯により、湿地ブル、乾地ブルに区分され、一般的な掘削押土距離は60m程度までとされる。 大きさは、4t~130t級まであり、21t級以上はリッパ装置を装着して、軟岩等の掘削が可能である。
    また、ブレードの種類も下記のようなものがあり、目的に応じて使い分ける。


       ブルドーザの仕様
            各社HPへリンク →

  • ブルドーザの構造
    大型ブルドーザの構造

  • ブルドーザの排土板(ブレード) Dozer Blade
    ストレートドーザ :ブルドーザのアタッチメント ストレートドーザ

    チルトシリンダを標準装備して、中型ブルドーザ排土板の標準型となっている。


    ユードーザ(U板) :ブルドーザのアタッチメント U ドーザ

    押土用にU型で排土容量を増加している。 超大型ブルドーザでは、セミUブレードの装着が標準となっている。
    スクレーパのプッシュ作業には、タイヤカットを起こしやすいので不向きである。 軽量物用には更に大容量用の箱形のチップドーザやコールドーザがある。
    アングルドーザ :ブルドーザのアタッチメント アングルドーザ

    パイロット道路などのブルドーザの片切・盛こぼし作業に向いている。
    ケーブル式時代に大いに活躍した。
    アングル角度は、Cフレームへのブレース取付位置を手作業で付替える。
    パワーアングルドーザ :ブルドーザのアタッチメント パワーアングルドーザ

    近年、小型ブルドーザから油圧式アングルブレードの標準装備が増加している。 このタイプは、油圧チルトも備え、運転席からブレードを自在に操れる。
    レーキ板 :ブルドーザのアタッチメント レーキドーザ

    抜開除根用のブルドーザブレードである。
    倒木作業には別のアタッチメントが必要である。

    トリミングドーザ :ブルドーザのアタッチメント ツーウェイドーザ

    前押しと掻き寄せの2通りに使えるブレードである。
    穀物運搬船などの船内荷役作業用のブルドーザによく使われる。

    バケットドーザ :ブルドーザのアタッチメント バケットドーザ

    押土距離が長いブルドーザ作業の場合に、掘削と運搬工程を本機で分離して運搬効率を上げる。
    水中ブルドーザでも使われている。


  • リッパ Ripper
    ブルドーザ後部に装着する軟岩掘削用のアタッチメントである。
    油圧化される以前は、ケーブル操作の牽引式でルータと称した。
    21t級以上の乾地ブルドーザに装着して使用する。
    15t級ブルドーザや大型グレーダに装着する小型多本爪のものは、硬土掻起し用でリッパスカリファイアとも称する。
    リッパによる岩の破砕能力はリッパビリティと呼ばれ、岩盤の弾性波速度測定によって予測する。

    マルチシャンクリッパ :ブルドーザのアタッチメント
    マルチシャンクリッパ

    3本爪の標準的なリッパで、岩盤の硬さによってシャンク本数が変えられる。 但し、2本仕様は大割れ、片荷になりやすく推奨できない。
    リンク機構は、4本シリンダで掘削角度を変えられるアジャスタブル(可変)リンクが一般的になっている。   → 写真
    ジャイアントリッパ :ブルドーザのアタッチメント ジャイアントリッパ

    大型シングルシャンクのリッパ、深掘りができるようにシャンクが長く、タンデムリッピング用のプッシュブロックが付いている。
    パラレルリンクリッパ :ブルドーザのアタッチメント パラレルリンク

    パラレル(平行)リンク機構によって、貫入深さを変えても貫入角度が一定に保たれる。
    嘗て、CAT D7Fの標準リッパ機構であった。

    ヒンジ式リッパ :ブルドーザのアタッチメント ヒンジ式

    簡便な機構で安価であるが、貫入深さによって、シャンク角度が変わってしまう欠点がある。 近年のブルドーザには使われないが、ホイルタイプ建設機械のリッパスカリファイアの機構として採用例がある。

  • その他のアタッチメント
    ウインチ トーイングウインチ

    主に林業で使われる。

    ケーブル式トラクタの時代には、類似のケーブル・コントロール・ユニット(CCU、PCU)を装着し、ブレードや牽引式スクレーパを操作した。

    ドーザバックホウ バックホウ

    小型のブルドーザでは、バックホウのアタッチメントを装着することがあったが、今日ではあまり見かけない。

  • ブルドーザのクローラ(履帯)シュー(履板)
    ラグ付乾地シュー
    乾地ブルドーザ用のシュー(履板)

    通常の乾地タイプのシュー、ブルドーザの場合はグローサ(ラグ)が1本である。
    セミ湿地と称する低接地圧の幅広タイプもある。


    三角シュー
    湿地ブルドーザ用の三角シュー
            LGP: Low Ground Pressure
    わが国で開発された軟弱地用の三角型シュー、これを装着したものを湿地ブルドーザ(Swamp Dozer)という。
    CAT製品は、くの字形のカーブアペックシューとなっている。

  • ブルドーザの作業能力

    • 作業能力の算定式

      Q = 60 ・q ・f ・E /Cm

        Q : 時間当たり作業量 (m3/h) 
        q : 1回の掘削押土量 (m3
         f : 土量換算係数
        E : 作業効率
       Cm : サイクルタイム (min)

      Cm = 0.038・ℓ + 0.20

    • 土工板容量

      ブルドーザの作業量を計算する場合、q の土工板容量の求め方が難しい。
      以下に、道路土工指針とSAE規格の求め方を示す。

      • 道路土工 施工指針

        ブルドーザのブレード(排土板)容量

        土工板による押土形状を上図のように考えると土工板容量は次式で表される。

        q0 = L・H2 { 1/2 tan ( φ + α ) + ε }μ
          = 0.693・L・H2

          q0 : 土工板容量 (m3
           L : 土工板の幅 (m)
          H : 土工板の高さ (m)
          α : 運搬路の勾配 ( 0°)
          φ : 材料により決まる角度 (標準 30°)
           ε :     〃     係数 (標準 0 )
          μ :     〃     係数 (標準 0.80 )

        実際のブルドーザの押土では、当初の掘削土が押土中に排土板からこぼれる距離減衰があるので、q0に係数ρを乗じて求める。

         → ブルドーザの作業量

      • SAE J1265 (IMAC)


  • 日本ブルドーザ史

  • ブルドーザの騒音・振動


    他の機種の解説
    ブルドーザ スクレープドーザ スクレーパ ショベル系掘削機 ローダ ダンプトラック
    モータグレーダ 締固め機械 連続土工システム 穿孔機(削岩機) 作業船


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