P7 Management Consulting

外注費を抑える A


@では外注するか・否かという論点について整理したものですが、
ここでは、外注した場合の外注費の管理について考えてみます。

管理の基本中の基本とは
・目標→計画→実施→統制→調整
のサイクルであることは言うまでもありません。

それに基づいて考えると

@受注が決まった段階での目標予算が明確になっているか?
ということがまず最初のチェックポイントとなります。

見積もり段階で、売価100、原価80で提示したものが。
商談の結果売価80で受注することになったというケースは頻繁に発生します。

この段階で、見積時点と同様の80というコストレベルで発注をかけていたのでは、
利益0ということになってしまいます。

この段階で、原価目標を見直す必要性があります。全体の原価の目標をどのように設定するか?
そして、内製部分のコスト目標は、そして外注部分のコスト目標は・・・
というように目標を設定する必要があるということです。
具体的に、全体コスト70とする、うち内製50、外注20というように目標設定をしなければなりません。

「受注金額が厳しいので、できるだけ原価を落して・・・」という曖昧な指示では結果は押して知るべしです。

A次には、そのコスト目標が達成できための計画・皮算用をする必要があります。

見積もり時点で外注原価23であったものが、目標として20となった場合の
どのようにして20を達成するかを考えることになります。
いくつかの視点があります

・材料の数・グレードを見直す
・工法を見直す
・納入タイミングを見直す
・決済条件を見直す

いずれも仕様を守った上でのことですから、仕様をはずしたら、契約不履行ということになるのですから
くれぐれもここを間違わないように。

それと、ABCの法則(コストの大きい順に並べたときに、上位の2割の品目で、コストの8割りを占める)
を活用するという視点も大切です。
外注が多岐にわたる場合、すべての外注品の原価を見直すのでなく、
そのコストの大きいものを重点的に見直すことにより全体の原価見直しをすることができます。

具体的に言うと、10品目の外注品があったときには、
コストの大きい2品目が、コストの8割を占める。
ということです。

すなわち、10品目を一律2割コストダウンするのではなく、
上位の2品目を2.5割コストダウンすることにより、結果一律に2割りコストダウンしたのと同じ
(コストの8割×2.5割のコストダウン=全体の2割のコストダウン)
成果をもたらします。

具体的に、何をどれくらい、どのような方法で見直して、外注原価の20を実現するかという計画を
立案することです。

B実行・統制・調整段階と進みます。
ここでは、計画に基づいて外注先と折衝を行うことになります。
そして、長期のものであれば、途中途中で、コストの発生状況を集計して確認する必要があります。  

計画どおり、外注原価20のペースで進んでいるのか・・・ということを確認します。
予定通り進んでいればよいでしょうし、計画よりもコストが発生しそうな場合は、計画の見直し等
の調整を行うことが必要となってきます。

短いプロジェクトであれば、途中の段階というよりも、一発勝負ということになるでしょう。            

とにく一発勝負の場合、納品してしまえば・・・後の集計・統制ということは忘れてしまい、
次の仕事に着手するという傾向があります。

必ず、集計・統制を納品後速やかに実施して、
計画との食い違いを振り返るという癖を体にしみこませる
という体質にしておかなければ、決してコストの改善を行える組織にはなれない
といっても過言ではありません。