7.建設期間の設定
近隣や知人の新築や専門家の勧めで建築を思い立つのは感心できま
せん。建築の内容は計画時の状況で決り易いので、人生設計を基に
適切な建設時期をお考え下さい。検討する主な要素は次の内容です。
*関係者の健康,結婚,出産,進学,独立,退職や事業展開,年回り等
*貯蓄状況,借入条件,返済完了時期,既存建物の償却.耐用年数等
*建物取得の課税率,借入金利や建設物価,環境変化等の将来予測
計画を始める時期は下記の建設期間を検討し、用途に応じた入居や
募集,開店に最適な時期から逆算してご設定下さい。 又固定資産税
の課税は1月1日が基準ですので、年末の取得は避けたいものです。
尚計画や工事の遅れ等もありえますので、予備期間もご考慮下さい。
■建設期間の目安 (注)環境,用途,構造,階数,面積,品質等で調整要。
【準備検討期間】建築主の基本条件の検討.設定−3〜12ヶ月
【企画設計期間】企画提案,基本+実施設計,積算−6〜12ヶ月
【申請入札期間】確認申請.審査,工事見積.査定−1〜 2ヶ月
【工事施工期間】用途,規模,構造,階数等で設定−5ヶ月以上
<参考概算工事期間算出式> (注)規格住宅を除く。
*W(木)造−4+総階数(ヶ月) *S(鉄骨)造−5+総階数(ヶ月)
*RC造 −6+総階数(ヶ月)又は89日+37日×地下階数+
27日×地上階数+0.08日×延面積u÷総階数
*SRC造−7+総階数(ヶ月)又は26日+44日×地下階数+
34日×地上階数+0.13日×延面積u÷総階数
<凡例>RC:鉄筋コンクリート、SRC:鉄骨鉄筋コンクリート
【入居準備期間】家具.備品搬入、移転、完成披露他−10日以上
●参考HPリンクボタン↓
・スケジュールナビ(ザ・ハウス作成)
建設期間は建物の寿命に比べれば僅かな期間です。短期間の為に
ラフな設計や手抜工事となれば、後悔するのは建築主ご自身です。
特に設計期間は建築主のご要望と品質等を決定する重要な期間で、
料理に例えればメニューに沿って下準備と仕込をする時間に当り、
結果を左右します。設計期間が短かければ綿密な調査や打合せと
充分な検討が不足して、将来の不満,苦痛や工事中の変更,追加等
による工期の延長や割高な追加費用を招く直接の原因になります。
建築主のご要望を充分反映し又適正な品質と価格を実現するには、
それ相当の打合せと検討及び図面作成の為の時間が必要なのです。
一般の木造注文住宅でも20回前後の設計打合せと30枚前後の
実施設計図を作成する期間が必要で、設計依頼から工事完成迄は
少なく共1年以上は必要と思われます。後悔しない建築を作る為
には設計者と充分話合って内容に関して納得しておく事が基本で
すので、まずは設計期間を充分確保する事が大変重要と言えます。
建設期間を軽視する様では、満足できる建築等とても望めません。
建設の手順や期間,業務内容等の考え方は専門家の体質で随分違い
ますので、候補者選びの際に聞かれたら必ず参考になるはずです。
尚当社業務実績の設計+申請や工事施工の期間もご参照下さい。
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