2.計画の基本条件
建築はスタートが肝心で、専門家に依頼する迄の準備検討期間は
その間の検討内容で計画が進む人生の新しい出発点です。建築は
豊かな人生を送る為の重要な手段ですので、"どう生きていくか?"
という建築主の人生設計を計画に反映させる事が基本と言えます。
もし途中で基本的な要望が変更になれば計画の遅れや中止もあり
ますので、家族や関係者間の意見統一が計画の前提となります。
まずは予備知識を集めて、多くの助言や経験談を参考に基本的な
要望を検討して、計画の実現に最適な専門家に依頼される事です。
もし基本的な要望が曖昧なままに"建築は解らないから"と安易に
知人やメディアに登場の専門家に頼んだり、設計の無料サービス
や見合い写真まがいの設計コンペや専門家斡旋サービス等に気軽
に手を出されますと、得意な診療科目も良く判らない病院のラフ
な問診と検査による医療ミスを招く様な結果にもなりかねません。
計画の方向を決める企画提案は敷地や法令,予算,期間等の条件と
建築主の隠れた要望を把握し、考えられる複数案を比較検討する
手間と時間と能力を要する重要な業務で、片手間では出来ません。
建築主の人生を賭けた計画の提案は街頭のティッシュ配りや食品
売場の試食の様に無料提供できる程簡単な業務とは思えませんし、
一般の事務手数料や消費税並の報酬では適正な業務等望めません。
なぜ無料で提案出来るのか?設計軽視の顧客心理につけ込む体質
が見え隠れします。"時間と費用をかけずに提案を依頼したい"と
思われる際は、必ずそれ相当の危険が伴う事を充分お考え下さい。
●上記の"それ相当の危険"への質問の回答(当社作成)
一般に要望となれば外観や間取り,材料,色調等の目に見える物に
まず気をとられがちですが、その前に必要な検討事項があります。
建物自体の細かい要望等は設計者と相談しながら考える事にして、
建築を依頼する側として目には見えない下記の基本条件を適切に
設定される事が最も重要であり又満足のいく結果を生むものです。
〇だれが資金を負担するか? −【建築主の設定】
◎どの様なものをつくるか? −【計画目的の設定】
◎どの様な人に依頼するか? −【専門家の選定】
〇いつ頃入居,開店したいか?−【建設期間の設定】
◎どの位の費用で建てるか? −【建設予算の設定】
〇敷地に不明な点はないか? −【敷地条件の確定】
以上の基本条件は相互に関連して、一つでも適切でないとそれが
原因となってとても満足のいく様な結果にはなりません。例えば
建築主により目的や予算が、又目的により専門家や期間,予算が、
又敷地条件により建築主や目的,期間,予算が、変わってきます。
もちろん専門家がバランスをとる為適切な助言をするはずですが、
その為には計画に相応しい中立な専門家に相談する事が重要です。
建物自体の細かい要望等についてはとりあえず先送りしましょう!
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