P7 Management Consulting

<理想>



物理的現象を考えてみよう。

ある物体が動くためには、何らかの力が加えられる必要がる。          
その物体に力を加えなければ、その物体は動かない。    

物体を「組織」に、方向と強さ「理想」に置き換えれば理解しやすい。      

その組織に、理想を与えれば、その組織が動きだす。

一方、組織になんらの、理想を与えなければ、                 
組織はそのまま停滞したままになる。

その力は「方向」と「強さ」をもっていて、
力の加えた方向に物体は動き出しその力の強さほど動く。

すなわち、理想とは組織に「方向」と、その力の強さを与える。
理想が高ければ高いほど、その力は強いと置き換えることができる。

リーダが替わり組織に大きな変化をもたらすのは、               
新しいリーダーが理想を与え、その組織を動かし始めるということになろう。   

また、少し動いていた組織ならば、その動きの方向を修正したり、その強さを強めたりすることになる。

もうひとつ物理現象。鉄粉、アルミ粉、小麦粉、砂糖が一面に敷き詰めてある。  

そこに磁石をもっていくと、鉄粉が反応して磁石に吸い寄せられる。       
鉄粉は磁気に反応するという基本機能をもっている。              

そこに磁石が近づくことにより磁場ができて、
自らが有する基本機能により反応していく。

組織の発生も同様の現象が起こる。

さまざまな問題意識を抱いた人間が多くいる、                 
なかには、その問題は潜在化の状態で本人も気づいていないことがある。     
そして、その意識の強弱はある。

そこに誰かが、ある問題について、                      
「◎◎を解決しようと」旗をあげたときに、                  
同様の問題意識をもっている人がその旗のものとに集まってくる。

また、その旗をみて問題意識が潜在化のままの状態だった人が、         
言葉として表現されることにより、                      
「自分の問題はこれだったんだ!」                      
と顕在化して集まってくることもあろう。

この磁石にあたるもの、そして旗にあたるものが
「理想」と置き換えることができる。  
すなわち、「理想」とは同質のものを集める求心力があるといえる。

今日の飯に事欠くというレベルの環境では、                 
「貧困から脱出する」                            
という磁力で多くの人が吸い寄せられるであろうし、

外的な脅威にさらされているという問題意識のある人は、            
「自国防衛」という磁力で結束するだろう。

民族に弾圧が加えれるならば、                        
独立という磁力で結ばれるだろう。

「理想」の機能としては、                          
磁石のように組織たるべき「求心力」をもち、物体を動かす力のように、     
組織を動かす「方向」と「強さ」を持っているといえる。

その「理想」がない場合は、求心力ははたらかず、               
組織としては、ただ集まっただけといういわゆる烏合の衆になってしまう。    

その組織を動かす力が加えられず、停滞した何も機能しない組織になってしまう。
その意味において組織には、「理想」という要素が不可避となり、        
その「理想」という要素をあたえるものこそリーダーとなりえるのである


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