P7 Management Consulting

☆企業の目的とは何か?



企業の目的は何か?

経営の巨人、ピーター・ドラッカーは

「事業体とは何かと問われると、たいていの企業人は
 利益を得るための組織と答える。
 たいていの経済学者も同じように答える。
 この答えは間違いではない。
 的外れである。
 事業の目的として有効な定義はただひとつである。
 それは顧客を創造することである」
                      (現代の経営より)

また、ハーバード大学名誉教授 セオドア・レビット博士は

「利益は、会社の目的を的確に表現するものではないし、そこから行動が生み出されるわけでもない。
 利益は活動の成果、すなわち所産にすぎない。(略)
 食物が人間生活の必需品であるように、利益は会社が存続するための必需品である。
 それなくしては会社の生命を維持できない食物である。
 利益が目標だと言うのは、人生の目標が食べることだというのと同じくらい愚かなことだ。(略)
 行動可能な言葉で会社の目的を定義すれば、それは顧客の創造と維持ということになる。」
                                         (HBR 2002年5月)

企業の目的は、何か? 

「それは顧客の創造」

にしか他ならない。

マッキンゼーを作った男といわれるマービン・バウワーは、

「企業躓くのは、
 正しい質問に、間違った答えをだすからではなく、
 間違った質問に、正しい答えをだるから」

と面白いことを言っている。

この本質を理解できている、いない場合では、
業績不振の時に、テーマ設定(質問)が異なってくるだろう。

本質を理解できていない場合には、

「利益を上げるにはどうすればいいのか?」
または、
「売上を上げるにはどうする?」

というテーマ・質問となってくるだろう。

本質を理解できているならば、

「顧客にとっての価値あるものを提供できているのか?」
「その提供方法は効率的に運営されているのか?」

というテーマ設定・質問になってこよう。

「売上を上げろ」という視点で考える以上、
既存の商品・既存の形が前提となり、思考が内向きになってしまう。
そしてイノベーションが行われない。

「より世の中に価値あるものを提供せよ」という視点で
考えたら、顧客のことを考えざるを得ない。
そしてイノベーションしなければならなくなる。

経営とは、単に数字の世界だけではない・・・
その本質は人と人の関わりを扱うものである。

売上とは、販売した金額
粗利とは、売上から原価を引いた金額
営業利益とは、粗利から販売費・一般管理を差し引いた金額。

これはこれで正しいし、会計上もこのような計算をします。

しかしながら。各々の言葉には、メッセージがあるのです。

「売上」とは、世の中に価値あるものとして認められた尺度
「粗利」とは、有り難味の尺度
「利益」とは、世間が存続を認めている尺度。

と・・・・・、即ち、顧客に認められ、その価値の提供を効率的に行う
ことで、結果として利益が発生するという仕組みになっている。

本質は、「企業の目的=顧客の創造」
     「利益は活動の結果」

という構造を是非、多くの方に理解していただきたい。

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